この記事は約 12 分で読めます。
ニューメキシコの食べ物は、州の名前からして分かるように、ほぼメキシコ料理で、そこにネイティブアメリカンの食文化が融合したような感じです。
だから、朝からブリトーを食べたり、チョコレートにチリペッパーが入ってたり、インディアンのフライブレッドに似たようなパンがあったりします。
では、アリゾナ州とテキサス州に挟まれたニューメキシコにはどんな食べ物があるのか、具体的に見ていきましょう。
ニューメキシコの食べ物はほぼメキシカン
朝食
Blue Corn Pancakes
ブルーベリー入りのパンケーキではありません。ネイティブ・アメリカンの主食にもなっている食べ物です。本当に青い色をしたブルーコーンを挽いてできた、青みがかった灰色のブルーコーンミールを使って作られています。
Breakfast Burrito
メキシカンは朝昼晩と、この手の料理を食べますね。でも朝食らしくするには、チーズとグリーンチリのほか、スクランブルエッグが入って、ハッシュブラウンやソーセージとかベーコンが付いてくることが多いです。
Huevos Rancheros
ウェボスランチェロスは、朝から食欲のある人向けの食べ物で、テキサス州からメキシコ国境にまたがる地域で生まれたと言われています。どちらかと言えば、農家の人が早朝からひと仕事終えた後に食べるブランチ的なものです。
焼くか揚げるかしたトルティアの上にフライドエッグを2つほど載せて、ピコデガロのチャンキーなソースをかけ、あとは好みで、ライスやビーン、アボカドなどを添えて出します。
Stacked Blue Corn Enchiladas with Egg
これを朝食というには、かなり無理がありそうですが、ニューメキシコを代表する食べ物の1つです。例のブルーコーン・トルティアを焼くか揚げるかした後、ソースに通して、チーズと肉や野菜のフィリングを加えながら何枚か重ね、最後にフライドエッグを載せて出します。
普通、エンチラーダというと、トルティアにフィリングを詰めて、くるくる巻いてキャセロールに並べ、ソースをかけてオーブンで焼きますが、この料理はトルティアを円いまま重ね焼きするところがユニーク。
パン類
Horno Bread
ニューメキシコには至る所に、その昔スペイン人がもたらした、ハチの巣の形をした焼き釜があり、インディアンのプエブロ族が焼いていたので、“Pueblo bread” とか “Spanish bread” とも呼ばれていて、クラストは厚いけど、中はふっくらしています。
Sopapillas
ソパイピラと発音するのか、ちょっとよく分からないのですが、ニューメキシコ・オリジナルの揚げパンで、形はフランスのベニエのようです。そのままで主食にもなれば、蜂蜜をまぶして食べたら、ふんわりした食感のデザートにもなり、南米でも人気。
ファーストフード系
Green Chile Cheeseburger
ニューメキシコのサン・アントニオにある、“The Owl Bar” で1940年代に作られた食べ物です。何でも、お腹をすかせた科学者が、バーのスナックでは持たないので、ローカルで獲れたグリーンチリを加えたチーズバーガーを出してもらったのが始まりとか。
Green Chile on Pizza
上記のグリーンチリ入りバーガーがヒットを受けて、バーガーに合うならピザでもいけるんじゃないかということで、トッピングに加えるとペパロニとの相性も良く、チーズがスパイシーな味をうまい具合に和らげてくれるので、別の作品が生まれたわけです。
野菜類
Chicos
チコというのは、トウモロコシを乾燥させた身のことで、伝統的には、“horno” という窯で一晩かけてローストした後、天日で乾かします。噛み応えがあって、シチューに入れることが多いです。
Chile Rellenos
チリ・レジェーノを作るときは、一般的にはポブラノペッパーを使うことが多いですが、ニューメキシコの食べ物なので、地元で収穫する “Big Jim” という、かなり大きなサイズのチリペッパーを使います。チーズをたっぷり詰めて衣をつけ、油で揚げます。
Flame Roasted Green Chiles
ニューメキシコでは、夏も終わりに近づくころ、あらゆる農場や食料品店で、グリーンチリを大量にローストしているスモーキーな香りが漂ってきます。“Hatch Valley Produce” のグリーンチリがあると、いろんな料理のアクセントに活かせるのです。
肉料理
Carne Adovada
カルネアドバダは、ニューメキシコのレッドチリソースで時間をかけて煮込んだポーク料理です。豚肉をレッドソースでゆっくり調理するので、仕上がったときにはフォークで刺すと崩れそうになり、口の中でとろけるくらいの軟らかさになります。
Chicharrones
チチャロン(チカロン)というのは、本国メキシコにおいては、豚の皮をラードで揚げて、ポテトチップのようになったスナックのことを指しますが、ニューメキシコでは、豚肉のかけらを含めた皮を豚の脂で揚げた食べ物で、よくブリトーの中に入れて使います。
スープ
Green Chile Stew
特に冬場には欠かせない、体が芯から温まる食べ物です。ニューメキシコならではの、“hatch green chile” を使って作りますが、なければアナハイムチリでも大丈夫。辛みを増したければ、ハラペーニョペッパーも少し加えるといいですね。
あとは、ポテトやオニオン、トマトなど基本の野菜に、ベジタリアンでなければ、豚のロース肉かビーフ、人によっては両方を混ぜて加え、煮込みます。参考までに以下に一般的なレシピビデオを貼っておきます。
Pozole
ポソレは、メキシコの伝統的なシチューで、ホミニーというメイズ(コーン)の身と豚肉が主な材料です。バージョンがあって、一般的なのは、グリーンチリを使った、“Verde” や、レッドチリの、“Rojo”。どちらも使わないと、“Blanco” (白)になります。
ソース類
Green Chile Sauce
グリーンチリソースは、ニューメキシコの食べ物を語るときには欠かせません。主食からデザートに至るまで登場します。ニューメキシコでは、8月から9月にかけて、ハッチ峡谷で獲れるチリペッパーを使うのが伝統的です。
グリーンチリのほかには、玉ねぎ、にんにく、小麦粉、オイル、スープストックを使い、塩やクミンで味付けます。ホームメイドだと、瓶詰にして1週間くらい冷蔵できます。
Red Chile Sauce
ニューメキシコのレッドチリを使って作るソースは、シンプルながら味わい深いものです。スパイス度は、チリペッパーの種類によって、マイルドからスパイーシーなものまで変えられます。
手順としては、乾燥したレッドチリペッパーをフライパンでトーストしてから少し置いて(手袋をはめ)、軸や種を取り除き、ストックと一緒にフードプロセッサーでピューレにし、玉ねぎやニンニクを炒めたフライパンに加えて煮込みます。
その他
Frito Pie
ニューメキシコのサンタフェとテキサスの双方が、このフリトパイの出処で議論しているようです。最もポピュラーな差し出し方は、フリトスコーンチップスの袋下半分に、チップスや挽肉、ビーンズにチーズやレタスをレッドソースに絡めて入れる方法です。
Red Chile Pork Tamales
タマレスは時々トレジョのプレーンな物を買ってきて食べますが、ニューメキシコのタマレスはパンチが効いています。本格的な物を作ろうと思うと、8時間以上かかりますが、インスタントポットなら半分の時間で作れます。(それでも面倒だから、やっぱり買います♪)
ニューメキシコならではのデザートは?
Biscochitos
ビスコチトスは、ニューメキシコの州クッキーです。ホリデーシーズンやスペシャルイベントには欠かせない食べ物。油脂にはラードを使い、シナモンシュガーとアニス風味が特徴のショートブレッドタイプのクッキーです。
Chile in Chocolate
チョコレートは甘い物、とは限りません。ニューメキシコのチョコレートは辛い物が人気。メキシコの○○○○カルテルは、いつもアメリカ政府との論争の的になっていますが、似た名前でも中身が全然違う、チョコレートカルテルという店があるのです。
最初は、ショコラティエ・マスターでシェフのスコットが、タオストいう小さな街で始めたところ、口コミで知れ渡り、兄弟のティムが加わって、アルバカーキに店を構えました。全て手作りで、人に喜んでもらえるチョコレート作りを目指しています♪
Green Chile Apple Pie
アルバカーキを南へ行くと、ハムレットという小さな街があり、そこは “Pie Town” と呼ばれていて、9月の第2土曜には、パイフェスティバルが開かれます。中でも、“Pie-O-Neer” というカフェで出すパイが評判だとか。
グリーンチリと言っても、スパイス度には温度差があるので、デザートパイには少しアクセントが付く程度のチリを使っています。この店のアップルパイには、他にパインナッツが入っているのも特徴です。
アメリカはどの州でも移民だらけですが、特に南部の国境に接する州では、メキシコからの移民が多いです。州の名前にニューメキシコと付いているくらいだから、この州ではなおさらのこと。
当然ながら、食べ物もメキシコから来たものも多いし、また純メキシカンから、メキシコ風アメリカンに転じた食べ物や料理もたくさんあります。ニューメキシコの目玉は何といっても、グリーンチリペッパーですね。
シチューに入れることはあっても、デザートに使ったことはないので、いつか試してみようかな♪