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塩の分量の目安って、簡単なようで、難しくもあります。
というのは、今や塩の種類は千差万別で、使う塩の形態によって、使用量も違えば、粉類なので、かさと重さによっても分量が違ってきます。
また、レシピにいつもきっちりと分量が記載されているとは限らず、あいまいな表現というか、慣用句で表されている場合もあるので、目安になる解釈が違えば、当然分量にも差が出てきます。
塩は、人間の体に必要なものですが、取りすぎると、体に支障をきたします。
ただしこのページでは、そういう健康面の分量はさておき、世界の料理を作る際に、知識として知っておいた方がよい、塩の分量の目安について説明します。
塩の分量:主な種類の差による目安
家庭料理で使われている塩と言うと、日本では、「食卓塩」と「あら塩」が主なものでしょうか?
この2つだけを見ても、前者は粒子が細かくさらっとしているのに対し、後者は粒が粗くしっとりしていますよね。
アメリカで一般的に使うものとしては、食卓塩に当たるのが、“Idiodized salt”(ヨウ素添加塩)で、あら塩に当たるのが、“Sea salt”(海塩)ではないかと思います。
これに加えて、宗教色が加わり、ジュ-イッシュの食事に使う、フレーク状の“Kosher salt”(コーシャーソルト)も、普通のレシピによく出てきます。
(もっと詳細な塩の種類については、「塩の種類は色々あれど・・・」のページで解説していますので、参考になさってください。)
注意したいのが、アメリカの料理レシピに「コーシャーソルト」の分量が出てきて、このまま同じ分量の食卓塩を使ってしまうと、ものすごく塩辛いものができてしまいます。
そこで覚えておきたい塩の分量の目安ですが、
食卓塩大さじ1杯
= コーシャーソルト大さじ1杯半
= クリスタル(結晶)塩大さじ2杯
になります。最後の「クリスタル塩」は、コーシャーソルトでも海塩でも、そのバージョンがありますので、塩の形状を見て判断してください。
蛇足ですが、粒の荒い塩は溶けにくいので、お菓子作りには適していません。
塩の分量の目安:かさと重さの比較
塩は目分量で使用することが多い調味料ですが、きっちり測る場合には、かさと重さによって、その目安も変わってきます。
「あら塩」の場合は、計量スプーンで測っても、重さで測ってもほぼ同じ分量になりますが、「食卓塩」のようにさらっとした粒子の細かいものは、少し違ってきます。
小さじ1杯の食卓塩 = 6グラム
大さじ1杯の食卓塩 = 18グラム
と覚えておくといいでしょう。
また、料理レシピには時々、「少々」とか「ひとつまみ」とかいう、微妙な表現も出てきますよね。
体が大きい方と小さい方の「ひとつまみ」では、指の大きさも違うわけなので、解釈が何とも難しいところですね。
ただ、一応の目安としては、「少々」は指2本分(重さでは0、5グラム前後)で、「ひとつまみ」は、指3本分(重さでは1グラム前後)が適当と言われています。
ほんの少しの塩加減で、料理の仕上がりが違ってくるので、後は「経験が物を言う」、といったところでしょうか。
料理に生かす塩の分量の目安
「塩の活用方法を知る」というページでも、少し触れているのですが、パスタをゆでるときや、野菜を塩ゆでにするときなど、それぞれの料理の場面で目安になる塩の分量について触れていきます。
<野菜の塩ゆで>
野菜に下味をつける意味でも塩を使いますが、特に緑の野菜が色よくゆであがっていると、食指をそそられます。
そんな目的で塩ゆでに適した分量は、大体、野菜の総量の1~3%が目安になります。1リットルの水に対して小さじ2杯から大さじ2杯の範囲内ですね。
<野菜の塩もみ>
アメリカでは、他の家庭で、胡瓜もみをしたりしている人を見かけませんが、事前の塩もみは、野菜の余分な水分を取り去って、旨味成分を引き出してくれる大切な工程です。
後で洗い流すからといって、必要以上に塩を使うことは避けたいものです。大体、野菜の重量の1%くらいに当たる塩を使うといいでしょう。
<肉や魚の下味>
魚の塩焼きは、アメリカ人の家庭ではあまり見られません。何かをすり込むとすると、大抵いろんなスパイスを混ぜたミックスパウダーを使っていることが多いです。
肉の場合は、下味に塩を振りかけることはよくあります。肉や魚の重量の0.5%から1%くらいの分量の塩が目安になります。1キログラムの塊の肉であれば、5~10グラムの塩ですね。
もし、下味目的ではなく、日本風に塩だけで魚を焼きあげるときとかは、やはり魚の3%くらいに当たる塩がないと、ちょっと物足りないと思います。
あと、肉に関しての補足ですが、脂肪分の多い肉ほど、塩の分量を多くしないと、塩味を感じにくいので、塩分控えめにするには、低脂肪の肉を選んだ方がいいですね。
<その他の料理>
大雑把に言えば、基本の分量としては、具材の1%に当たる塩を使うのが大きな目安です。パスタをゆでるときにも当てはまります。
1%から始めて、各料理の内容によって、0.5%ずつ濃度を増やしいき、好みの塩加減にするといいですね。
ちなみに、1%という数値は、人間の血液中の塩分濃度に非常に近いので、やはり自然に体が要求するものなのかもわかりません。
いかがでしたか?
日本語には、「塩梅」という言葉があって、梅を塩漬けにするときのさじ加減が、物事の程よい具合を指す意味になっています。
やっぱり塩の分量って、とても大切な要素なんですよね。このページの目安をガイドに、バランスの取れた塩加減を演出してみてくださいね。