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食べ物の色の効果って、想像以上に絶大なんですよね。だから、「青色ダイエット」なんて方法も生まれるくらいで、食欲のコントロールになったり、その逆に見ただけで食欲がわいてきたりします。
食べ物自体だけではなく、食事を盛り付けて出すお皿や、市販品であればパッケージの色にも、消費者に与えるマーケティング効果は無視できません。
そういった心理的な影響がどのようなものなのか、大きく色分けして特徴を探っていきたいと思います。
食べ物の色が与える効果とは?
食べ物を美味しいと感じる判断基準
「食べず嫌い」という言葉がありますが、どんな食べ物でも、実際に口にしてみないと美味しいかどうかはわかりません。でも、初対面の人を見るときと同じく、人は食べ物を8割以上、色で判断していると言います。
大雑把に言って、見ただけで食欲が増してくる色のグループは、「暖かい色」とされています。例えば、赤や黄色、オレンジといった色たちです。
逆に、食べ物があまりおいしそうに見えない代表格は、「寒い色」である、青色。そもそも純粋に青い色をした食べ物は、あまり自然界に存在しません。
だから、食欲を落としたければ、何でも青色に見えてしまう眼鏡をかけて食事をするとか、派手な青色をした食器に食べ物を入れるとか、無色の食材であれば青色に染めてから食べるとかすると、かなりの確率でダイエットにつながりそうです。
食べ物の味をイメージする色
味覚を代表する5種類の感覚のうち、旨味を除いた4種類の味覚をイメージする代表的な色を整理してみます。
・甘味---赤色、桃色、橙色(トマト、苺、カボチャなど)
・酸味---黄色(レモン、グレープフルーツなど)
・塩味---白色、青色(しらす、ポップコーンなど)
・苦味---茶色、緑色(コーヒー、ほうれん草など)
上記に代表される色は、その色を見ただけで、食べ物を味わう前に、過去の経験から大体どんな味なのかを、勝手に頭の中にインプットしてしまうんですね。
これを端的に英語で表現すると、“You eat with your eyes.”
食べ物の具体的な色のイメージ
白色
白い色には、純真無垢というか清潔感あふれるイメージがありますよね。だから、食べ物を見るときも、着色されてない混ざり気のないものとして、安心して食べられる気分になります。
心理的な効果としては、一度リセットするような気持ちで、口直しに使ったりしてもいいですね。ご飯は、どんなおかずにも合い、ニュートラルな立場を取る代表選手です。見ただけで涼しさを演出できる冷そうめんは、夏には欠かせません。
黄色
幸せの黄色いハンカチ、ではありませんが、黄色は幸福感を表し、希望や楽しみを表現する色です。若くて積極的なエネルギーや躍動感を取り入れたいときのパッケージにも使われる色です。
卵黄は、若い命を連想させるし、アメリカの広々とした大地にどこまでも続くトウモロコシ畑の黄色い実や、ハワイの陽気を感じさせるパイナップルなどを見ると、元気で活動的なイメージがわいてきます。
オレンジ色
西洋では、オレンジ色はどちらかというと、秋の色の要素が濃いです。ハロウィンから感謝祭にかけてのカボチャ類に代表される色で、温かい家族団らんの時を想像させる効果があります。
日本的には、冬のミカンを見ると、こたつに入って、皆で手が黄色くなるまで皮をむいては食べている様子が浮かんできます。親しみや喜びを感じたいとき食べるのにふさわしい色と言えるでしょう。
赤色
赤はエネルギッシュで情熱を感じさせる色です。冴えない色の組合せの食べ物の中に、ほんの少しでもトマトや赤パプリカ、イチゴなどを加えることによって、他の食材も生き生きさせる効果があります。
食べ物だけでなく、赤い色は目立つ色なので、人目を引くためにパッケージに使われることが多い色です。食べ物のアクセントになって、食欲増進にもなれば、マーケティング効果も高い色です。
赤い食べ物の健康効果については、別のページで取り上げているので、よかったら参考になさってください。
緑色
野菜の主流を占めるのは緑色で、やはり健康的なイメージが強いですね。常に若々しくさわやかな感じがあり、気分転換をしたいときにも摂取したい色です。
お料理するときには、できるだけ元の緑色が鮮やかに残るように、茹でたときにはすぐに冷水にとって色落ちを避けたりする工夫をするといいでしょう。
青色
青色の食べ物って、あると思います? もちろんブルーベリーのように名前に付いているものもありますが、実際には青色というよりは紫色なんですよね。搾り汁を見るとよくわかります。
花の種類に青色はたくさんあっても、食べ物の色に自然の青色を見つけるのはかなり難しいです。つまり、青い食べ物は不自然となり、そういう物は食べたくなくなり、食欲の抑制が効いて、ダイエットにつながるというわけですね。
紫色
英語で、”red cabbage” や “red onion” と呼んでいるものは、実際には紫色です。茄子の皮は紫色だけど、中身は白。ちなみに私が一番好きな紫色の食べ物は、「紫芋」。この間、紫芋の餅ドーナツを作りました。
さて、紫色と言えば、高貴なイメージが付いてきます。また神秘的な色でもあるので、少し特別な気分を味わいたいときに食するといいのではないでしょうか。
茶色
生きているものは何でも土に還ると言いますが、オーガニックをイメージさせるアースカラーの茶色には、自然と結びついた安心感というものがあります。落ち着きを得たいときに食べたい色です。
リサイクルで作られた製品は薄茶色のものが多いですね。やはり自然との一体感の表れでしょうか。茶色のキノコ類は免疫力を高める効果があるのも、自然への回帰といった意味合いを感じます。
黒色
黒い器には高級感がありますが、食べ物となるとどうでしょうか。自己肯定感というか、「我ここにあり」といった食べ物の主張を感じます。だって、黒い色を他の色に染めることはできませんからね。
黒には、全ての色を飲み込む強さがあります。特に和食では、黒ごまや黒豆、ヒジキや昆布、海苔といった黒い食べ物が多いです。いずれも健康的な食べ物ばかりです。
海外ではどんな黒い食べ物があるのかについては、別ページで解説していますので、合わせて参考になさってください。
こうして見てくると、食べ物の色の効果は馬鹿になりませんよね。というか、私たちは基本、色を見て、色で判断して食べていることが多いのです。もちろん盛り付けも影響してきますが、視覚の効果は大です。
以上、基本の食べ物の色を比較して、その心理的影響を解説してみましたが、もっと色の効果を突き詰めれば、基本色に対して、互いの色を引き立てる効果のある補色を組み合わせることによって、より食卓を豊かにする工夫もできます。
いろいろ試して、楽しんでみてくださいね♪