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免疫力を高める食事について考えたいと思います。
特定の感染症が流行ったからといって、そこから始めたのでは間に合いませんが、がんや糖尿病を含め、一定の病気にできるだけならないようにするには、日頃の食習慣が大切です。
冬に猛威を振るうインフルエンザに対処するには、マスクや手洗いはもちろんのことですが、より免疫力を高める食べ物や飲み物を普段から摂取することで、抵抗力のある体作りができます。
日常的にバランスの取れた良い食生活を送っていれば、たとえ感染したとしても、体がウィルスと闘って、最悪の事態を回避できる可能性が高くなります。
では、具体的にどんな食事が免疫力を高めるのに役立つのでしょうか?
免疫力を高める食べ物
<肉類>
牛肉でも鳥肉でも、とにかく動物の骨を煮込んで摂った出し汁には、アミノ酸のアルギニンやグリシンといった、たんぱく質を作る栄養素がたっぷり含まれるので、免疫力を高めるのに効果的です。
アメリカでは、風邪をひいて元気がない病人には、「チキンスープ」です。個人的には私は「おかゆ」の方がいいのですが、体力をつけるためには、理にかなった食べ物と言えます。
<魚介類>
鮭やマグロといった、オメガ3脂肪酸が豊富な魚が良いです。この手のオイル・リッチな魚類は、免疫力が間違って体の健康な部分を攻撃することで起きる、リューマチ関節炎のリスクも軽減してくれると聞きます。
牡蠣やカニ、貝類には亜鉛が多く含まれています。そのため、ウィルスと闘うのに必要な白血球の増加を促す役目があると考えられています。
<野菜果物類>
・にんにく---言わずと知れた免疫力アップの代表的な食べ物です。体内に侵入する悪玉をやっつけてくれます。だから、吸血鬼も寄ってきません!
・生姜-----ジンゲロールやショウガオールといった、炎症を鎮静化させるのに役立つ成分が入っています。
・ウコン----ターメリックの中のクルクミンという成分に炎症を抑える働きがあります。黒胡椒と一緒に摂ることで、その効果は増大すると言われています。
・緑の葉野菜--ケールやチャード、ほうれん草などの緑の濃いものは、抗酸化物質を多く含んでいます。また繊維物も豊富なので、胃の消化を促進し、体から早く毒素を出してくれます。
・ブロッコリ--ビタミンAとCや、他の抗酸化物質も豊富なので、体の酸化防止に一役買います。
・きのこ類---マッシュルームにはビタミンBやミネラルがたくさん入っているので、インフルのウィルスの侵入を防ぐのに役立ちます。
・さつまいも--ベータカロチンが多く、体内でビタミンAとなり、フリーラジカルのお掃除に役立ってくれます。その結果、体のサビ取りができます。
・ベリー類---アサイベリーやエルダーベリーのように濃い色素を持つものには、抗ウィルス特性があり、独特のファイトケミカルが、たとえインフルになったとしても症状を和らげてくれます。
・西瓜-----スイカに多く含まれるグルタチオンには、過酸化物質から細胞を守ってくれる働きがあります。特にへたに近いところの果肉が有効だといいます。
・柑橘類----オレンジやグレープフルーツなど、言うまでもなく、ビタミンCの宝庫ですね。でも驚くなかれ、パプリカのビタミンC量は、オレンジ以上だとか。
・パパイヤ---ビタミンCは言うまでもないのですが、パパインという消化酵素も炎症を抑える効果が期待できます。
・キーウィー--ビタミンKやCに加え、B群の一種である葉酸やカリウムも含んでいて、体全体のバランスを整える働きがあります。
<発酵食品>
・味噌-----大豆の発酵食品である味噌は、プロバイオティクスなので、腸の中の善玉菌を増やして、感染と闘ってくれます。塩分の摂りすぎに注意すれば、漬物も良いですね。
・ヨーグルト--乳酸菌には善玉菌を増やす役目があるのですが、特に「生きた培養菌」を持つものが有効なのと、ビタミンDを強化したものがあればなおいいですね。
免疫力を高める飲み物
・緑茶-----カテキンを含むグリーンティーは、自然薬とも呼ばれ、強力な抗酸化物質とともに免疫力を維持してくれます。
・紅茶-----ポリフェノールやフラボノイドが、病原菌と闘ってくれます。カフェインの有無は関係ありません。(甘味がほしいときは、抗菌力の高い生蜂蜜を使いましょう。)
・ザクロ汁---古代エジプトの時代から、石榴ジュースは感染症対策として用いられてきました。(主人の医者も尿感染に、このジュースを勧めました。)
・ケフィア---ロシアや北欧から来た発酵乳飲料で、バクテリアと闘い、炎症を抑え、免疫力を高めるのに有効な飲み物です。
・ココナッツウォーター---電解質を含むため、通常の水よりも吸収力がよく、細胞によく浸透します。したがって、リンパの流れをよくし、常に毒素を排除するのに役立つのです。
食事で免疫力アップに役立つ栄養素
・ビタミン類
--A--人参、南瓜などの緑黄色野菜、うなぎ、レバーなど
--C--柑橘類、苺、キーウィー、パパイヤ、緑の葉野菜、芋類、パプリカ、ブロッコリーなど
--E--アーモンド、ヘーゼルナッツ、ヒマワリの種、ピーナッツバターなど
・亜鉛-----牡蠣、かに、カシューナッツ、ひよこ豆、煮豆など
・セレン----にんにく、いわし、まぐろ、ブラジルナッツ、大麦など
・たんぱく質-----大豆製品、肉や魚、卵など
・オメガ3脂肪酸---鮭、さば、にしん、ます、くるみ、亜麻仁油など
気をつけたい生活習慣
免疫力が低下する理由はいろいろ考えられます。避けられない主な理由には加齢があります。
またストレスが与える影響も大です。体を冷やしたり、不規則な生活によっても抵抗力は落ちていきます。
でも、体の中で一番免疫力を左右するのは「腸」なのです。腸は食べ物を消化吸収する場所で、その内壁には免疫細胞が集中して存在しているからです。
したがって、腸内環境を良くして、腸が正常に活発に動いてくれるように栄養を送ってあげないといけません。
上記に挙げた食品類は一例で、どれも免疫力を高めてくれるものですが、大切なのは、特定の種類に集中するのではなく、あくまでもバランスのとれた食事をすることです。
愛する家族のために、料理の献立を考えるときに参考にしていただけると幸いです。体の熱量をあげるためにも、ダイエット目的の偏った食事は避けたいものです。
また、胃に負担をかけないように、仕事に無理がなければ、できるだけ定時に食事をとることも重要な要素になってきます。
そして、体が必要な栄養素を確保した後の要らないものは外に出す必要があります。つまり便秘にならないように適度な運動も必要でしょう。
最後に、あるお医者さんが、インフルの最善の予防は、「十分な睡眠」にあると言われていました。
毎日7時間以上熟睡している人は、そうでない人に比べて免疫力が劣るそうです。寝ている間に細胞は生まれ変わっていくわけですからね。
また、食事とは関係ありませんが、「笑う」ということも、免疫力を高める行為になります。
ストレス発散ととらえていもいいし、実際にお腹を抱えるほど笑うときって、とてもお腹の筋肉を使いますよね。
肉体的にも胃や腸の蠕動運動を活発にして、体内の消化を促進してくれるのではないでしょうか。(私の勝手な解釈です。)
いずれにせよ、前向きに明るく暮らしていくことは、人生にプラスになります。「笑う」種をどんどん増やしましょう♪