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パプリカの色の違いを気にしたことがありますか?
単にサラダを作るときとかに、色のバランスを考えたいから使い分けているだけでしょうか?
パプリカが好きな方は、味の違いにも気がついていらっしゃるはずです。では、どうしてこの色の違いが出てくるのでしょうか?
また、日本では緑のものをピーマンと呼び、その他の色をパプリカと呼んでいると思うのですが、アメリカでは全て同じ名前で呼んでいます。
その辺りの日米間の名前の違いも含めて、パプリカの色の違いについて、味や栄養面も合わせて説明していきます。
ピーマンとパプリカの関係
アメリカでは、ピーマンもパプリカもすべて、”bell pepper”と呼びます。何となく鈴の形をしていますよね。日本のものに比べると、かなり肉厚で、大きいと思います。
特に、赤、黄、オレンジのベルペパーは甘いので、”sweet bell pepper”と呼んでいます。白や紫に茶色もあるようですが、私はまだ調理して食べたことがありません。
更に甘いのが、ミニサイズのベルペパーで、これらはもう野菜と言うよりは、スナックとして生でかじっておいしい部類です。さっと炒めるだけで、ほぼ味付けをしなくてもおいしくいただけるので人気があります。
パプリカの色の違い
ピーマンも含めて、つまり、緑やその他の鮮やかな色をしているパプリカの違いはどこから来るのでしょうか?
一言で言うなら、成熟度の違いになります。
緑色が一番未成熟で、黄色、オレンジ、赤と成熟度を増していきます。そして、熟すほどに甘さも加味されるので、緑には苦味が残るものの、赤は一番甘い状態になってから収穫されます。
通常、緑のピーマンが一番安くで売られていると思います。その他の色は、大抵ほぼ同じ値段ですが、緑に比べるといつも倍くらい値段に差があります。他の色はより長く育てないといけないので、手間がかかるというわけです。
ちょっと知らないふりをして、お店の人に聞いてみるといいですね。「どうして緑色だけこんなに安いの?」って。その人が答えられたら、よく勉強していることになるので、そのお店をこれからも信頼するといいです。
また、色の違いは値段の違いに反映されるだけでなく、栄養面でも充実度に差が出てきます。つまり、まだよく育ってないうちに収穫された緑のピーマンには、赤いパプリカほど栄養が整ってないということになります。
黄色とオレンジのパプリカは、まさに成熟度の中間地点にあり、2色の違いにはあまり差はありません。ですから、この2つのうちのどちらを選ぶかは、他の食材とのバランスを考えて選ぶといいでしょう。
例えば、私だったら、サラダの具にとうもろこしの身が入っていれば、黄色のパプリカの代わりに、オレンジのパプリカを使います。同様に人参が入っていれば、オレンジではなく黄色のパプリカを使うでしょう。
この2つにそんなに差はないと言いましたが、私の個人的な味の感覚からすると、やはり少しでも収穫の遅いオレンジ色の方が甘く感じます。
でも、赤いパプリカには負けます。何と言っても一番長い間、太陽の光を浴び続けて育ってから収穫されているので、甘さもさることながら、栄養価を考えても、同じパプリカの中では一番高くなります。
パプリカはどの色を取っても、リコピンなどの抗酸化物質や、鉄分とか繊維をたくさん含んでいるので、とても栄養価の高い野菜であることには間違いありません。
でも、未成熟の緑のピーマンと比べると、赤のパプリカには、ビタミンCが約2倍、ビタミンAや、がんの予防にもつながると言われているベータカロチンに至っては、約10倍も多く含まれているそうです。
では、赤のパプリカの難点は何かと言うと、一番成熟した状態で収穫されているので、そのままでは長持ちしないという点です。
特にアメリカの赤パプリカは大きいので、1個分を一度に使いきれるとは限りません。そうすると、冷蔵庫に入れていても、すぐ切り口がヌルヌルし始め、弱ってくるのがわかります。
ですので、私は、しばらく使えそうにないなと思うと、細切りにして、袋に密閉して冷凍保存しておきます。すると、何かの料理に混ぜるときにもすぐに使えて便利です。
まとめ
ここまで、パプリカの色の違いからくる差をまとめると、
成熟度、味(甘さ加減)、値段、栄養価の面から、
緑 →→ 黄 →→ オレンジ →→ 赤
の順でその度合いを増していくということになります。
赤いパプリカを乾かして、粉状にしたものが、スパイスとして売っている、スイートパプリカになりますが、こうして栄養面まで考えると、単に色や味を加えるだけに終わらない値打ちを改めて感じますね。
お店で買うときは、できるだけ4つ割りになった形のものがよく、軸もしっかりしたものを選びましょう。買ってきたら、洗わないで冷蔵庫に入れておけば、約1週間は持ちます。
生で食べるのもよし、ローストするのもよし。
たくさん食べて栄養補給しましょう。