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体を冷やす食べ物って、見かけには寄らないってこと、ご存知でしたか?
例えば真夏の酷暑日には、氷水を飲んだり、かき氷を食べたくなったりしますが、一時的に暑さを逃れることができても、体の恒常性から、体温を元に戻そうとする働きが出てくるので、一瞬ひんやり感を味わうだけで終わります。
アイスクリームの場合は、他の固形物で栄養を摂れない方のメインのカロリー源になったりするように、糖分と脂肪を多く含むので、消化に時間がかかり、逆に体温を上げる結果になったりするのです。
このページでは、「体を冷やす食べ物」を否定的な意味でとらえるのではなく、猛暑日の熱中症対策や予防に活かせるように、体温調整の1つとして考えられる食べ物、という視点で考察していきます。
体を冷やす食べ物の概念と意義
体を冷やす食べ物は、基本的に水分を多く含む食べ物ですが、伝統的な中国の漢方やインドのアーユルヴェーダでは、苦くて渋い味の食べ物にも体を冷やす効果があると考えられています。
だから赤道直下の国々では、カレーなどのスパイシーな食べ物が多く、発汗作用によって体温を下げる役目をはたしているんですね。
つまり外気の温度が異常に高くなった場合に、それに伴って体温が必要以上に上昇しないように、体を冷やす食べ物を摂取して、体温調整をしているのです。
でも、体温が上昇するのは外気温のせいだけではありません。心配事があったり、怒り心頭に発する出来事に出くわしたり、種々の病的要因も考えられます。
私は比較的冷静な方ですが、一度上司とのメール交換の中で意図せず炎上してしまい、相手の文面を読んだときに、頭から体が火照っていったのを覚えています。
特別なケースではなくても、意識しないでカフェインの多い飲み物やアルコール類をたくさん飲んだりした後は、体の水分が急激に失われ、発汗冷却作用が働かなくなり、体温が上昇することも。
体を冷やす食べ物には、水分補給を促し、消化を助けたり、血糖値を正常化したりする作用もあると考えられているので、危険水域に入る前に、気を付けて摂取したいですね。
体を冷やす食べ物の例と、おすすめポイント
見るからに水分を多く含むものから、苦みで冷却効果を期待できるものまで、幅広く列挙しています。
いろんなリストから抽出したものなので、中には意見の違う見方もありますから、あくまで参考例としてご理解ください。
野菜類
・アーティチョーク
・アスパラガス
・アボカド
・かんきつ類(レモン、オレンジなど)
・きゅうり
・クレソン
・スクウォッシュ
・ズッキーニ
・セロリ
・チコリ
・チリペッパー
・チャード
・トマト
・ほうれん草
・ブロッコリー
・ラディッシュ
・レタス
見るからに瑞々しい野菜は、基本、自然に炎症を抑えてくれる成分を多く含んでいます。逆説的に有効なのは、スパイシーなチリ。舌に焼けつくような辛さが発汗作用を促すことで、体を冷やすことにつながるんですね。
果物類
・キーウィ―
・トロピカルフルーツ(パパイヤ、パイナップル、マンゴなど)
・梨
・バナナ
・ベリー類(イチゴ、ブルーベリーなど)
・メロン類(スイカ、ハニーデュー、カンタロープなど)
果物の中でも特にお勧めなのは、「パイナップル」。このフルーツは、たんぱく質を分解する酵素であるブロメラインを含んでいるので、抗炎症性があり、熱を和らげてくれるんです。
ハーブ類
・アロエ
・カモミール
・コリアンダー
・セージ
・ディル
・パクチ-
・フェンネル
・ミント
・ラベンダー
・レモングラス
・ローズマリー
ハーブの中では、「ミント」が突出して、体を冷やす役目に貢献してくれます。そのものが水分量を増やすというのではなく、メンソールという成分が、脳の神経に働きかけて、涼しさを錯覚させてくれるのが実態です。
乳製品
・ケフィア
・ココナッツミルク
・バターミルク
・ヤギ乳及びチーズ
・ヨーグルト
「バターミルク」にはプロバイオティクスや、ビタミンにミネラルといった成分が多く含まれているので、メタボリズムを改善し、熱で弱った体に自然なエネルギーを回復してくれます。
穀類
・大麦
・オーツ麦
・キノア
・米
・スペルト麦
「米」は、中国医学では「中立」と考えられ、陰陽学の観点から、調和作用があるとされるので、暑い日に体を調整してくれるものという意味合いが含まれます。
豆・ナッツ類
・アーモンド
・豆腐などの大豆食品
・ひよこ豆
・緑豆
夏のピクニックやハイキングには、アーモンドをバックパックに忍ばせて、小腹がすいたらスナックにするのが効果的です。
液体類
・オリーブオイル
・ココナッツ水
・生はちみつ
・緑茶
ココナッツ・ウォーターには、ビタミンやミネラルのほか、電解質が含まれているので、熱中症になったときの水分補給に大きな助けとなります。
まとめ
真夏の暑い日には、ビールやアイスコーヒーをたくさん飲みたくなりますが、ご存知のように、アルコールやカフェイン飲料は体の水分を奪ってしまいます。ですから、一時的に喉に心地よくても、芯から体のほてりを取ることはできません。
体を冷やす食べ物や飲み物を選ぶ際には、その食材が水分を多く含むものか、あるいは体の冷却効果が期待できるものかという点を考える必要があります。動物性の食べ物は消化に時間がかかるので、逆に熱を生み出すことになります。
見かけだけの冷たい食品を選ばない目安としては、「旬」の食べ物を選ぶということです。夏には夏に採れる物を食べるのが一番! 昔からあるごく自然な考え方ですね。
氷で暑さから一瞬救われたように思っても、体温はすぐに元に戻ります。内から火照った体を冷やすには、氷水より常温水! その水に、胡瓜やミント、また苺やパイナップルなどの果物を浮かべて飲むと、涼しさが増しますよ♪
なお今回とは逆に、寒い冬に「体を温める食材」についても、別ページで解説していますので、よろしかったら参考になさってください。