生野菜と加熱野菜。違いを考えて栄養を最大限に活かすには?

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生野菜か加熱野菜か

生野菜か加熱野菜か、どちらの方が体に良いのかというのは、いつも議論の種になるところです。結論から言えば、個々の体が何を求めているかによります。

実際、それぞれの野菜によって、生の方が栄養を保てるものもあれば、加熱した方が逆に栄養素が増えるものもあるし、胃に優しく大量消費できる利点もあります。

 

考えてみると、動物の中で食べ物を調理してから食べるのは人間だけですよね。だからこそ食中毒からも逃れて、脳も発達し、文明を進化させてきたのだという学者もいます。

このページでは、生野菜と加熱野菜の長所と短所や、個別の野菜をどのように摂取するのが最適なのかといったことをまとめてみました。

 

生野菜と加熱野菜のメリット・デメリット

生野菜の良い点・悪い点

野菜を生で食べることの利点は、野菜に多く含まれる食物繊維や水溶性ビタミンを最大限に摂取できることにあります。特に葉酸やビタミンCなどは、酸化ストレスから身を守り、神経性変性疾患やうつ病対策にも効果があるとされています。

血糖値やコレステロールを下げてくれる一方で、中には生では消化しにくい野菜もあるので、胃腸障害のある方は避けた方がいい場合もあります。玄米のように栄養価が高くても、腸の機能が弱っている高齢者には向かないのと同じ考えです。

 

加熱野菜の良い点・悪い点

野菜に熱を加えることによって、生野菜で得られるはずの栄養素を失うことが多いのが欠点です。野菜をゆでれば、水溶性ビタミンはほとんど流れ出てしまうし、高温で長時間調理すると、栄養素が破壊されてしまいます。

でも野菜の種類によっては、加熱処理により栄養価が高まるものもあるのです。また、軟らかくなって噛みやすくなり、消化が楽になって胃への負担が軽減されることはメリットですね。かさが減って、生野菜よりたくさん消費できることも良い点です。

 

 

生で食べた方がよい野菜

野菜にはそれぞれ特徴があるので、加熱しないで生で食べた方がよい野菜の例を挙げておきます。

・ブロッコリー

抗酸化作用の強いスルフォラファンが豊富で、生で食べることにより、慢性の炎症性疾患や癌の予防、心臓病対策にもなると言われています。

生ブロッコリー

ただし、生のブロッコリーには、甲状腺の健康に影響してくるゴイトロゲン化合物が含まれるので、心配な方は少し蒸した方がよいかもわかりません。

 

・カリフラワー

ブロッコリーと同じ種類に属するので、基本は生で食べることで、水溶性のビタミン類を最大限に摂取することが可能。

 

・キャベツ

生キャベツ

ミロシナーゼという消化酵素を含んでいて、癌のリスクを軽減してくれるとされているので、肉料理の横には刻みキャベツやコールスロー等で生でいただきましょう。

 

・ケール

生ケール

青汁で人気が出たケールは、ビタミンBやミネラルが豊富で、1カップほどの刻んだ葉っぱを食べれば、一日分のビタミンCも摂れてしまいます。

 

・玉ねぎ

生玉ねぎ

メタボリズムの作用を促進するビタミンBが多いことと、蛋ん白質やグルタチオンの合成に必要な硫黄化合物を含んでいるので、体のエネルギーを生み出す強い味方。

 

 

加熱した方がよい野菜

人参やトマトのように、生で食べることの利点がある一方、より特殊な栄養素を活用するためには加熱した方がよいと考える野菜もあります。

・アスパラガス

加熱アスパラガス

ビタミンA・C・Eの他、リコピンも含まれており、熱を加えることによって、抗酸化物質の割合が最高で4分の1量増えると言われています。

 

・人参

加熱人参

ビタミンCの摂取には生の状態が良いのですが、人参の特徴であるベータカロチンを多く摂り入れるためには、加熱がおすすめ。体内でビタミンAに転換して、粘膜を守り、目や骨の健康に寄与してくれます。

 

・マッシュルーム

加熱マッシュルーム

カリウムやナイアシン、亜鉛やマグネシウムといった栄養素の宝庫ですが、加熱した時に、もっと生体利用可能となる野菜。

 

・ほうれん草

加熱ほうれん草

同じ原理で、加熱することにより、鉄分やカルシウム分が、より生体利用可能になるのです。

 

・トマト

加熱トマト

人参同様、トマトに含まれるるビタミンCは加熱することで多くを失いますが、トマト特有のリコピンを最大限に活かすには、加熱が大切で、30分間トマトを調理すると、シス‐リコピンの量が35%も増えるとか。

 

 

生野菜と加熱野菜をより活かす方法

生野菜と加熱野菜のメリット・デメリットを踏まえた上で、逆にそのデメリットを最小限にとどめる方法を考えていきます。

 

生野菜を扱うときの注意点

オーガニック以外の普通の生野菜には、大抵残留農薬が付着しています。中でも特にその残留度が高いものを、アメリカではダーティー・ダズンと呼んで、注意を喚起しているのです。

果物と野菜を含む12種類なので、ここではその内、どんな野菜が含まれているのか、最近の報告で上から汚い順に挙げていきます。

 

・ほうれん草

・ケール(コラードやマスタードグリーンも含む)

・パプリカ(唐辛子を含む)

・インゲン豆

 

生で食べた方が栄養素が活かされるというケールが入っていますね。ではどうしたらいいのか。残留農薬のきついものは、普通の水洗いでは落ちないようです。

そこで活躍するのが、重曹。1%の溶液というから、大体2カップ(500mL)に対して小さじ1杯くらいの重曹を入れた液に、15分ほど浸け置きするとよいと聞きました。あとは水洗いですね。

 

加熱野菜のデメリットを最小限にする方法

加熱と言ってもピンからキリまであります。揚げ物は最悪ですが、最近人気のエアー・フライヤーなら、少量の油であまり高温にならずに調理できるので、良い代替案です。

 

とにかく短時間で高温にさらすことなく加熱するのが良いので、良質の油を使ってソテーするのも良い方法ですが、少しだけ軟らかくするのであれば、蒸すのが一番栄養の損失が少ないでしょう。

味付けを含めた加熱調理なら、圧力鍋を使った調理が、実験結果でほぼ9割がた、元の栄養を保持できるという結果が報告されています。

 

 

生野菜と加熱野菜を比較して、それぞれのメリットとデメリットを挙げ、個別の野菜の栄養を最も摂り入れるためのリストアップもしました。

大切なことは、とにかく野菜全体の摂取量の底上げをすることです。近年、その摂取量が標準値に達していないと聞くので、生でも加熱でもいいから、たくさん野菜を摂りましょう♪

 

生で食べる時には、よく噛むことです。唾液が出ると、アミラーゼという消化酵素が胃に入る前に消化を始めてくれるので、負担も減るし、時間をかけて食べることで、食べすぎも防げますよ。