アメリカのハム。デリーで売っているのはどんな種類がある?

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アメリカのハム

アメリカのハムの種類では、未だに知らないもの、食べたことのないものがたくさんあります。

 

スーパーでもいろんな種類が置いてあるのですが、日常的にはどうしても、いつもサンドイッチに使う数種類の中だけで選んでしまいます。

この機会に、アメリカで手に入るハムの種類を整理してみることにしました。

 

本来ハムと言うのは、正式には豚のもも肉の加工品のことですが、デリカで扱っているものにはその他の動物の肉も色々あるので、このページでは、「ハム類」の意味でリストアップしたいと思います。

まず、元になる動物別に大きく分けてからアルファベット順に並べ、、料理をする際に使うハム全般で、形状の違う種類にも触れていきます。

アメリカで買えるハム類

アメリカでは、よくサンドイッチに挟んで使うハム類のことを、“lunch meat”とか“deli meat”、また“cold cuts”と言ったりします。

ガラスケースの中には、いろんな種類のハムが塊で入っていますが、特に需要の多いものは、初めから薄切りにしてあって、すぐに測って包めるようになっています。

 

好みのものがほしいときには、大きい塊からスライスしてくれ、中身がよくわからないときとか、サービスの良い店に行くと、薄切りにした1枚を味見に食べさせてくれます。

以下に、ハム、もしくはハムまがいの加工品の元になっている動物別に分けて、それぞれ簡単に解説していきます。

 

<豚から作られたもの>

“Black Forest”(ブラックフォレスト)

ブラックフォレストは、私の一番好きなハムの種類です。黒い淵が特徴のハムです。

この名前は、ドイツにある、フランス寄りの“Schwarzwalder”という場所から来ています。この地域を遠くから眺めると、鬱蒼と茂った木々が、「黒い森」に見えるのだそうです。

EU(欧州連合)内では、この地域から来たもの以外は、ブラックフォレストハムと呼んではいけないそうですが、アメリカで売られているものはそこまで厳格ではありません。

ブラックフォレスト

生ハムをもみの木で燻製にして作るのですが、塩漬けから始めて、全工程は3か月ほどかかります。

ちなみに、このドイツの同じ地方から来ている有名な洋菓子に、「ブラックフォレストケーキ」があり、ダークチェリーを洋酒に浸けてフィリングにしている、これまた、私の大好きなケーキです。

 

“Canadian Bacon”(カナディアン・ベーコン)

名前に騙されないでください!これは、アメリカ人にしか通用しません。(実は普通のハムです♪)

その歴史をたどってみると、19世紀のイギリスで豚不足になっていたころ、カナダからポークロインを輸入し、塩漬けにした後、豆を挽いた粉“peameal”に包んで保存していたそうです。

カナディアン・ベーコン

だから、“Pea Meal Bacon”と呼ばれていました。(←ここでの突っ込み→そもそもベーコンはポークベリーでしょ。)

それをアメリカ人が手に入れて、“Canadian Bacon”と呼ぶようになったのだとか。ちなみに、その内、“cornmeal”がたやすく得られるようになってからは、コーンミールでパックするようになったとさ。

 

“Capocollo”(カポコッロ)

イタリアでよく作られている生ハムで、部位は、豚の首から肩にかけての肉を使い、塩漬けにして空気乾燥させたものです。ソーセージ作りに使うケーシングに入れて、半年ほど吊るして乾かします。

コッパ

ショートネームでは、“coppa”とも呼ばれ、味はプロシュートに似た感じです。時々、とてもスパイシーなバージョンも見かけます。

 

“Pancetta”(パンチェッタ)

ポーク・ベリーからできていて、ベーコンのイタリア版といった感じでしょうか。生ベーコンと呼んでもいいかもわかりません。

パンチェッタ

塩漬けされていて、胡椒やナツメグ、ファンネルといったようなスパイスを加味して、最低3か月は寝かして作られます。

これを小さく切ってカルボナーラを作ると美味しいですね。でも生ハムと同じで、薄くてべたつくので、さいの目に切るのはなかなか厄介です。

 

アメリカにはすでに切り刻んでパックにしたものも売っているので、私は冷凍しておいて、使いたいときに解凍するようにしています。

生なので、一旦封を開ければ、冷蔵保存で数日以内に使いきるようにしましょう。

 

“Prosciutto”(プロシュート)

日本では、生ハムの代名詞にもなっているかと思いますが、イタリアの代表的なハムの種類ですね。

ポーク・レッグから作られているので、パンチェッタに比べると、脂肪分が少ないです。スパイス類を加えて塩漬けにされ、1~3年かけて冷温で熟成します。

プロシュート

 

イタリアでは、プロシュートは、“prosciutto crudo”とか、単に“crudo”と呼ばれ、加熱処理された“cotto”とは区別しているようです。

人気の使い方としては、やっぱり生の特徴を活かして、メロンに載せたり、細切りの野菜に巻いたり、アンティパストのトレイに盛り付けて、オードブルとしていただくことが多いですね。

 

<牛から作られたもの>

“Bresaola”(ブレサオラ)

北イタリアから来た、牛もも肉を使って作る生ハムですが、バリエーションとしては、馬肉や鹿肉を使うこともあるようです。

ブレサオラ

牛の足から完全に脂肪分を取った上で、塩を加え、ナツメグやシナモンをまぶして乾燥させ、2~3か月熟成します。脂肪が少ない所がいいですね。

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“Pastrami”(パストラミ)

パストラミは、肉を一定の方法で調理して作ったものを指すので、羊や七面鳥を使って作られる場合もあるのですが、一番多いのは、やはり“beef pastrami”です。

パストラミ

ビーフ・ブリスケットかビーフ・ラウンドを使って、塩漬けにした肉を乾燥させ、ハーブやスパイスを加えて燻製にした種類になります。

元はと言えば、19世紀の終わりに、東ヨーロッパから移住してきたジュ-イッシュの人々が広めたようです。

 

まだ冷蔵庫がなかった頃、いかに肉類を長期保存できるか、知恵を絞って作られたんですね。

ニューヨークで人気のサンドイッチには、ライ麦パンに、このパストラミの薄切りを挟んで作るものがあります。

 

“Roast beef”(ローストビーフ)

ローストビーフは、ホテルのビュッフェに行っても、人気のアイテムとしてよく見かけます。目の前で切ってもらうと特に美味しさが増しますね。

元を正せば、イギリスの伝統的な料理なんですが、どこが発祥かもわからないほど、全世界に知れ渡っています。

ローストビーフ

オーブンで蒸し焼きにして作りますが、ディナーのメインディッシュ以外にも、アメリカのスーパーでは、サンドイッチの具材として、他のハム同様、薄切りにして売られています。

私個人としては、ウェルダンの方が好きなので、塊から切り分けるとすれば、端っこの方を食べたいです。

 

アメリカの料理に使うハムのスタイル

サンドイッチや、オードブルなどで、ハムをそのまま直接使うときは、薄切りにすることが多いのですが、調理に使うときは多少形態が変わります。

以下に、アメリカの家庭でよく使われるハムのタイプを挙げておきます。

 

“ham steak”(ハム・ステーキ)

その名の通り、ハムをメインディッシュにして食べるときによくある、ステーキ状に分厚くカットされたハムのことです。大小、大きさも様々です。

ハムステーキ

アメリカのハム製造会社は、1cm弱くらいの厚みのハムを真空パックにしてよく売っています。小さいものは骨なしですが、小盆くらいの大きさのものになると、大抵骨付きです。

 

“spiral-cut ham(スパイラルカット・ハム)

これは、パーティーでゲストディナーを用意するときに時々使うのですが、大きいハムの塊に既に切り目が入れてあるので、グレーズがカットの間にしみ込んで美味しくなります。

 

難点は、薄切りの間もオーブンの火で焼けることになるので、ややドライに仕上がる所です。

このタイプは、あるハムの製造会社が発明して、自社ブランドとして出していたのですが、数十年前にパテントが切れたので、どの会社でも出せるようになりました。

 

 

いかがでしたか?

アメリカのスーパーで手に入るハム類を挙げていきましたが、知らないハムの名前はありましたか?

 

まあ、健康面のことを考えると、加工品は極力控えるにこしたことはないんですけどね。

最近では、低塩ハムとかも売っているし、毎日大量に食べなければ、大丈夫でしょう。

私もまだ食べていないハムの種類があるので、またグルメ・ストアを巡ってみたいと思っています♪

 

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