この記事は約 14 分で読めます。
ミルクの種類って、英語で表現すると、実にいろんな呼び方があります。脂肪分や素材の違いによる分類もあれば、加工方法による違いもあります。
また、飲むためのミルク以外にも、料理に使うミルクの種類もあるので、項目別に種類を分けて、それぞれ英語でどのように呼ばれているのか、解説していきます。
アメリカのスタバに行くと、ラテを頼むときにも、いちいち使ってほしいミルクの種類を聞かれるので、英語の名前に慣れておくと便利だと思います。
牛乳の種類を英語で
脂肪分の違いによる種類
“Whole Milk”
全脂乳と言っても、そもそも牛乳の殆どは水分なので、脂肪が占める割合は、アメリカでは大体3.25%~3.5%くらいです。アメリカのグラス1杯(240cc)で言うと、8グラムの脂肪が含まれていることになります。
“Reduced Fat Milk”
脂肪分2%の低脂肪乳のことを指します。グラス1杯にすると、5グラムの脂肪が入っていることになります。脂肪分は減っても、他の栄養素は全乳と変わりありません。
“Low Fat Milk”
更に減って、脂肪分1%の低脂肪乳のことを指し、グラス1杯分の脂肪量は、2.5グラムになります。ローカロリー食やドリンクによく用いられます。
“Fat Free Milk”
無脂肪乳、別名、スキムミルクとも呼んでいますね。全脂乳の約半分のカロリーしかないので、ダイエットされている方向きです。繰り返しますが、たんぱく質その他の栄養素は本来のミルクと何ら変わるものではありません。
その他の区分による種類
“Lactose Free Milk”
近年、乳糖不耐症の人々が増えていて、というか、気付くようになってきて、ラクトースフリーのミルクが多く販売されるようになりました。他のミルクの種類と同様、カルシウムやビタミンDなどの栄養素はそのままです。
“Organic Milk”
牛に与えるエサも、アメリカ農務省の基準に則ったオーガニックのもので、厳しい規制の下で運営する農場で育てられた牛から採取する、安心できる牛乳です。
“Flavored Milk”
チョコレートミルクに代表されるように、他のフレーバーが加味された牛乳で、ミルク嫌いの育ち盛りの子どもでも飲みやすく、栄養を確保できるミルクです。
余談ですが、オーストラリアの西部は、英語で “flavored milk capital of Australia” と呼ばれるほど人気があるようです。
“Fermented Milk”
英語で、“Kefir” という発酵乳があります。一般的には牛乳から作られますが、山羊や羊のミルクでできている種類もあります。味と食感は「飲むヨーグルト」に似ています。
イースト菌や共生細菌に加え、たんぱく質やカルシウム、ビタミンDやB12が豊富に含まれます。
牛乳以外のミルクの種類(アルファベット順)
“Almond Milk”
アーモンドをトーストして挽いた後、水と混ぜ合わせてクリーミーな状態にしたミルクです。有糖、無糖の両方の種類があります。
牛乳と比べると、たんぱく質量では劣るものの、マグネシウムやカルシウムにビタミンEが多く、塩分が少ないので、健康的な代替品と言えるでしょう。
“Buffalo Milk”
バッファローの乳腺から採ったミルクです。高脂肪で、鉄分やリン、たんぱく質やビタミンAが豊富なので、免疫力を高め、育ち盛りの体をサポートするのに適していますが、ダイエット向きではありませんね。
私はバッファロー肉を食べたことはありますが、ミルクを飲んだことはありません。
“Cashew Milk”
カシューミルクは、アーモンドミルクよりクリーミーですが、カロリーは更に少なくダイエット向きですね。家で作ろうと思えば作れます。ただし、作ってから3~4日以内に消費しないといけません。
作り方ですが、まず1カップのカシューナッツを水に浸して最低4時間から一晩置きます。よく洗って水気をきり、4カップの水と一緒にブレンダーに入れて混ぜるだけ。好みで、塩やバニラで味付けるといいでしょう。
“Coconut Milk”
ココナッツミルクは、アジアや南米の料理やお菓子作りによく使われるミルクで、有糖、無糖の両方の種類があります。よく勘違いするのは、ココナッツミルクは、ココナッツの中に入っている汁だと思われるのですが、それはココナッツウォーターです。
では、ミルクはどうして作られるのかというと、ココナッツの果肉を削ったものを水で茹でて、固形物をこした後、その濃いクリーム状の層にココナツウォーターを混ぜて作ります。
カロリーは低いのですが、飽和脂肪酸が多く、たんぱく質が含まれないところが難点です。
“Goat Milk”
山羊乳は牛乳に比べると乳糖が少ないのですが、カロリーも栄養価も高いミルクです。脂肪分をはじめ、たんぱく質、炭水化物、ビタミンD、カルシウム、カリウムといった栄養分を、グラス一杯分にそれぞれ約10グラムずつ含んでいます。
クリーミーなので、料理やコーヒードリンクにも使われたりします。牛乳と違って、山羊の種類によってかなり味に変化があり、マイルドで甘いものもあれば、どちらかというと舌を刺すような強い風味のものもあります。
“Hemp Milk”
ヘンプシードを水に浸して粉砕した物から作られるミルクです。とてもクリーミーで、ナッツやビーンズの風味豊かなミルクです。栄養価の面では、何と言ってもオメガ3脂肪酸が豊富なので、コレステロールや血圧を気にされる方に向いています。
“Macademia Nut Milk”
マカダミアナッツから作られるミルクは、クリーミーな滑らかさがあり、栄養のバランスが取れています。カシューナッツミルクと同じ要領で、家庭で簡単に作れます。人によっては、デーツを混ぜる方もいます。
“Oat Milk”
オーツ麦から作られるオーツミルクの歴史はまだ浅く、1990年代の初めに、スウェーデンで試作品が開発されてから、アメリカにも瞬く間に広がりました。
でも、他の植物由来のミルクの種類に比べて、製造工程に時間がかかるため、供給が需要に追い付かず、ややお値段が高めです。あまり日持ちがしないのも難点です。
最大の利点は、水溶性の繊維質とβグルカンを多く含んでいるところです。ですので、整腸作用があり、免疫力を高める上でも、効果が期待できるミルクです。
“Pea Milk”
黄色い豆に植物油を混ぜて作られるミルクで、仕上がりは豆乳や他のナッツ乳の種類と同じく、オフホワイトカラーになります。栄養的には、全脂乳と同量のたんぱく質や脂肪を含み、カルシウムやカリウムは牛乳の倍ありますが、炭水化物は含まれません。
“Rice Milk”
ライスミルクは、茹でた米にブラウンライスシロップとスターチが合わさってできいて、ミルクの中では、最も甘味のある種類になります。なおかつ、有糖、無糖に分けて販売されています。
脂肪分が少なく、マグネシウム値が高いのですが、牛乳ほどカルシウムやたんぱく質を含んでおらず、米ゆえに、炭水化物や糖分が多く、カロリーが高いので、ダイエットには不向きです。
“Sesame Seed Milk”
ゴマから作るミルクです。家庭でも簡単にできます。ゴマ1カップを水に浸して一晩冷蔵しておき、翌日こした後、きれいな水又はココナツウォーター3~4カップと混ぜ、メープルシロップやバニラを適量と塩少々を加えて撹拌するとできます。
クリーミーなミルク状にしたいときは、チーズクロスでこすとよいです。ただし、ゴマの栄養価の多くは失われます。そのままにしておいて、スムージーやオートミールに混ぜたりしても活用できます。
“Soy Milk”
豆乳は大豆から作られるミルクですが、有糖、無糖の種類に加えて、バニラ味や、コーヒードリンクに適した作りで、バリスタと名前が付いたものも出回っていて、バラエティーが楽しめます。
栄養的には、牛乳に次いで全体の栄養価が高いミルクで、代替品の中では、たんぱく質量が最も多く、塩分が少ないのが利点です。ただ、大豆由来の植物性エストロゲンを含むので、ホルモンバランスに影響がある可能性もあります。
“Walnut Milk”
胡桃から作られるミルクで、他のナッツミルクの中でも、抗酸化作用をはじめ、栄養成分の品質が高いとされています。ミネラルのレベルも高く、ビタミンEやオメガ3脂肪酸を多く含むので、脳の健康にも良さそうです。
料理に使うミルクの種類
“Butter Milk”
バターミルクは、よくお菓子作りに使います。培養して発酵させたクリームを拡販してバターを作るときにできる、残りの液体の産物です。市販のカートン入りバターミルクには、塩や砂糖や安定剤が加えられています。
“Evaporated Milk”
牛乳を低温で加熱し、水分を60%ほど抜いたものが、エバミルクになります。その結果、濃くてクリーミーで、ともすればキャラメル味のような風味を感じさせるリッチなフレーバーを醸し出しています。
“Sweetened Condensed Milk”
エバミルクを作る工程によく似ていますが、更に煮詰めて水分を除去し、砂糖を加えて仕上げているので、仕上がりは極端に甘くなっています。糖分が多いので、保存期間が長くなり、棚に常備しておくと便利です。
ミルクの加工の種類を表す英語
“Raw Milk”
殺菌処理を施してない生のミルクのことですね。食品衛生上の規約があるので、広く出回ることはありませんが、牧場を訪ねたときにでも味わうとよいでしょう。
私は北海道の牧場で、搾りたてのミルクを飲ませてもらったことがありますが、油が浮いていたのを覚えています。
“Homogenized Milk”
高い圧力をかけて、ミルクの脂肪分を砕き、分離してしまわないように均質化したミルクのことです。言い換えると、脂肪が均一に混ざっているミルクを指し、市販乳はたいていこの処理がされています。
“Pasteurized Milk”
殺菌処理をしたミルクのことを指しますが、もっと詳しく言うと、低温殺菌 “LTLT”(Low Temperature Long Time) したものと、高温殺菌 “HTST”(High Temperature Short Time)したものに分かれます。
この2種類の殺菌方法の違いは、栄養価に変化はないものの、高温で短時間に処理すると、高熱でたんぱく質が変性を起こし、風味に影響すると考えられています。
一方低温処理すれば、ミルク本来の持ち味を維持できるものの、保存期間は短くなるという欠点があります。
“Ultra Pasteurized Milk”
高温殺菌したミルクが2~3週間保存可能なのに対して、超高温殺菌 “UHT”(Ultra High Temperature)処理したものは、瞬時にほぼ全ての菌類を殺してしまうため、棚で9か月くらいは保存可能になります。
スーパーで売られているミルクの大半はこの方法で処理されたものです。
私はアメリカに来て、乳製品で期待以上だったのはアイスクリームですが、反対に期待外れだったのは、牛乳の濃さでした。日本の全乳の味に慣れていると、アメリカの種類はまるで水のように思えました。
そこで店を渡り歩いて、見つけたのが、乳脂肪3.8%のミルク。これでカフェオーレやココアを作ると、牛乳を飲んだ気になりました。最近は代謝が悪くなってきたので、控えていますが。
料理や菓子作りに使うクリーム系の種類については、別ページで解説していますので、よろしかったら参考になさってください。