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にんにくの下ごしらえはどのようにされていますか?
皮をむくことから、刻んだりおろしたりすることまで、指がネチネチしたり、臭いが移ったりと、気になることがたくさんあります。
でも、料理のフレーバーを決める重要な食材なので、避けて通るわけにはいきません。それにニンニクを摂取する健康的価値も侮れません。
では、どんなことに気をつければ、より快適に、にんにくの下ごしらえをすることができるのか、ポイントを挙げて、最後に調理のコツも加えておきます。
にんにくの処理の仕方によって変わる風味の違いを知る
それぞれの下ごしらえに入る前に、知っておきたいことがあります。
それは、どういう状態にすると、にんにくの香りや味が最も強くなったり、マイルドになったりするかということです。
にんにく特有の風味は、押しつぶしたり刻んだりすることによって出てくる、アリシンという化合物から来ています。
にんにくの細胞がより細かく分解されるほど、このアリシンが強く出てくるのです。また、生の状態が最も強く、火を通すことで酵素が分解されるので、風味はマイルドになります。
もっと具体的に言うと、丸のままローストしたにんにくが一番口当たりがよく、時として、お菓子のような甘ささえあります。次にトーストしたもの。
大きく切ってソテーしたにんにくはまだマイルドですが、微塵切りにして炒めたものになると、次第にフレーバーが強くなってきて、押しつぶしてソテーしたにんにくの味はより強烈になります。
使用するレシピには、どの状態で調理に使うのか、指定されていると思いますが、自分でもあらかじめ風味の強さを把握しておくと、場合によっては使い方を変えることもできますよね。
にんにくの下ごしらえ
にんにくの皮むき>
にんにくの下ごしらえは、まず皮をむくことから始まりますね。でも、生の状態から指でむくのは骨が折れます。
そこで便利な器具を紹介します。その名も、ガーリック・ピーラー。ちょうど、大きなチューブパスタのマニコッティーのような形をしています。
とても安価で、シリコン製のものが手の圧力を調整しやすいので、扱いやすいと思います。
使い方は簡単で、にんにく一玉を、まず一かけずつ分けていき、バラにしたものを2、3個、筒の中に入れて、上から軽く押さえるようにして転がします。
すると、皮だけむけて、中のにんにくが無傷でつるっと出てきます。このツールは、もっと力を入れて押さえることによって、押しつぶすこともできるので、ガーリック・クラッシャーとも呼ばれています。
もし、この小道具がなければ、他にも手立てがあります。
1つは、よく食器棚のライナーに使われている、シリコン製の敷物です。原理はチューブ型になったガーリック・ピーラーと同じで、小分けしたにんにくを間に挟んでコロコロするだけです。
あと1つは、少し熱を加える方法です。小分けしたにんにくを皿に載せて電子レンジに入れ、10~20秒ほどチンすると、皮が指でもむきやすくなっています。
<にんにくを押しつぶす>
にんにくを押しつぶして使うときは、包丁の背を利用するのが一番手っ取り早いです。片手でナイフを持ち、もう片方の手で上から押さえる感じですね、
でも、中には包丁の扱いが何となく心配という方もいらっしゃると思うので、そういう場合は、肉たたきを使うことも考えられます。これだと安全に押しつぶすことができます。
<にんにくを刻む>
にんにくの玉を小分けにしたら、刻み始める前に、1かけごとに、芯の緑の部分を切り取っておくと、余分な苦みを感じることがなくて済みます。
包丁で微塵切りにする場合、量が多いと、その内にんにくがねばねばしてきて、ナイフにもべったりくっついてしまったりします。これを避けるには、最初に油を少し垂らしてから切り始めるとよいです。
その上でにんにくを刻むと、まな板にも臭いがしみ込んで取れにくくなることもあります。心配なときは、まな板の上にペーパータオルを重ねて置いてから切ると、臭いのしみ込みが少なくなります。
手にあまりにんにくの臭いを付けたくない場合は、ガーリックプレスを使うとよいでしょう。このツールの便利なところは、事前に皮をむく必要がないという点です。皮付きのまま入れても、細かい穴から身だけ出てきます。
<にんにくをおろす>
にんにくをおろす時も、「料理のすりおろし」のページで紹介したマイクロプレーンのゼスターが活躍してくれます。
ただし、にんにくの臭いが付いてしまうと、果物の皮をおろすときに心配という場合は、やはりガーリック専用のグレーターがあった方がいいかもわかりません。
でも、専用とはいっても、生姜にも使えるし、陶器だといつまでも匂いが残ることはまずないと思います。
にんにく調理のコツ
<にんにくの量の把握>
にんにく一玉の大きさが大幅に違う場合や、小分けにした一かけに大小の差があるときは、当然ながら生み出す分量にも差が出てきます。
料理レシピにも、「一かけ」と書いているときと、「大さじ何杯」とか「小さじ何杯」と、具体的に示しているときがありますね。
にんにくの下ごしらえを始める前に、ある程度、どの大きさの一片が、計量スプーンではどのくらいの量に値するのか、知っておくにこしたことはありません。
微塵切りにした時、とても大きな一かけのにんにくで、大体大さじ一杯、やや大きめで小さじ二杯、中くらいの大きさで小さじ一杯、小粒のもので小さじ半分くらいになると考えておけばいいでしょう。
<にんにくを扱うときの注意>
にんにくは大体、買ってから二週間くらいは冷暗所で持ちます。もし、少し黄色くなり始めたら、古くなってきたサインなので、できるだけ早く使い切りましょう。
下ごしらえは、ぎりぎりまで待ってからにしましょう。にんにくは細胞が分解されると、すぐに風味の元であるアリシンを出すので、他の食材の下ごしらえが大方整ったところで、にんにくに取りかかります。
また、30秒以上、高温で調理すると、苦みを増すので、他のスパイス類が香りを出し始めた頃に加えて、ササっと火を通すのがコツです。
もし、にんにくだけが香りづけに使われる調理の場合は、火をつける前に鍋に入れて、弱火から中火でよく混ぜながら、徐々に香りを出すようにするとよいです。
以上、にんにくの下ごしらえのポイントを挙げ、便利な調理器具の紹介とともに、にんにくを料理に使うときのコツをまとめてみました。
正直言うと、いつも生のにんにくから下準備するのは面倒なので、おろしにんにくや刻みにんにくの瓶入りは常に冷蔵庫に保管しています。
でも、生のにんにくから下ごしらえしたときのような風味を楽しむことはできません。他にも、ガーリックパウダーの使用もありですが、乾燥にんにくは忘れた方がいいですね。