チーズの選び方。健康的なチョイスを楽しむポイントとは?

この記事は約 10 分で読めます。

アメリカのチーズの種類

チーズの選び方って、まず基本の種類を知っておかないと、雲をつかむようだと思います。

約4千年も前から、古代の人々が、動物、主に牛の乳を搾って作ってきたものだから、細かいブランド名まで挙げていくと数千種類にもなります。

 

日本でも欧米の食事が普及するにつれて、かなりエキゾチックなチーズも目にするようになりました。

そこで、特徴別にベースになるグループ分けをした上で、気になる健康面での要素を取り入れて、賢いチーズの選び方をまとめていきます。

チーズの種類を大きく分ける

“Blue Cheese”(青かびチーズ)

例:ゴルゴンゾーラ、スティルトン、ロックフォール

名前の通り、チーズの果肉に青い筋や斑点が入っているので、見てすぐにそれとわかります。カビ種を植え付けて、湿度の高い部屋で半年くらい熟成させているため、風味が強く、匂いも強烈で、塩分が多いです。正直、私は苦手なチーズ。

ブルーチーズ

“Brined Cheese”(塩漬けチーズ)

例:テレメア、フェタ

塩漬けチーズ

 

“Pickled Cheese”とも呼ばれていて、溶液に浸けたまま、密封容器の中で熟成されるため、塩分が濃く酸味があります。主に中近東から来ているので、ギリシャ料理によく使われます。

フェタチーズは、クラム(つぶした状態)でコロコロした形で容器に入って売られているものが多いですが、ブロック(塊)で塩水に浸けたままパックされているものもあります。

 

“Chevre Cheese”(シェ―ブルチーズ)

例:サント・モール・ド・トゥーレ―ヌ、プリニー・サン・ピエール

シェーブルチーズ

山羊のミルクから作られるゴートチーズですね。独特の酸っぱい風味があって、私は好きになれないのですが、搾乳が行われる春先には、熟成の浅いマイルドなものも味わえます。

 

“Fresh Cheese”(フレッシュチーズ)

例:カッテージ、クリームチーズ、マスカルポーネ、モッツァレラ、リコッタ

フレッシュチーズ

フレッシュチーズは基本のチーズと言ってもいいでしょうね。熟成させない生タイプなので、日持ちはしません。周りの皮もなく、外も中も真っ白でしっとりしていて、滑らかな口当たりを楽しめます。

 

“Hard Cheese”(ハードチーズ)

例:アシアゴ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノ

ハードチーズ

一番硬いチーズの種類ですね。最も水分量が少なくもろいので、主に塊を削ったりおろしたりして使います。水気が少ない分、日持ちがよくなります。

 

“Processed Cheese”(プロセスチーズ)

例:アメリカンチーズ

アメリカンチーズ

これは、本当のチーズとは言えない、チーズの副産物のようなものです。アメリカではクラフト社が主に出している、個別包装のスライスチーズに見られます。日本製だと、6Pチーズとか。

 

他社の製品でも、ナチュラルチーズでないものは、この言い方以外には、“Prepared Cheese Product”と書いてあったりします。

数種類のチーズ原料を、ホエイ(乳清)や乳化剤、サラダ油などで固め、塩や砂糖で味付けした上に、色付けがしてあったりする、極めて不健康なチーズまがいです。

 

“Semi-Hard Cheese”(セミハードチーズ)

例:エダム、エメンタール、グリュイエール、ゴーダ、スイス、チェダー、フォンティーナ、マンチェゴ、モントレ―ジャック

セミハードチーズ

分類法によっては、ハードチーズと同じグループになったりしますが、あえて種類を別にすると、このタイプは適度に軟らかいため、薄切りにしてもおろしても自由自在に使えるので、最も広範囲に販売、利用されています。

 

“Semi-Soft Cheese”(セミソフトチーズ)

例:プロボロン、ハヴァティ、ポール・サリュー

セミソフトチーズ

ゴムのような弾力性のある感触で、周りの皮は薄いものから、ゴツゴツしたものまでありますが、硬い皮に囲まれているものほど、風味も濃く、匂いも強くなります。

 

“Soft-ripened Cheese”(白カビチーズ)

例:カマンベール、ブリー

白カビチーズ

周りが白い皮で覆われ、中身はとてもクリーミィ-なチーズです。とても軟らかいので、一度切ったりすくったりした後で保存するときは、ラップを変えてしっかり包み直した方がいいですね。

クラッカーに載せていただくと、ワインとの相性も抜群です。

 

“Washed Rind Cheese”(ウォッシュチーズ)

例:タレッジョ、マンステール、リンバーガー

ウォッシュチーズ

別名、”stinky cheese”とか、”smelly cheese”と言われるほど、香りの強いチーズです。チーズの感触としては、軟らかいものから硬いものまで様々です。

名前にあるように、表皮を常に塩水や、発酵して作られるビールやワインなどのアルコール類で洗うことにより、細菌の育成を促し、風味豊かな味に育っていきます。

スポンサーリンク

チーズの選び方の健康面を考えたポイント

さて、チーズは大きく2つに分けると、ナチュラルチーズとプロセスチーズになるわけですが、はっきりしていることは、プロセスチーズ(加工されたチーズ)には、ほぼ栄養価値がない、ということです。

では、ナチュラルチーズの選び方としては、どういった点に注目して選んでいけばいいのか、代表的な種類を取り上げて、ポイントをまとめてみます。

・フレッシュチーズ

カロリー面を考えるなら、熟成されていないフレッシュチーズがおすすめです。脂肪分やコレステロール値が一番低いので。中でも、カッテージチーズはリコッタチーズよりもカロリーが低いです。

フェタチーズは、その製造工程から、塩漬けチーズに分類しましたが、フレッシュチーズのグループにも入ります。ただ、その性質上、塩分が多いため、大量の摂取は控えた方がいいでしょう。

 

ゴートチーズも、大きく言えばフレッシュチーズの部類に入りますが、種類によってはプロバイオティクスの宝庫なので、腸内フローラの改善に良さそうです。

生のモッツァレラチーズは、トマトのスライスとバジルでカプレーゼを作ると美味しいですね。こちらも、微生物を多く含んでいるので、消化の強い味方になります。

 

・ハード(セミハード)チーズ

長期間熟成されて作られるハードタイプのチーズは、保存期間が長くて便利なこともさることながら、ビタミンやカルシム、その他のミネラルが豊富です。

ソフトライプのチーズと比べると、製造過程で乳清が取り除かれるために、乳脂肪分よりもカルシウムをより多く含むのです。その代わりに、塩分は増えますが。

ラクトース摂取に敏感な方に、おすすめの種類のチーズです。

 

・ブルーチーズ

青かびを付けて発酵させるタイプのブルーチーズは、カルシウムは豊富なものの、飽和脂肪酸を多く含むので、カロリーは高くなりますから、注意が必要です。

 

・ソフト(セミソフト)チーズ

外側から熟成が進んでいくソフトタイプのチーズは、やはり飽和脂肪酸の量が多くなります。基本的に、クリーミィ-なほど脂肪分は多いと考えた方がいいでしょう。

口当たりがよいものは、どうしても食が進み、分量を多く消費してしまいがちです。

 

それに、デザートやスナックにもってこいのソフトチーズは、チーズ単体だけではなく、ジャムも一緒に浸けて食べたりしませんか?

そこが危険ですね。

 

・プロセスチーズ

初めに書きましたが、チーズを選ぶときには避けた方がいい種類です。そもそも本物ではないので。

アメリカでは、ゲームの観戦に、ナッチョスを買ったり作ったりして食べる人が多いのですが、そこによくかかっている、缶入りの”Velveeta”スプレー。

ベルビータ

今からでも遅くはないから、やめた方がいいですね。もっともそういう人々は、映画館に行くと、コーラ片手に、バケツほどの大きさのバター入りポップコーンをほおばっているので、大差ないのですが。

言うまでもなく、プロセスチーズの名前通り、その工程には数多くの添加物が投入されています。

また、子供向けには、砂糖や人工のフルーツ味などを加味したものまで売られているので、要注意です。

 

いかがでしたか?

チーズだったら、何でも健康的と思っていると、落とし穴にはまります。

良質のチーズを選ぶことはもちろんですが、かといって、必要以上の量を摂取することはよくありません。

 

また、最近流行りの「低脂肪」の言葉に踊らされると、肝心の栄養素を取り損なうこともあります。「全脂肪」に含まれる多種多様な成分摂取には代えられないものがあります。

チーズの健康的な選び方について、解説してみましたが、他の食品にも当てはまることが多いので、日々の食生活に少しでも参考になれば幸いです♪