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ソースの名前にはどんなものがあるでしょうか?
ここで言う「ソース」は、市販の瓶に入ったウスターソースとかオイスターソースといったような調味料のことではありません。
フランスやイタリアの料理に出てくる、アントレにかかっているソースのことです。特にフレンチはソース抜きでは語れませんよね。お皿の盛り付けには、ほぼ何らかのソースがかけられています。
デザートまで含めると広範囲になりすぎるので、このページでは、西洋料理で主食に使われるソースの名前を取り上げて、仕上がりの色を中心に整理してみることにします。
ホワイトソース系の名前
<ベシャメルソース> ”bechamel sauce”
ベシャメルソースは、ホワイトソースの基本のキのソースですね。他のソースのベースになったりもします。
基本の材料は、バター、小麦粉、牛乳で、後は塩胡椒で味付けます。好みで、ナツメグを入れることもあります。
幅広い料理に取り入れられているベシャメルソースなので、いろんな機会に使いますが、私はこのソースでポーク・ラザーニャを作ったことがあります。
<モルネーソース> “mornay sauce”
モルネーソースは、基本のベシャメルソースに、生クリーム、チーズを溶かして、仕上げにまたバターを加えるという、聞いただけでカロリーが高そうなリッチなソースです。グラタン料理によく使われるソースです。
<オーロラソース> “aurora sauce”
基本のホワイトソースにトマトピューレを混ぜて、やはり最後にバターを加えます。仕上がりの色合いから、暁の空に広がるオーロラを連想させるので、この名前が付きました。魚介類の料理によく合います。
<ベルネーゼソース> ”bearnaise sauce”
ベルネーゼソースは、フランス南西部にある地方の名前から付いていて、主にステーキに使われる伝統的なソースです。
エシャロットの微塵切りを塩胡椒で炒めて、ワインビネガーで煮詰めた後、卵黄と混ぜて泡立てます。よく混ざったら、バターを少しずつ加えて溶かし、パセリなどを加えて、塩胡椒で味を調整します。
このソースを作っている暇がないときには、便利なチューブ入りも買って棚に保存しています。
<オランデーズソース> ”hollandaise sauce”
エッグベネディクトにかかっているソースが、オランデーズソースです。卵黄に水、もしくはワインと少量のレモン汁を加えて塩胡椒したものを湯煎にかけ、澄ましバターを少しずつ加えながら、クリーム状にしていきます。
魚料理にかけることもあれば、他の野菜、たとえば蒸したアスパラガスに、このオランデーズソースをかけても美味しくいただけます。緑色に黄色のソースが映えます。
<ブールブランソース> ”beurre blanc sauce”
ブールブランというのは、「白いバター」という意味で、鶏肉料理に合うバターソースです。バターが命のソースなので、良質のバターを使って作りたいですね。
玉ねぎの微塵切りと、白ワインに白ワインビネガーを、液体がなくなるまで鍋で煮詰めたら、室温にしておいたバターを少しずつ加えて、弱火でとろみをつけていきます。
これをストレーナーでこして、滑らかなソースを料理にかけていただきます。でも、煮詰めた玉ねぎも甘みを増して美味しくなっているので、家庭料理で見かけを気にしなければ、そのままいただいてもいいのでは。
<ヴァンブランソース> ”vin blanc sauce”
ブールブラントとよく似ているソースですが、こちらは特に魚料理によく合います。意味としては、「白ワイン」のソース。ですので、こちらは良質のワインが命。
白ワインとエシャロットの微塵切りを鍋で煮詰め、ほぼ液体がなくなったら、生クリームを加えて沸騰させます。ここで一旦調理を終えて冷まします。そこへレモン汁を少し加えて再び沸騰させ、塩胡椒で味付け。
あとはストレーナーでこして、料理にかけます。魚料理に使う場合は、ワインで煮込むときに、フィッシュストックを混ぜると、よりコクのあるヴァンブランソースができます。
レッドソース系の名前
<マデラソース> “madeira sauce”
牛肉のステーキによく使われるソースで、ポルトガルのマデラ島で作られているマデラ酒を使って作るので、この名前が付いています。
フランス料理のソースのベースとして欠かせないフォンドボーを使います。これを1から作るのは手間なので、市販のものでいいことにします。
玉ねぎの微塵切りをバターできつね色になるまで炒めたら、マデラワインとフォンドボーを入れて、ある程度煮詰めたら、塩で味を足してからこします。
マデラソースのバリエーションとして、フォンドボーの代わりにアップルサイダーを使って、マスタードでアクセントを効かせた、マスタードワインソースをポークチョップにかけたこともあります。
<ペリグーソース> “perigueux sauce”
赤ワインソースの種類では、やはりマデラソースが一般的に知れ渡っているので、先に書きましたが、このペリグーソースというのは、黒トリュフの産地であるペリゴール地方から来た名前です。
マデラソースを含む酒精強化ワインを使ったソースのことなので、もっと広範囲のソースの名前になります。その中で、実際に使うワインの種類によって、呼び名が違ってきます。
酒精強化ワインというのは、英語で言うところの“fortified wine”。例を挙げると、マデラ酒やポート酒にシェリー酒といった、アルコール度が強化されたワインのことです。
マデラワインやポートワインは甘口なので、口当たりがいのですが、ブランデーが入ったりしているので、かなり度数が高いワインなのです。
ブラウンソース系の名前
<デミグラスソース> “demi-glace sauce”
ハンバーグやオムライスにかけたり、ハヤシライスのベースにしたりするブラウンソースの名前です。
私は豚ヒレ肉が好きなので、よく調理しますが、デミグラスソースをベースに、クリームやグランマニエで味付けしたソースを、ポークソテーに絡めて作ったことがあります。
簡単に言うと、バターで小麦粉を茶褐色になるまで炒めてから、洋風のだし汁を少しずつ足していき、赤ワインやトマトペーストにピューレなどでコクを付けて、半量になるまで煮詰めていきます。
“demi-glace”というのが、「半分煮詰めたもの」という意味なので、この名前が付いています。本格的なデミグラスソースを作ろうと思うと、数日かかると言われています。
普通の家庭ではそこまでできないので、市販のものを使うのが便利です。アメリカでは、”More than Gourmet”という会社が、肉の種類によるベースを使った、各種デミグラスソースを出しています。
ソースの名前で何か新しい発見はありましたか?
中にはよく似たソースもあり、どれがどの名前のソースなのか、紛らわしいものもあったかもわかりませんが、少し違いがおわかりいただけたかと思います。
まだまだ西洋料理に出てくるソースはありますが、今回は代表的な名前に関して解説しました。今度レストランに行かれたら、メニューのソースの名前にも注目してみてください。