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世界のクッキーにはどんな種類があるのでしょうか?
その名前がブランドになっているクッキー、たとえばマカロンとか、ジンジャーブレッドクッキーといったようなものは、すぐに想像できますが、ちょっと名前を聞いてもわからないものはたくさんあります。
世界の国々、特に欧米で愛されている伝統的な種類のクッキーを取り上げて、ヨーロッパとアメリカに分けた上で、アルファベット順に並べて、少し解説を加えました。
ヨーロッパに伝わるクッキーの種類には、生まれた国々が重なるものもありますが、できるだけ名前が有名になった国を起点に取り上げています。
世界のクッキーの種類
<ヨーロッパ編>
Brandy Snaps(ブランデースナップ):
イギリスのお祭りでよく出されていたクッキーで、名前にはブランデーとありますが、必ずしも入っているものではなく、香りづけに使う程度なので、お子様でも大丈夫です。
むしろ、生姜の方が欠かせない素材です。ハチミツやシロップなどの糖分がたくさん入った、どちらかと言うとキャンディー的なクッキー生地を薄くのばして焼きます。
濃い焼き色がついて、まるでレースのようになってきたときにオーブンから取り出し、熱い内に筒状にしておいて、冷めてから中にホイップクリームを入れて仕上げます。
この「熱い内」と言うのがミソで、まだ生地が軟らかい内に棒に絡めてくるくる巻き取っていかないと、硬くなると形を作れなくなります。軽い手の火傷を覚悟してかからないといけません。
Churer Zimtsterne(クール ツィムトシュテールネ):
スイスのクールに伝わる星の形をしたアーモンド・メレンゲクッキーです。ドイツにも”Zimtsterne”クッキーがあって、”zimt”が星で、”sterne”はシナモンを意味します。
本来はクリスマスクッキーなのですが、私がレシピを見つけたときは、ちょうどアメリカの独立記念日前だったので、上にかける白いメレンゲのアイシングを色付けして、星条旗風に作りました。
Kolache(コラーチ):
チェコの伝統的なクッキーで、発音の仕方も幾種類かあるようなのですが、作り方にもバージョンがあって、イーストを使うものもあれば、普通のクッキーの材料でできるものもあります。
ハンガリーのクリスマスクッキーでもあり、中にたっぷりジャムを仕込むので、ジャム・コラーチクッキーとも呼ばれています。アプリコット味が人気ですが、私は幾つかジャムの種類を代えて作ってみました。
Lebkuchen(レープクーヘン):
ドイツ菓子の種類のページにも載せていますが、クリスマスシーズンによく出てくる、アメリカのジンジャーブレッドクッキーに当たるのが、このレープクーヘンです。
スパイスがたっぷり仕込まれた、非常に長持ちするクッキーなので、クリスマスの随分前から作り出すことが多いです。デコレーションも楽しめます。
Mandel Kakor(マンデル・カコール):
スウェーデンのバタークッキーです。アーモンドエッセンスがたっぷり入って、ビスコッティのように二度焼きして硬く仕上げます。
私が作ったときは、ちょうどクリスマスシーズンだったので、上にまぶす砂糖をカラフルなものにして、ホリデーの雰囲気を出しました。
Vanillekipferl(バニレキプフェル):
オーストリアでクリスマスシーズンによく登場する三日月形のクッキーです。東ヨーロッパ全域でも人気のバニラ風味のクッキーで、私も作ったことがあります。
キプフェルと言うのは、ドイツ語でクロワッサンのことで、やっぱり仕上がりの形から名前が付いているようです。私は「クレセントクッキー」と言う名のレシピで作りました。
サクサクしていて、材料も、スノーボールタイプのクッキーに共通するものがありますが、特にバニラシュガーを使うのがポイントです。
” Vienna Cookies”(ウィーンのクッキー)と言う名前でも探すことができます。
<アメリカ大陸編>
Alfajores(アルファフォーレス):
南米のアルゼンチンを代表するサンドイッチ・クッキーで、ショートブレッド風のクッキーに、スペイン語で「甘い牛乳」という意味の”dulce de leche”(ドゥルセ・デ・レチェ)を挟んだものです。
私が初めてレシピを見つけたときは、ペルーの「母の日」クッキーとしてのアルファフォーレスでした。フィリングのキャラメルソースを作るのに、練乳を煮詰めること3時間。
時間がかかりましたが、ふんわりとした仕上がりは、まさしくマザーズデーのプレゼントにふさわしいものと思いました。
アメリカのちょっとヒップな食料品店で見つけたアルファフォーレスは、中のクリームの部分に細かいココナッツフレークをまぶしていました。チョコレートソースにつけるものもあるようです。
Black and White Cookies(ブラック&ホワイト・クッキー):
ニューヨーク生まれのクッキーで、バターミルクを使った生地でクッキーを焼き、基本の粉糖のアイシングを分けて、もう一方にココアパウダーを混ぜることでチョコレート味を作ります。
クッキーが焼きあがったら、十分冷ましてからこの2種類のアイシングを半分ずつかけることで、ブラック&ホワイト・クッキーができます。
Chocolate Crinkles(チョコレート・クリンクル):
アメリカにはチョコレートを素材とするクッキーは限りなくあります。チョコレートチップクッキーだけでもコンテストがあり、使う食材は決まっていそうですが、毎回ホームメードの味を競っています。
ですので、ちょっと変わった仕上がりのチョコクッキーを紹介することにします。名前にあるように、焼き上げたとき、しわが寄っている感じになります。
生地を一晩寝かせてから焼くのですが、スノーボールのように焼いてから粉糖をまぶすのではなく、粉糖をまぶしてから焼くので、焼いている間に割れ目ができて、面白いデザインになります。
私も作ってみましたが、ブラウニーをクッキーにしたような感じで、外はパリっとしていますが、中身は結構軟らかさを保っています。
Mexican Wedding Cookies(メキシカン・ウェディングクッキー):
この分類については、意見が分かれるところです。これとほぼ同じ種類のクッキーで、“Russian Tea Cakes”(ロシアのティーケーキ)と呼ばれるものがあります。これらは実質同じものです。
これは必ずしも結婚式に食べるためのクッキーではないのですね。もっとわかりやすく言ってしまえば、スノーボールクッキーなのです。
どんなのかと言うと、バターやショートニングに、砂糖と小麦粉に加えて、ピーカンや胡桃を粉砕したものを混ぜてボール状にまとめ、焼いてから粉糖を全体にたっぷりまぶしていきます。
サクサクした食感ですが、一口で食べないと、かじった後は、周りがボロボロ崩れてくるので、お洋服を汚してしまいます。
いかがでしたか?
まだ召し上がってないクッキーがあったら、一度探してみてください。
もし、ご自身で作ってみようかなと思われたら、私の料理ブログ「世界の家庭料理からもてなし料理のレシピまで集めよう」に詳しいレシピを載せていますので、挑戦してみてくださいね。