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食に関することわざで英語で表現されるものを集めて、テーマ別にまとめてみました。アメリカに限らず、英語圏の文化を理解するのにも役立ちます。
というのは、同じ意味の教訓を言い表すのに、それぞれの文化の違いから、対象となる食べ物が違ってくるんですね。
直感的にわかるものは直訳だけにして、ちょっと解説があった方がわかりやすいかなと思うものには、意味説明を加えています。
食のことわざの英語表現
<動物編>
“It is not necessary to teach a fish to swim.”
「魚に泳ぎを教える必要はない。」(釈迦に説法。)
“All is fish that comes to the net.”
「網にかかるものはすべて魚だ。」(転んでもただでは起きぬ。)
“The best fish swims near the bottom.”
「一番いい魚は底の方で泳いでいる。」(良いものは手に入れ難い。)
“You cannot make a crab walk straight.”
「カニをまっすぐ歩かせることはできない。」(不可能なことはするな。)
“Birds ready cooked do not fly into your mouth.”
「料理された鳥は君の口には飛んでこない。」(棚から牡丹餅は落ちてこない。)
アメリカには「牡丹餅」を食べる習慣、ありませんものね。
<植物編>
“The grapes are sour.”
「あのブドウは酸っぱい。」(その物が手に入れられないときの負け惜しみ!)
“The apples on the other side of the wall are the sweetest.”
「壁の向こうのりんごは一番甘い。」(隣の家の芝生は青い。)
“The rotten apple injures its neighbor.”
「腐ったりんごは仲間を腐らせる。」(悪友と交わるな。)
“An apple a day keeps the doctor away.”
「一日一個のりんごで医者いらず。」
“Apple never falls far from the tree.”
「リンゴは木からあまり遠い所へは落ちない。」(子は親に似る。蛙の子は蛙。)
こうしてみると、やっぱり「リンゴ」のオンパレードですね。林檎で思い出しましたが、“apple polisher”というと、どういう意味か分かりますか?
日本語の「ゴマをする人」に当たるのですが、食生活の背景が違うと、全く違う食べ物が同じ意味のフレーズに使われるのは面白いですね。
ちなみに、英語のことわざではなく、単語だけで意外な意味に使われるイディオムに、“go nuts”とか“go bananas”で、「気が狂ってる」という意味になります。
また、サクランボや桃は、特に女性向けに良い意味で使われるのに対して、レモンは、「ポンコツ(車)」の意味になったりします。
<飲み物編>
“Good wine makes good blood.”
「良いワインは良い血を作る。」(酒は百薬の長。)
“You cannot know wine by the barrel.”
「樽で酒の良し悪しはわからぬ。」(外見で判断するな。)
“It is no use crying over spilt milk.”
「こぼれたミルクを嘆いても無駄だ。」(覆水盆に返らず。)
“It is like milking a bull.”
「それはまるで雄牛からミルクを絞っているようなものだ。」(骨折り損のくたびれ儲け。)
“You never miss the water till the well runs dry.”
「井戸が涸れるまで水の有難さはわからない。」
やっぱり日本では、ワインやミルクではなく、酒や水が対象ですね。
<その他の食べ物>
“Better an egg today than a hen tomorrow.”
「明日の鶏より今日の卵。」
“Bread is better than the songs of birds.”
「鳥の歌よりパンの方がよい。」(花より団子)
“You cannot make an omelet without breaking eggs.”
「卵を割らずしてオムレツは作れない。」(何かを犠牲にしなければ目的は達成できない。)
“Do not put all your eggs in one basket.”
「持っている卵の全てを1つのかごに入れるな。」(全財産を1つの物件に投資せずに、分散せよ。)
“Half a loaf is better than none.”
「半分のパンでもないよりまし。」
ことわざというわけではないので、例文にはあげませんでしたが、日本語の「朝飯前」という言葉は、英語では“a piece of cake”になります。
なぜか、パイではなくケーキなんですよね。置き換えてしまうと意味が通じなくなるのでご注意を。それにしても、ケーキ作りって、時間がかかるんですけどね。
食生活全般に関することわざ
“Hunger is the best sauce.”
「空腹は最善のソース。」(すきっ腹にまずいものなし。)
“The stomach carries the feet.”
「足が動くのは胃袋のおかげ。」(腹が減っては戦ができぬ。)
“Gluttony kills more than a sword.”
「暴食は剣よりも多く人を殺す。」(戦争で人が死ぬより食べ過ぎで死ぬ方が多い。)
“Too many cooks spoil the broth.”
「コックが多すぎるとスープが台無しになる。」(船頭多くして船山に上る。)
“The way to a man’s heart is through his stomach.”
「人の心をつかむには胃袋をねらえ。」(美味しいものを食べさせておけば、夫はいつも妻に満足する。)
いかがでしたか?
一番最後のことわざは、”man”を「人」と訳す限り、”politically correct”だと思いますが、現代に照らしてみると、ひょっとして、男女の立場が逆さまになってるかもわかりませんね。
その昔、学校で習ったものもいくつかあったかもわかりませんね。“You are what you eat.”「食べ物が体を作る。」という有名なことわざもあります。
英語に限らず、食に関することわざというのは、生活に結び付いているものが多いので、教訓もわかりやすいです♪