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ピザの種類について整理したいと思います。
それぞれの名前は、各ピザ屋さんがトッピングを工夫することで、千差万別、ユニークなネーミングが山ほどありますが、ここでは本場イタリアから来たピザや、アメリカで発展したものについて、大きく種類分けしていきます。
スタイルの違いがそのまま店名になっていることも多いですね。それでは、一体どんな種類のピザがあるのか、見ていきましょう。
ピザの種類
<本場イタリアのピザの種類>
【ナポリタンピザ】”Neapolitan Pizza”
ピザって、庶民の食べ物ですよね。そもそも、イタリアのナポリでピザが生まれたのも、質素な暮らしをしている人々が、安くて簡単に作れ、手っ取り早く食べられるということが魅力でした。
フラットブレッドに、トマト、チーズ、にんにくにオリーブオイルを垂らして焼き上げたものが、屋台のようなブースで飛ぶように売れました。この種類の原形が、「マリナラ・ピザ」”Marinara pizza”です。
このバリエーションが、生のモッツァレラチーズとバジルを加えた、人気の「マルゲリータ・ピザ」”Margherita pizza”です。いずれも薄い生地になっています。
色合いをよく見ると、トマトの赤、モッツアレラの白、バジルのの緑。この三色を組み合わせると・・・・・? そうです、イタリアの国旗になりますよね。
ナポリタンピザは、本来、「薪ストーブ」“wood fired (burning) oven”で焼くのが正式な焼き方です。普通のオーブンに比べ、非常に高温になるので、普通なら20分くらいかかるところを、1分半くらいで完全に焼けてしまいます。
【シシリアンピザ】”Sicilian Pizza”
ピザというと、普通は円形を思い浮かべますが、このシシリアンピザは四角い形をしています。生地は、半ばスポンジケーキのようなフワフワした厚みがあります。
トッピングには、トマトソース、玉ねぎ、アンチョビなどを使い、最後にパン粉を載せて仕上げます。
別名、「スフィンチョーネ」”Sfincione”とも呼ばれているピザですが、クリスマスや大晦日といった、特別な日に提供されるのが伝統です。
アメリカには、厚みのあるピザで人気のシカゴピザがありますが、恐らくこのシシリアンスタイルが元になっているのではないかと思われます。
<アメリカで有名なピザの種類>
【シカゴピザ】”Chicago Pizza”
シカゴピザは、別名 “deep-dish pizza” とも呼ばれるように、まるでパイ生地のように、周りが高く厚みのある生地になっています。
名前の通り、シカゴ発祥ですが、今では全米各地に広がっています。アメリカの主要な都市には、リトル・イタリーがありますが、20世紀の初め、シカゴに移り住んできたイタリア移民が、お国の食べ物をアレンジして作りました。
普通ピザを作るときには、生地の上にまずトマト系のソースを広げてから具を並べて、最後にチーズを載せるという順番になるのですが、シカゴピザは、正反対に重ねていきます。
つまり、生地の上にまずモッツアレラチーズを広げて、肉や野菜類を並べて、最後に缶詰のつぶしトマトを載せていくという方式にして、アメリカ版のピザを開発したのです。
生地も厚く、具材も多く入るので、シカゴピザを焼くには30分以上かかります。
【ニューヨークスタイルピザ】”New York Style Pizza”
本場イタリアのオリジナルに一番近いのが、ニューヨークスタイルピザです。生地は薄いのですが、かと言って、具材を豊富に載せるので、ある程度の強さは必要になります。
具の中身でよく使われるのは、ミート類では、挽肉やソーセージ、ペパロニ。野菜類では、玉ねぎ、マッシュルーム、グリーンペッパーなどです。又、アンチョビ―やハーブ類、唐辛子やニンニクといったスパイスもよく使われます。
一応ナポリタンピザが原型になっていることから、原則としては、薪ストーブを使って焼くのが本式とされています。
【カリフォルニアピザ】”California Pizza”
自由の国アメリカで生まれたピザの中でも、最もアメリカンなのが、このカリフォルニアピザでしょう。
元はと言えば、ピザレシピの新作に次から次へと挑戦していたシェフが、有名イタリアンレストランのオーナーシェフに認められて、ピザ専門シェフに採用されたのが始まりです。
以後、飽きることなく新しいメニューに挑戦し、“California Pizza Kitchen”というピザチェーン店が生まれることになりました。
カリフォルニアピザに至っては、使用するソースに具材、トッピングにいたるまで、もう何でもありです。ピザにはトマトソース、という概念も取っ払って、ホワイトソースがかかっているものもあり、生地の厚さも自由自在です。
<その他のピザ>
【ギリシャピザ】”Greek Pizza”
アメリカに移住してきたギリシャ人が作り始めたピザですが、特に一定の法則のもとに作られているのではなく、生地に関しても、ナポリタンやニューヨークピザのように薄くもなければ、シカゴピザのように厚くもありません。
ギリシャピザはちょうど中間くらいで、ややふわっとした感じですが、噛み応えのある生地になっています。基本は円形で、焼くときには、ピザトレイにたっぷりオリーブオイルを塗ってから焼きます。
ギリシャピザだからと言って、必ずしもフェタチーズやブラックオリーブが載っているとは限りません。トッピングの選択もいたって自由ですが、チーズは、モッツアレラとチェダーを混ぜて使い、トマトソースは酸味が利いています。
アメリカでは、フットボールとかバスケットボールとか、家のテレビでスポーツ観戦するときには、ピザの出前が便利で人気があります。郵便受けの中にも、よく割引クーポンが入っていたり、ドアノブにかかっていたりします。
日本に帰ったときにピザの出前を取ったことがあるのですが、かなり高かったのを記憶しています。アメリカでは気軽に手早く食べられるもの、ということで流行っているので、庶民的な値段です。
ピザの種類も豊富なので、グループで頼むときには、トッピングの違うものを数種類注文して、いろんな味を楽しみます。
ピザ店の中には、家のオーブンに入れて焼けるようになったものも販売している所があり、普通のスーパーに売っている既製品よりもずっとおいしいので、焼く時間をかけてもいいときは、”ready to bake”の種類を利用します。