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クッキーの手作りに失敗したときって、せっかく努力して誰かを喜ばせようと思ったのに、とても悲しい気持ちになりますよね。
バレンタインやクリスマス、また誕生日や特別の記念日などには、買ってきたものでなく、できれば1から手作りで心のこもった贈り物をしたいものです。
少々クッキーの形はデコボコだったとしても、味が良ければそれでよし、としたいところですが、やっぱり見栄えもよくしたいと、欲も出てきます。
アメリカに来て30年ほど、主婦業の中でベーキングを続けてきた経験から、できるだけ失敗のない手作りクッキーのコツを拾っていきたいと思います。
このページで取り上げるのは、主にドロップクッキーに関してですが、万が一失敗したときの修正方法や、どうしても人には渡せなくなったクッキーの活用方法などにも触れていきます。
クッキーを手作りするときの失敗しない術
<道具類の使い分け>
まず、家で使っているオーブンの性質を知る必要があります。古いものであれば、表示されるオーブンの温度が果たして正確かどうか、また上段・中段・下段によって焼き具合がどう変わるのかなど。
手作りしたいクッキーの種類によっては、薄い色合いの方がおいしく見えるものもあれば、焼き色がしっかりついて、カリカリした仕上がりがおいしいクッキーもありますね。
そこで、1つ目安になることがあります。概して、濃い色のベーキングシートは、クッキーの底が焦げやすくなる特徴があります。
一方、薄い色のクッキーシートは、底に引っ付きやすくなる傾向があるので、クッキー生地を置く前にパーチメントを敷いてから並べていくといいですね。
家族用にクッキーを手作りするときの量なら、ベーキングシートが2~3枚あれば十分だと思うのですが、もしポットラックとか、パーティー用に大量生産するときは、何度も使いますよね。
オーブンのガス効率を考えると、一度に入るだけ入れて、また間を置かずに差し替えることがいいのでしょうが、さっき使ったばかりのクッキーシートを再利用するとなると、まだ熱いです。
そのままクッキー生地を置いていくと、焼く前から軟らかくなってしまって、生地が流れてしまう原因になります。
シートを再利用するときは、時間があれば自然に冷めるまで待つか、急いでいるときは、水道の蛇口の水をしばらく流してかけ、一気に冷やすかしてから生地を並べましょう。
<クッキー生地の準備>
クッキーのレシピを見ると、大抵何個分とか、どれくらいの量ができるのか書いてありますね。
もちろん1個分をどのくらいにするのかによって、全体量も違ってくるのですが、問題は、クッキーに混ぜ物があるときです。
チョコレートチップやレーズンなどを混ぜて手作りするとき、全体に均一に混ぜたつもりでも、いざクッキー生地を並べ始めると、最後の方は添加物がなくなってたりすることがあります。
そういうときのために、できれば加える材料を余分に取っておいて、なくなりかけたときのために、後で加えることができるようにしておくと万全です。
手作りクッキーに失敗したときの対応
<クッキーがくっついて焼けたとき>
クッキー生地が軟らかいほど、焼いている間にダラーッと伸びてしまうことがよくあります。
生地をシートに並べるときに十分な間隔を置くことが必要ですが、もしもくっついてしまったら、オーブンから出してすぐに、金属の薄いへらをクッキーの間に入れ、2つを離していきます。
このとき、余裕があれば、まだ熱くて柔らかい内に、できるだけ円い形になるように、周りから囲い込むようにして整形してあげるといいです。これで、かなり修復可能です。
<クッキーを網に移すタイミング>
クッキーが焼けて、オーブンから取り出したら、普通は数分置いてから網の上に移しますよね。そうするとクッキーがある程度固まって、へらですくいやすいからです。
でも、クッキーの中には、サクサク感よりも、しっとり、ネバっとした感触の仕上がりを良しとするものもあります。そういうときは、まだ軟らかい内にすぐに網に移します。
これは、クッキーを焼きすぎたときにも言えることです。いくら、クリスピーな仕上がりにしたいときでも、最後の1分が余分で焼きすぎた、ということもあります。
そんなときも、クッキーシートにしばらく置いておかず、オーブンから出したらすぐに網に移すことです。これで、余熱で更なる焼けすぎを防ぐことができます。
<クッキーを焦がしてしまったら>
クッキーを焼くときは、多分タイマーをかけて、レシピ通りの時間を設定すると思うのですが、何らかの理由で不具合は起こります。
せっかく手作りのおいしいクッキーを、誰かに食べてもらおうとして時間をかけたのに、最後に失敗なんてことになると、悲しいですよね。
複数のベーキングシートを入れて焼く場合は特に注意が必要ですが、均等に焼き色を付けようと思うと、焼いている間にシートの位置や方向を交換するのも1つの手です。
まあ、真っ黒こげになって出てくることはないと思うのですが、あまりにも焼き色が濃く、底もいかにも焼きすぎましたって感じに焼けてしまうこともあります。
そんなときのお助け道具は、普通は果物の皮をおろすときに使うグレーターです。私は、エクソーを持っていますが、レモンやオレンジの皮をおろすときは最高です。
でも、それだけに使うのはもったいない!
これで、焼けすぎたクッキーの底や気になるところを少しずつ削っていくと、人にあげてもいいクッキーに戻りますよ。
<クッキー解体のとき>
上記のことをしても、どうしても救えなかったクッキーをごみ箱に捨てるのはまだ早いです。
もちろん、完全に焦げたクッキーは体にも悪いので捨てますが、そうでなければ、完全に乾いてからジップロックにでも入れて、麺棒でたたいてクッキークラムに分解してしまいます。
ヨーグルトの上に振りかけてもいいし、冷凍しておいて、チーズケーキのクラストを作るときに混ぜても使えます。
せっかく作ったクッキーなので、できる限りの再生方法を考えたいですね。
いかがでしたか?
誰も失敗しようと思ってクッキーを手作りで焼くわけではありません。誰かに食べさせてあげようと思って、心を込めて時間を使い、手作りクッキーに挑みます。
ほんのちょっとしたコツで、失敗を未然に防いだり、また不満足な結果を転換することもできます。
次回、クッキーを手作りするときに失敗しないように、何らかのヒントになれば幸いです。
また、手作りクッキーを焼くコツを解説したページでも、一般的な注意事項を記しているので、合わせて参考になさってくださいね。