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ナッツの種類と特徴の全体像をつかんだ上で、具体的な名前を挙げて、産地や栄養素の他に、料理に生かせるヒントにも触れながら解説していきます。
ナッツには良質のオイルが含まれていることが多く、食事の前に一握りのナッツを食べると、血管に防御壁を作って、後から体内に入ってくる良くない物質から守ってくれます。
糖質が主体のおやつの代わりにするといいですね。種類や特徴を比べてみて、好みのナッツをスナックや料理に活用してください。
ナッツの種類と特徴:全体像
ナッツという言葉が付いているものがすべてナッツというわけではないんですね。その代表的なものが、ピーナッツ。これは本来、豆果に属するものですが、一般的にはナッツと解釈されているかと思います。
また、ナッツには、硬くてカリコリ言わせて食べるもの、というイメージが強いかと思いますが、栗や銀杏は、普通軟らかくしてから食べますよね。
そこで、あまり植物学的に深入りするつもりはないのですが、生物学上、大きく2つのグループに分けて説明したいと思います。それぞれのカテゴリーで英語名のアルファベット順に並べています。
・ナッツ---純粋に「ナッツ」と呼べるものは、硬い殻に覆われた種を含む果実のことで、自然に種を放出する種類のものではありません。英語では、“true nuts” と呼んでいます。
・種子----種皮で保護された胚性植物が、「種子」になります。英語だと、“seeds” ですね。こちらは、核果、裸子植物、及び被子植物の種子に分かれるのですが、詳細は省きます。
したがって、ナッツのほとんどは種子と言ってもいいのですが、その逆は当てはまらないのです。
ちなみに、一般的なナッツの概念に当てはまるものを、英語では総じて、 “culinary nuts” (料理用ナッツ)と呼んでいます。
では、この2つには具体的にどんな種類があるのか、名前と特徴を挙げていきます。
ナッツと種子の名前と特徴:具体例
ナッツ類
・”Acorns”
どんぐりコロコロのどんぐりです。アメリカ、アジア、ヨーロッパなどで幅広く採れますが、食品にするには、毒になる苦いタンニン酸を抜かないといけません。試したことはありませんが、おかゆも作れるようです。
・”Chestnuts”
栗はナッツに限らず、食べ物の中で一番好きです♪中国産が多いと思いますが、アメリカでは料理にすぐ使えるように、すでに火を通して真空パックにしたものや、ペースト状にしたものも売られています。
栗は他の種類のナッツに比べて、脂質よりも炭水化物の割合が大きいのが特徴で、満腹感が得られます。デザートはもちろんのこと、メインコースのソースやスープの濃度を濃くするのにも役立ちます。
・”Hazelnuts”
ヘーゼルナッツは、主に北米、ヨーロッパ、アジアで生育しており、中くらいのこんもりした木になります。一価不飽和脂肪酸やビタミン、ミネラルが豊富で、チョコレートと相性が抜群です。
アメリカの学生寮には欠かせないチョコレート・スプレッド “Nutella” に使われたり、コーヒーのフレーバーとしても人気があります。ヘーゼルナッツ・バターもあります。
種子類
・”Almonds”
アーモンドは、イタリアやスペインでも豊富ですが、何といってもアメリカのカリフォルニア州の生産が多いですね。一価不飽和脂肪酸に加え、たんぱく質やビタミンを多く含みます。
店で売られている形態は様々で、生の皮つきの物から、皮なしホールに、薄切りや細切り、又あられ状に切ったものまであります。アーモンドフラワーにもなっているので、マカロンを作ったりできます。
そのままスナックとして食べる種類では、スペイン産の “Macarona Almonds” というのがあって、コストコでは大きい入れ物に入って売っています。普通のアーモンドより平らで丸みを帯び、やや甘めで、私の好物です。
・”Brazil Nuts”
ブラジルナッツは、名前が示しているように、ブラジルやペルー、ボリビアといった、アマゾンのレインフォレスト地帯で生育しており、非常に硬い殻に入っています。
大粒で、ビタミンはもちろん、セレンやナイアシン、カルシウムや鉄分が豊富なナッツです。スナックにするミックスナッツにも入っていますが、料理にアクセントを付けるのにも適しています。
・”Cashews”
カシューナッツは、アフリカ、インド、ベトナムやその他の東南アジア地域で生育しており、抗酸化物質が豊富ですが、中でもマグネシウムが多いのが特徴です。
比較的軟らかく口当たりがいいので、中華料理の炒め物やサラダに加えられることが多いです。
・”Ginkgo Nuts”
銀杏はアジア産なので、日本人にも親しまれていますね。そのまま食べるナッツという感覚ではなく、茶碗蒸しや雑炊にアクセントとして入っているものを食べることが多いかと思います。
・”Macadamia Nuts”
マカダミアナッツは、ハワイの代表的なお土産として定着している感がありますね。その他オーストラリアやアフリカ、南米など温かい地域で生育します。
ビタミンAやたんぱく質、鉄分がたくさん含まれています。チョコレートやクッキーに仕込まれることが多いですが、フライの衣をカリッとさせるために入れることもあります。
・”Pecans”
ピーカンナッツは、メキシコをはじめ、北米の中でも、フロリダ州、カリフォルニア州、テキサス州といった南に位置する州でよく育っています。ただ、たくさん実がなるまでには数年から10年ほどかかるそうです。
お菓子作りに使われることが多く、私も時々ピーカンパイを作ります。市販されているものでは、”turtle candy” と言って、チョコレートを亀の体に見立てて、頭と足と尻尾をピーカンで作るキャンディーが定番です。
・”Pine Nuts”
パインナッツは、主にヨーロッパや北米に生息する石松の木の実で、小粒でバターっぽい味のナッツです。やや高価なので、そのままボリボリというより、ペストの材料にしたり、パンに散らして入れたりして使います。
・”Pistachios”
ピスタチオは、イタリアや中近東の国々をはじめ、北米では西海岸で生育しています。他の大部分のナッツと違って、殻ごと袋に入って売っていることが多いです。爪を入れると、すぐ割れるようになっていますね。
すでに剥いた物も売っていますが、1つ1つ殻から出す手間をかける方が食べ過ぎないでいいと思います♪ たんぱく質や繊維、鉄分、ビタミンが多く、バクラバにも入っているし、アイスクリームのフレーバーとしても人気です。
・”Pumpkin Seeds”
かぼちゃの種ですね。アメリカ以外では、メキシコやエジプト、中国、インドなどで育っています。脂質が多いので、バターに用いられることも多く、パンにもアクセントに入れたりします。
・”Sunflower Seeds”
ひまわりの種は、北米やロシアで生息しています。サラダやヨーグルトのトッピングによく使われます。他にはどこで見ることが一番多いかというと、それは、野球場。
メジャーリーグの試合中、ダグアウトで順番待ちの選手たちは、ほぼ常に口をモグモグ。ガムでなければ、それはひまわりの種です。殻のまま口に入れて、しばらくしがんだ後、殻をピッと地面に吐き出すのです。
ところがです。コロナ禍で遅れに遅れて、とうとう無観客短縮版として2020年7月24日に始まった大リーグでは新ルールが適用され、この唾を一緒に吐く行為が禁止となったのです!
これでダグアウトの地面も、しばらくはきれいなままでいることでしょう。
・”Walnuts”
胡桃は、中国をはじめ、アメリカやメキシコ、中東などでよく育っています。オメガ3脂肪酸が多く、抗酸化物質が豊富で、バターにもなっています。
中華料理によく使われます。海老と胡桃のはちみつソースなんか、とても美味しいですね。アメリカだと、ブラウニーを焼くときによく入れたりします。
その他
・”Peanuts”
最初に少し触れましたが、ピーナッツは名前にナッツが含まれていても、分類上は、“legumes” に属する豆類になります。上記の “tree nuts” と違い、木になるのではなく、地下で生育する植物です。
アメリカでは野球観戦でムシャムシャする以外には、ピーナッツバターがよく使われます。私はインドネシア料理のサテーに使われるピーナッツソースが好きですね。
最近ピーナッツ・アレルギーが多いので、学校ではランチタイムに事故が起きないように、教員は神経をとがらせることが多いです。
ナッツの保存と賞味期限
冷暗所で密封容器に入れて保管すれば、賞味期限を超えてからでも半年くらいは持ちます。冷蔵していれば、1年くらい大丈夫です。冷凍すれば更に長く保存できます。
でも特に目立ったカビとかが生えてくることもないので、いつ購入したものかを書いてないと、うっかりして長い間奥の方に入れたまま忘れてしまうこともありますよね。
そういう時は鼻が頼りです。古い油の腐ったような、独特の悪臭があるので、多分わかると思います。何なら、小さい1粒を噛んでみるとよくわかります。
ナッツのまとめ
・一般的に考えるナッツはいわゆる「料理用ナッツ」で、植物学上純粋に “nuts” と呼べるものは限られていて、ほとんどは、 “seeds” (種子)に属している。
・ナッツの種類はいろいろあるが、その多くは抗酸化物質を豊富に含んでおり、良質なスナックになるし、料理の一部に組み入れることも多い。
・長期間の保存に耐えるが、限度もあるので、あまり古くなったものは品質を確かめてから使った方がよい。
世間一般によく流通しているナッツを選んで、種類と特徴や、料理に生かすときのヒントを挙げていきました。
ナッツは体に良いものがほとんどです。でも、銀杏のように食べ過ぎると良くないものもあるので、何でもほどほどに。