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チリペッパーの種類って、外見だけではなかなか見分けにくいときがあります。
色で言うと、緑が最も多いと思いますが、その中には極端に辛いものもあれば、ほぼ何の刺激もないものまで様々です。
辛さは、形の大小だけでは判断できないし、スーパーに行っても、名前がすぐ横に提示されていないと、間違って買うのは怖いので、店員さんに聞くようにしています。
さて、世界にはどんなチリペッパーの種類があるのでしょうか?
アメリカの食料品店で手に入る、一般家庭でよく使われているものを中心に、辛さの度合いがわかる範囲で、激辛からマイルドな順に並べてみました。
チリペッパーの辛さとは?
具体的な種類の中身に入る前に、チリペッパーの辛さはどのように定められているのか、簡単に説明しておきます。
唐辛子を辛いと感じる成分を、「カプサイシン」と言い、それが食品にどんな割合で含まれているのかを研究した科学者、ウィルバー・スコヴィル博士の名前を取って、「スコヴィル値」と呼ぶことになりました。
英語では、“Scoville Heat Unit”と呼び、略すと“SHU”になります。
その値を極めるものは、もう億単位となり、これは食品ではなく有毒物質の類に属してしまいます。また、警官が暴れる犯人を取り押さえるときに時々使う、ペッパー・スプレーは、5百万SHUくらいのものを薄めて使っているそうです。
ここではもちろん、一般的に食べ物に使われる範囲内の値が含まれているチリペッパーを、辛い順に以下に挙げていきます。
チリペッパーの種類:辛い順
【ハバネロ・ペッパー】”habenero pepper”
あの見かけはかわいいオレンジ色をしたペッパーは、普通の店に出回っている唐辛子の中では、一番高いスコヴィル値を持っているのではないでしょうか。約10万から35万SHUと言われています。
ハバネロが入ったサルサや、チリパウダーは注意して使わないと、口の中が火事になります。
【カイエン・ペッパー】”cayenne pepper”
カイエンペッパーは、3万から5万くらいのスコヴィル値を持っているので、料理に使う量は、せいぜい小さじ1/8くらいです。
【セラノ・ペッパー】”serrano pepper”
5千から2万強くらいの値で、種類にもよりますが、ハラペーニョより少し辛い感じです。
【ハラペーニョ・ペッパー】”jalapeno pepper”
ハラペーニョは、瓶入りで買って冷蔵しています。少しずつしか使わないので、一瓶買ってもかなり長持ちします。スコヴィル値は2千5百から8千くらい。
メキシコにあるハラパという都市の名前から来ていて、これを乾燥させたものは、チポートレになります。
【ポブラノ・ペッパー】”poblano pepper”
この辺りになってくると、辛味がぐんと減って、千から2千くらいなので、随分使いやすくなります。チリペッパーの中でも大きく、パプリカを引き延ばしたような形で、濃い緑色をしています。
ポブラノという名前は、メキシコのプエブラ州から来ています。
【アナハイム・ペッパー】”anaheim pepper”
ポブラノとそんなに変わりませんが、5百から2千5百くらいの間です。ポブラノと形と大きさは似ていますが、もっと細長く先がとがっていて、薄い緑色をしています。
MLBの野球チームもある、アメリカのカリフォルニア州にあるアナハイムという、旧メキシコ(スペイン領)の街の名前から来ていて、ポブラノとの間では、ほぼ自由に交換が利きます。
【ペペロンチーニ・ペッパー】”peperoncini pepper”
ここまで来ると、もうスコヴィル値は百から5百程度になるので、バーガーやサンドイッチに挟むと、ほんの少しの刺激で、ピリッと引き締まる感じです。瓶入りで買うと、すでに刻んだものが入っているので、便利に使えます。
【シシトウ・ペッパー】”shishito pepper”
スコヴィル値はゼロになっているのですが、時々口の中で火が付くものに出会うこともあります。でも、ほぼ誰でも抵抗なく食べられる種類です。
で、このあとに、パプリカやピーマンが続くわけですが、これらのペッパーは、元の唐辛子の辛みの成分を弱くして品種改良されたものです。
日本で言うところのパプリカ(大型)やピーマン(小型)は、英語では、いずれも“sweet bell pepper”と呼ばれ、名前の中にもすでに、「甘口」という言葉が付いています。
これで大体、チリペッパーの種類をつかんでいただけたでしょうか。
同じチりペッパーの名前が付いていても、収穫される産地の天候状況によって、ストレス・ファクターが違ってくるので、辛さの度合いも大幅に揺れることがあります。
激辛が好きな方でも、ご自身で調理される場合は、手指や皮膚への刺激も考慮した上で、同じ手で決して目をこすったりなさらないように、十分ご注意ください。
辛い話をしていると、何だか鼻水が出てきました。これも条件反射でしょうか。