この記事は約 7 分で読めます。
手作りクッキーのコツを知っている限り伝授します。アメリカに来てから、かれこれ30年以上洋菓子作りの経験があるので、体験から得たことをお伝えして、少しでもお役に立てればと思います。
手作りクッキーを手土産に持っていくのは、アメリカではよくあることです。特にホリデーシーズンともなると、綺麗にデコレーションしたクッキーがもてはやされます。
ちょっとしたコツを知っていると、仕上がりにも差が出てくるし、時間も有効に使えます。人目を惹くクッキーが作れば、学校やグループでのベークセールに持っていっても鼻高々です。
具体的な内容に入る前に、まずクッキーにはどんな種類があるのか、大きいグループに分けてみます。
・型抜きクッキー
・アイスボックスクッキー
・ドロップクッキー
・バークッキー
クッキーを焼くときのスタイルから分けると上記のようになります。最初に挙げた、モールドを使ってクッキー生地を切り抜いていく型抜きクッキーは、大抵デコレーションも付随してくるので、また別のページで説明します。
では、あとの3つに関して、共通している基本的なこと、また個々にどんなコツがあるのか整理してみます。
手作りクッキーのコツ:焼くまでの準備編
手作りクッキーに初挑戦という方もいらっしゃると思うので、基本事項のコツから始めます。
まず、焼いている間にクッキー生地がのびてしまわないように、オーブンの温度を設定しておくことが大切です。お使いの機種によって時間差はありますが、大体10~15分かかります。
次に、レシピに従って、それぞれの材料を正確に測ることです。食事の準備なら目分量でも大丈夫ですが、お菓子を作るときには、やり方に従った方が無難です。
この測り方ですが、普通のレシピには、例えば小麦粉や砂糖などの粉ものは、重さだけか、かさだけか、どちらか一方での表記になっていると思います。中には親切に併記してくれているものもありますが。
で、一番いいのは重さで測ることです。秤が正確な物であれば、まず測り方で失敗することはありません。でもかさの場合、計量カップやスプーンの使い方によっては、かなり誤差が出ることがあります。
かさを測るときは、レシピに山盛りと書いていない限り、すり切り一杯の意味なので、必ずナイフなどの確実にまっすぐなものを用意して、余分な粉を払い落とすことです。
また、小麦粉を測る場合のもう1つの注意は、レシピによって、「振るったもの」と明記されているときには、必ず粉を振るいにかけてから測らないと、大幅に分量が違ってきます。
それからバターの扱いですが、これもレシピによって、冷温、室温、溶かした状態のいずれかで指定されている場合には、その通りの形態で使用しないと、思った通りのクッキーが焼き上がってこなくなります。
以上のような基本的なコツに注意してレシピ通りの手順を踏めば、望み通りの手作りクッキーが焼けると思いますよ。
手作りクッキーのコツ:種類別焼き方の知恵
アイスボックスクッキーと言って、生地を棒状にして長時間冷蔵してから、輪切りにして焼くタイプがあります。この冷蔵の仕方なのですが、少しコツがあります。手作りクッキーは形がそろわない方がいいときもありますが・・・。
せっかく綺麗な丸太にしても、冷蔵している間に底が平らになって、円い形が崩れることが多いので、細いものであれば、ラップした後ペーパータオルの芯に入れて保管するか、太ければ、パン型にお米を敷いて入れると形が保てます。
ドロップクッキーが一番焼く機会が多いのではないでしょうか? 形をあまり気にしなくていいので気楽に作れます。ボウルで生地を混ぜた後は、クッキー生地用のスプーンを使ってベーキングシートに落としていきます。
このスプーンに少しオイルスプレーを振りかけてから使うと、生地を切り離しやすくなります。特別な器具がなければ、一番小さい計量カップで大さじ2杯分の大きさの物を代用できます。
また、ドロップクッキーの応用で、サムプリントクッキーと言うのがあります。”thumb print”、つまり親指で生地の真ん中を押して、へこんだ所にジャムとか埋めて焼くのですが、指の代わりにコルクの先を使うと均一に窪みを作れます。
クッキーの並べ方ですが、目分量で一定の間隔を取りながら置いていきますね。それで十分なのですが、もっときっちりしたければ、パーチメントに縦横に折り目をつけて広げ、線がクロスしたところに生地を置いていくといいです。
日本の家庭の台所はひょっとして狭いかもわかりません。そんな時、何枚ものクッキーシートを広げるスペースがなければ、キッチンの引き出しを少し開けた状態で、その上にシートをのせ掛けて作業する方法もあります。
最後に、バークッキーです。これは生地を用意した後、淵のあるベーキングシート全体に生地をのばして焼き、後で切り分けるものです。種類によっては焼き上がった後、シートからなかなかはがせないものがあります。
やはり最初から、パーチメントを縦に1枚、横に1枚、ベーキングシートより一回り大きめに切ったものを重ねて置き、オイルスプレーをかけてから生地をのばすと、ペーパーを持ち上げるだけで簡単に取り出せて便利ですよ。
以上、手作りクッキーを焼くときのコツを並べてみました。少しでもヒントになれば幸いです。