玉ねぎの調理で気をつけたい3つのポイントとは?

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玉ねぎの調理

 

玉ねぎの調理について考えたいと思います。食品の性質を知った上で、その特徴を活用して上手に使いましょう。オニオンは大きく分けて、辛みの物と甘みの物と2種類あり、それぞれに適した使い方があります。

切り方を含めた下準備の仕方によって、仕上がりの味が変わってくるので、食材の持ち味を生かして、玉ねぎの賢い調理を考えてみます。

 

玉ねぎの調理:種類を考える

 

玉ねぎには産地によって数百種類のブランドがあると言われていますが、形や味覚は主に2種類に分けられます。

辛みのある物は、“pungent onion”のグループに入って、“yellow onion”(黄たまねぎ)や“white onion”(白たまねぎ)の名前で店に出ています。白い方がより辛みがあり、メキシコ料理によく使われます。

  黄玉ねぎ白玉ねぎ

 

一方で甘みのある物は、“mild onion”のグループになり、黄色っぽいですが、外皮がとても軟らかく、普通の黄タマネギより背が低く横に広くなっています。“red onion”(赤たまねぎ)も、どちらかと言うとこちらに入ります。

 

 甘玉ねぎ赤玉ねぎ

 

味がマイルドなことから、加熱調理に使うと、玉ねぎ本来の持ち味が生かされないので、生でサラダに入れて利用することが多いです。ただ、色だけで区別する訳ではないので、詳しい種類や成分については別のページで説明します。

マイルド・オニオンは確かに他の種類に比べると軟らかいのですが、お店で選ぶときは、そっと触ってみて、明らかに弱々しい部分がないか調べてからカゴに入れることをお勧めします。

 

 

玉ねぎの調理:切り方を考える

 

玉ねぎの調理にあたっては、誰しも経験があるかと思いますが、扱う種類や、切り方によっては、本当に泣かされますよね。アメリカでは、20ドルもするオニオンカット専用のメガネも売られているほどです。

まずそのメカニズムを考えてみると、これは玉葱が持つ硫黄成分によるものなんですね。切ることで揮発成分が空気中に発散するので、涙が出てくるというわけです。

特に微塵切りをするときが大変です。最初にまず縦半分に切るところまでは、玉ねぎの繊維に沿っているので何ともないのですが、そのあと繊維に逆らって切り目を入れるときに、この成分がどっとあふれ出して涙を誘うのです。

 玉ねぎ縦割り玉ねぎ輪切り

だから、縦にくし形に切ったり、乱切りにする程度ではそんなに苦労はしないと思いますが、輪切りや微塵切りでは苦労します。では、この涙を避けるためにはどうすればいいのでしょうか?

1つには、電子レンジで簡単に加熱してから切る方法があります。レンジ反対派の方は、切る前にしばらく冷蔵庫で冷やすという方法もあります。これで、ある程度揮発成分の抑制につながります。

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玉ねぎの調理法:甘みを生かす

 

玉ねぎを長く炒めていると、とても甘くなって美味しいですね。それは玉葱の中の成分が加熱によって糖化するからなんです。ただし、切ってすぐに調理すると、有効な成分が失われるので、しばらく室温で置いておくことが大切です。

いつも時間に追われて料理していると、そんな余裕はないかもわかりませんが、他の食材の下準備の兼ね合いも頭に入れて、賢く段取りを考えるといいですね。

 

それから、炒めるときには強火で短時間調理するのではなく、弱火で気長に時間をかけて料理することも、甘みが増すコツです。フレンチオニオンスープがその代表例ですが、時間をかけるだけの結果は得られます。

トマトソースをじっくり煮込むときも、このタマネギの性質が生かされるので、よりマイルドでリッチな味を期待したいときは、弱火でコトコトがいいですね。

また、サラダに入れるときには、あまり辛みがきついと食べにくいので、できるだけ繊維に沿って切ること以外には、切ったものをしばらく水につけておく方法があります。すると、辛み成分が水に溶けてくれます。

 

玉ねぎ微塵

 

その水に酢や牛乳を少し加えることで、更に硫黄化合物を取り除くこともできます。大抵サラダには酢を加えるので、下味にお酢が入っていても問題ないと思います。

あと、玉ねぎを軟らかく仕上げたいときには、味付けの塩をクッキングの最初に加えることです。ある程度調理が進んでから塩を加えるのとでは、仕上がりが違ってきます。逆にシャキッとした食感を保ちたいときには、後塩がいいです。

 

いかがでしたか?

玉ねぎには血液サラサラ効果があるとして、一時ブームになっていましたが、すりおろした汁を鼻に近づけると、鼻詰まりを和らげてくれます。これも、揮発成分の関係でしょうね。

 

タマネギはできるだけ湿気の少ないところで、ネットに入れるなどして、単独で保存するとよく持ちます。甘みのある物で1~2か月、辛みのある物だと、半年ぐらいは持ちますが、芽が出てこないうちに調理するのが、おいしくいただくコツです。

でも、万が一芽が出てしまったら、必ず切り取って、中の芯の部分も捨てましょう。美味しいところだけ楽しんでください。