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料理本の洋書は、アメリカに暮らしているので、1つの本棚が一杯になって入らないほど持っています。
そのほとんどはレシピ本になりますが、中には料理のイロハや、あるいは食材の説明を中心に書かれている英語の本も幾冊かあります。
別のページで、特に料理用語に関する訳語や言葉の説明をしている辞書的な本の案内をしていますが、ここでは、私が持っている、クッキングに役立つその他の料理本の洋書を紹介します。
料理本の洋書を紹介
“Edible Flowers from Garden to Palate” by Cathy Wilkinson Barash
食用花について、それぞれの種類の見分け方や、選び方、特に口にする場合のとても大事な注意事項などが書かれています。
見た目には美しい花々ですが、毒にならないからと言って、容易に食することは危険です。どんな使い方があるのか、調理の手立てとなるレシピも載っています。
世界的にも有名な料理家、ジュリア・チャイルドの料理本賞にノミネートされた本です。
“The Food Substitutions Bible” by David Joachim
手慣れた主婦のプロであれば、何かを作ろうと思っていたのに全ての食材がそろわないときでも、すぐに応用がきいて事なきを得て終わるのですが、まだ新米のときにはそうもいきません。
そういうときのお助け料理本がこれです。食品の「代用」に特化した珍しい本です。緊急時には欠かせません。
レシピ本には、よく巻末などに、代用が利く品々の一覧表が載っていることもありますが、この本には、6500もの食材に関する振替のアイデアを載せているのです。
“Fresh Produce A to Z” by Sunset
サンセットという古くからある、アメリカのライフスタイルを多方面から語る雑誌のシリーズの番外編で、テーマごとにいろんなものが出ています。
これは、特に野菜果物に特化して、買い物をするときの選び方から、下ごしらえの仕方や、適切な保存の仕方まで、写真入りで詳細に説明しています。
果物の場合は、外見だけではわかりにくいため、切った状態の写真も載せているので、たとえばメロンの果肉が何色かもわかるようになっています。
野菜類は、大抵のものには、簡単に作れる代表的なレシピも載せています。
“Good Cook’s Handbook” by Sunset
サンセットシリーズから出ている雑誌とあまり変わらない厚さの本で、料理のイロハをコンパクトにまとめているのが特徴です。
実際の写真の代わりに、カラフルなイラストを用いて説明がなされていて、どこかしら小学校の教科書的な風体で、わかりやすく書かれています。
最初に出てくるのは、台所で使うであろう基本の道具類を、イラストごとに名前を付けて載せているので、器具の形は知っていても、名前がわからないときなど、一目で答えが出てきます。
基本的な計量換算から、主な食品の栄養素一覧や、肉、魚、野菜果物などの見分け方から、準備、保存に至るまで、幅広い知識を凝縮しています。
“The Illustrated Cook’s Book of Ingredients” by DK Publishing
食材の解説を豊富な写真入りで行っている料理本で、素材別に、魚介類や肉類、乳製品、豆類、穀類などを詳しく説明しています。
スパイスや調味料のページもあり、酢や油の例では、中身の液体を個々の皿に入れて比較しているので、種類によって色味の違いがとてもよくわかります。
それぞれの食材の選び方や保存の仕方、又簡単な調理法を載せたレシピも所々に散りばめられています。
“Larousse Gastronomique” by Crown Publishers
この洋書の副題には、”The New American Edition of the World’s Greatest Culinary Encyclopedia”という、かなり仰々しいサブタイトルが付けられています。
世界3大料理の1つであるフレンチが誇る、料理の集大成といった感のある本で、電話帳のように分厚く、私が持っているやや古いバージョンで、1168ページあります。
アメリカン・エディションとあるように、AからZまで百科事典形式で書かれており、料理用語はもちろんのこと、世界の料理で扱う食材から料理名の解説まで網羅しています。
久しぶりに本棚からおろして手に取ってみて、ページを開けてみると、日本の「道明寺揚げ」の説明も短く載っていました。レシピも随所に載っている総合料理本です。
“PLAY with your FOOD” by Joost Elffers
これは実に楽しい本です。文字での解説は後半に少し出てくる程度で、そのほとんどは、野菜や果物を使って、人や動物の顔に仕立て上げた写真集です。
クリエイティブと言うのはこういうこと、と言ってもいい作品ばかりです。ハロウィンのときのパンプキンの彫り物なんて、実に表情が豊かに作られています。
小動物にはかわいいものがたくさんあり、中には団体で会話をしているようなシーンもあったりします。見ているだけで思わず微笑んでしまう本です。
“Seafood” by Alan Davidson
この本の副題には、”A Connoisseur’s Guide and Cookbook”とあります。
つまり、食通というか、魚愛好家のためのガイドブックになっていて、それぞれの魚介類のページには、丸々大判の1ページを割いて、カラーのイラストが載っているので、どんな形をしているのかよくわかります。
アメリカでは、日本の市場のように、魚の等身大を見ることはほとんどありません。大きいサイズのものが多いこともありますが、一般的でないものは、最初から冷凍パックでしか売っていません。
たとえば、”Mahi-mahi”,”Grouper”,”Ocean Perch”といったような魚は、すでに切り身になった冷凍物を買うので、この本のページを見ると、どんな姿の魚を食べているのかわかって面白いです。
“The World Encyclopedia of Cheese” by Juliet Harbutt
アメリカの食料品店には、必ずチーズ専門コーナーがあります。私も好き嫌いがあるので、あまりエキゾチックなものは買いませんが、レシピに新たな名前を見ると、つい試してみたくなります。
でもその前に、一体どういう種類のものなのか、大まかな判断を下すには、とても便利な1冊です。
タイトルに「世界の百科事典」の文字があるように、各国のチーズについて各章に分かれて書かれています。
英仏独伊に限らず、ヨーロッパの主要国はほぼカバーした上に、中東やインド、オーストラリアからメキシコ産まで、幅広く解説しています。
後半にはよく使われるレシピも載っていて、写真も豊富です。
いかがでしょうか。料理本の洋書は、やはり海外に住んでいないと、あまり目にすることもないかと思いますが、あると便利なものがたくさんあります。
クッキングに関する本だけで、本箱が一杯になっているにもかかわらず、新しい本が出るとつい買ってしまうので、主人はあまり快く思っていませんが・・・。
紹介した洋書の中で、何か新しい発見があると嬉しいです。