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アメリカ、特に私の住むワシントン州はりんごの宝庫。だからリンゴを料理に使うことが多いのです。以前に、「りんごのお菓子の種類」を特集しましたが、今回はおかず編。
メインディッシュに良い相性は何といっても豚肉ですね。サラダの具にもよく使います。赤い皮と緑色をした皮の林檎を使い分けると、見た目も鮮やかになります。
形としては残らないものの、スープに煮込むこともしばしば。ということで、このページでは、私がアメリカの家庭でりんごを使って作った料理の数々を紹介していきます。
もし作ってみたいというメニューが見つかったら、「世界の家庭料理からもてなし料理のレシピまで集めよう」という、私の拙ブログにレシピを載せていますので、ぜひ試してみてくださいね♪
アメリカで作るりんごの料理ってどんなもの?
メインディッシュ
=豚肉料理=
・ポークローストのアップルサイダー蒸し焼き
クリスマスに生えるディナーメニューです。豚肉は一晩漬けこんでから使うので、事前の準備が必要。長時間かけて蒸し焼きにするので、当日もかなり時間がかかります。クリスマスの色を添える意味で、赤い皮のりんごを使用。
・豚ヒレ肉のアップル・オニオンソース煮
圧力鍋のレシピで作りました。通常は豚肉をブラインに漬けたり、オーブンで長い間焼く時間がかかりますが、プレッシャー・クッカーなら、ササっと塩をまぶして高圧調理をすればいいので、りんごと玉ねぎのソースもあっという間にできあがり!
・ポークチョップとポテトアップルのキャセロール
ジャガイモとサツマイモとりんごを全て輪切りにしてキャセロールに並べ、アップルジュースをかけてオーブンで一度焼きます。そこへ炒めたポークチョップを載せてもう一度焼いて仕上げます。
・ポークチョップのレストランスタイル
この料理では、りんごの芯を取ってから、そのままの形を保って大きい輪切りにしてポークチョップに添えます。その辺りがレストランスタイルなのかなと思いますが。なお、豚肉にかけるソースは、メープルシロップが主体なので甘めです。
・ローストポーク・テンダーロイン
先に挙げた豚肉のロースト料理と違うのは、こちらはヒレ肉を使っているので、漬け込む時間は少なくていいということと、りんごは皮をむいて薄切りにして使うので、どちらの色でも大丈夫なところ。
・ポークチョップ・フレンチスタイル
見た目はレストランスタイルと似ていて、ポークチョップの横にりんごの太い輪切りがソテーして添えるのですが、この料理のミソは、小鉢に入っているアップル・ブランデーソース。りんごを煮込んで裏ごしする手間もあり、かなり込み入っています。
=鶏肉料理=
・チキンフリカッセ・アップル添え
チキンに添える具だくさんのソースに、ふじ系のりんごと玉ねぎを使います。チキンスープにアップルサイダーを加えて煮てから、ヘビークリームとサイダービネガーを加えて煮詰めるので、コクのある甘めのソースができます。
=魚料理=
・ムール貝とりんごの酒と胡椒和え
ムール貝を酒で蒸し煮してから、りんごの薄切りとバターを加えて仕上げます。この料理には酸味の強いリンゴが良いです。黒胡椒をたっぷり利かせた味付けになっています。
・鮭のブルーベリーソース
バターグレーズをかけて焼いたサケにかけるブルーベリーソースの中に、見えないけど、りんごが隠し味に入っているのです。玉ねぎと一緒にチキンコンソメで煮込んだ後、こしてからブルーベリーを混ぜて煮詰めていきます。
サラダ料理
・リンゴとぶどうとミカンのサラダ
りんごをメインにして葡萄とみかんを加えたミックスフルーツサラダです。ナッツとドライベリーも使って、グリークヨーグルトがベースのドレッシングで和えています。
・コールスロー・りんごとピーマン入り
コールスローの主役はキャベツですが、この料理では、ピーマンがかなり大きな位置を占めています。りんごの量は大してないのですが、他の具材は全て細切りにするのに対して、リンゴは幅のまま薄切りにしているので、結構目立つ存在。
・ウォルドーフ・サラダ
りんごが主役のサラダなので、これを外すわけにはいきません。「サラダの種類と名前」のページでも触れましたが、ニューヨークの由緒ある同名のホテルで出されたサラダです。
・人参とりんごとコーンのスロー
スローという名前はサラダの意味なので、これはキャベツ(コール)が入ってないサラダ料理。代わりにコーンに加えて、人参とりんごと胡瓜の細切りを混ぜ合わせています。
・ケールとリンゴとチェダーのサラダ
ケールが主役のサラダ料理のため、ここではりんごは小口切りにして、見え隠れする程度にしか入れません。写真でも、一口サイズに切ったチーズと区別がつきにくいくらいです。
・リンゴとハムとチーズのサラダ
マセドアンサラダに属する部類です。りんご以下、セロリ、ハム、チーズを全て小口切りにして、ヨーグルトにレモン汁を加えて味付けしたドレッシングで和えます。プロテインも加わって主菜にもなるサラダ料理です。
・ミックスグリーンサラダ・チキンとチェダーとりんご入り
りんごは控えめのおかずサラダです。緑の野菜を主体にして、チキンやチェダーが入ってプロテインも補えます。調理済みの鶏肉を使っていますが、感謝祭後に残りのターキーを引き裂いて載せてもいいですね。
・焼きりんごのグリーンサラダ
りんごをくし形に切ってグリルして使うので、選ぶときには、できるだけ身がしっかりしているものがおすすめ。ロメインレタスを土台にして、ナッツやチーズも入っています。
スープ料理
・シーフードシチュー・ベトナム風
シチューといっても、どちらかと言えばカレー風の料理で、圧力鍋のレシピで作りました。具材のシーフードは、海老やホタテにタラが入って豪華。野菜果物は、りんごにバナナにレーズンを使い、砂糖も少し入って甘味のあるルーです。
・ポーク・サイダーシチュー
豚肉以外の野菜果物類では、りんごに加えて、かぼちゃかサツマイモも入っているのと、チキンスープに次いで、アップルサイダーもかなりの量を使うので、甘めのシチュー料理になっています。
・サツマイモとりんごのスープ
スープの本体はさつまいもです。パースニップ(サトウニンジン)も少し入っていますが、この料理では、りんごはトッピングとして浮かべているだけです。でもサツマイモと相性がいいので、しっくりきます。
・アップル・パンプキンスープ(ハム入り)
このスープは、りんごと玉ねぎにかぼちゃのピューレを加えて作っています。ただし、コクのあるスープにしようと思うと、どうしても日本の栗南瓜を使いたいですね。ピューレにするので、生がなければ冷凍でも使用可。
ソース・レリッシュ類
・クランベリーと葡萄と林檎のローストソース
サンクスギビングのターキーに添える、クランベリーソースの存在をもっと大きくしたような副菜。普通、他の具材はクランベリーを引き立たせるためにあるのですが、このレシピでは、脇役のリンゴやブドウの方が幅を利かせています♪
・りんごとグリーンチリのレリッシュ
感謝祭のターキーに添えるコンディメント。普通は甘く味付けたクランベリーソースが主流ですが、これは辛味のチリを加えたレリッシュ。でも極端に辛くなく、りんごの他にレーズンも入って、程よい組み合わせになっています。
・アップルクランベリーソース・ピスタチオ入り
このソースも普通のクランベリーソースと違って、主役と脇役がひっくり返った形になっています。つまり、りんごの存在がもっと大きく、クランベリーはちらほら程度。ピスタチオを散りばめてアクセントを付けました。
その他の料理
・チコリのオードブル・チョコソースかけ
チコリの葉は、ちょうど手に取って口の中に入れるのに適したサイズなので、前菜にもってこい。りんごは、フィリングの中の数ある具材の1つなのですが、酸味と噛み応えを加えることで、楽しい食感になりました。
・ハムとチーズのピザ
ピザ生地は市販の物を使うので、その分手間が省けるため、平日の夕食にも簡単に用意できます。普通のピザは具の間から下のソースや生地が見え隠れするものですが、これは思いっきり具を載せるので、何も見えません!りんごは隠し味程度に混入。
・バターナットスクワッシュと林檎のアンサンブル
ベジタリアンをディナーに呼んだときに作った料理です。このレシピではバターナットスクワッシュを組み合わせましたが、りんごとサツマイモでもいい感じに仕上がるはず。りんごは砂糖を加えてソテーし、ローストしたスクワッシュと混ぜ合わせます。
りんごを料理に使うときのコツ
道具類
日本人には不必要だと思いますが、アメリカには様々な器具があって、例えば、りんごの皮をむく “peeler” や、りんごの芯を取る “corerer” に、りんご1個を一発でくし形に切る “wedger” まであるのです!
包丁を上手に使えば、特殊な道具類より速かったりしますが、今挙げた中で、芯取りは、りんごを輪切りにして料理に使いたいときには便利かもわかりません。
ただ、細い円柱状に芯を取るため、種がまだ中に残ることもしばしばで、小ぶりのナイフで修正が必要なこともあります。ちなみに、私はどれも持っていません。
日本の方には無駄なアドバイスかもしれませんが、りんごを大量にむいたり切ったりして生で料理に使うときには、切り口の酸化を防ぐためにレモン水などを用意して、最初に切ったものをしばらく漬けておくと、変色を防ぐことができますね。
分量の目安
りんごを料理に使うときには、いろんな形に切ることはもちろん、おろすこともあれば、絞った汁だけを使うこともあります。そんなときに、普通サイズのりんご1個からは、どのくらいの分量が取れるのかを知っておくと便利です。
・薄切りや小口切りにしたときは、約1と1/3カップ
・微塵切りの場合は、約1カップ
・おろすと、約3/4カップ
・絞ると、約半カップ
なお上記の分量は、アメリカ基準の1カップ、つまり240㏄になっていますので、ご注意を。
保存の仕方
りんごはエチレンガスを出すので、他の果物と一緒にすると完熟を速めてしまいます。りんご自体も短期間なら室温でいいのですが、長期間持たせたいときは冷蔵保存をおすすめします。
長く持たせるには、1個ずつ新聞紙か何かに包んで、重ならないように並べておくといいですね。
アメリカでは、りんごはお菓子以外にもいろんな料理に使います。これまでに考えてみなかった食材との組み合わせや、ゲストディナーのアイデアが見つかったら、ぜひ試してみてくださいね♪
レシピは全て、「世界の家庭料理からもてなし料理のレシピまで集めよう」というサイトに載せています。