野菜の冷凍保存。室温や冷蔵庫でキープするより栄養価も維持

この記事は約 9 分で読めます。

野菜の冷凍保存

 

野菜の冷凍保存はどのようにされていますか?

旬の野菜がたくさん手に入っても、使い切れないうちに傷めてしまったらもったいないですよね。数日内に使う予定がないのであれば、迷ってないで即冷凍をお勧めします。野菜が新鮮なほど、良い冷凍状態が保てますから。

 

もし、自宅に野菜畑があって、一度に収穫しないといけない場合は、できるだけ朝の気温の低いときに刈り取って、数時間のうちに冷凍保存処理をすると、可能な限り最高の状態を保つことができます。

食品の全般的な冷凍保存のコツについては、別のページでも解説していますが、ここでは特に野菜を冷凍するときの主な注意事項や、個々の食材に関する保存のヒントについて説明していきます。

 

野菜の冷凍保存:基本のキ

 

野菜を冷凍するときの基本的なステップをおさらいしておきましょう。

(1)野菜を切る。

芽キャベツのように、元々小口にできているものは別にして、野菜はたいてい切ってから調理するので、普段の料理を想定して、余分な部分は取り除き、まず使いやすい大きさに切りそろえておきます。

 

(2)湯通しする。

野菜を湯通しすることによって、酵素の働きで本来の色や味が失われるプロセスを一時停止してくれます。野菜によっては蒸した方がいい場合もありますが、湯通しより多少時間がかかりますね。

野菜はまず水洗いしてから使いますが、湯通しすることによって、それだけでは落ちない土や、目には見えにくい小さな虫などを除去する目的もあり、更に野菜がしんなりして、冷凍保存する入れ物に収まりやすいという利点もあります。

 

ただ、湯通しのタイミングは、それぞれの野菜や切り方によっても微妙に違うので、煮てしまわないようにする注意が必要です。また、湯通しの後すぐに冷水にさらして調理を止めることも大切です。

 

(3)仮冷凍する。

湯通しした野菜を冷水にさらした後、水気を十分に取ることも忘れてはいけません。余分な湿気は大敵です。

特に水分の多いものでなければ、この後すぐにジップロックや冷凍保存する容器に入れてもいいのですが、一番いいのは、一度野菜をベーキングシートに一層に並べて、仮冷凍することです。

 

そうすると、小さく切った野菜同士が入れ物の中でくっつきにくくなるので、いざ袋から出して調理するときに、出しやすくなります。

 

(4)密封してラベルを付ける。

ジップロックなどの袋に入れる場合は、野菜を重ならないように入れたら、上の方は少し空けておき、できる限り中の空気を抜いてから封を閉めます。

最後に、必ず野菜を冷凍した日付と名前を書いておきましょう。

 

名前なんて書かなくてもわかりそうなもの、と思われるかもわかりませんが、私は以前、冷凍して随分経った名無しの袋に入っていたのが、セロリなのかリーキなのかわからなくなったことがあります。

また、冷凍保存は腐敗を遅らせてくれるだけなので、野菜の場合、半年から1年くらいは大丈夫ですが、時々日付を確認して、できるだけ色や味が変わらないうちに使いきった方がいいですね。

なお、冷凍保存した野菜を料理に使うときは、解凍なしで、お鍋に直行です!

野菜の冷凍保存:具体例

 

野菜の性質や切った大きさによっても、ゆでるタイミングが違ってくるので、扱いやすいサイズとゆでる時間を中心に、各種野菜の準備の仕方を説明します。

比較的頻繁に使うと思われる野菜の名前を50音順に並べて、目安になるゆで時間はカッコ内に記しました。

 

<アスパラガス>

アスパラガス

固い部分は切り落として、あとは5cmくらいの長さに切りそろえます。

アスパラは鉛筆のように細いものから、チョークぐらいの太さ、又それ以上のものまであるので、ゆで時間も、太さに合わせて、(細2分~太4分)

 

<いも類>

じゃがいも

ジャガイモでもサツマイモでも、かなり大きさに差があるし、元々単体が大きいものなので、「軟らかくなるまで火を通す」としか言えません。

南瓜も含めて、これらの野菜は、湯通しより蒸した方がよく、オーブンで焼いてもいいのですが、冷めてから皮をむいて、適当な大きさに切って冷凍保存するといいです。

 

<インゲン豆>

インゲン豆

両端をつまみ取って、そのまま全体でも、2~3cm長さに切り分けてもかまいません。(3分)

 

<キャベツ>

キャベツ

一番外側の葉は捨てて、後はばらして千切りにします。(1分半)

 

<さや入りの豆>

さや入り豆

スナップえんどうや絹さやの類は、端をつまんで筋を取っておきます。(小1分半、中2分)

 

<ズッキーニ>

ズッキーニ

1cm厚さくらいの輪切りにします。(3分)

 

<とうもろこし>

とうもろこし

外皮と髭を取り除いたら、よく洗って、何本もゆでるときは、やはり大きさによってグループ分けした方がいいです。

コーンの粒をそぎ落としてからゆでて保存することもできます。(小7分、中9分、大11分、粒状4分)

 

<トマト>

トマト

トマトの湯むきはご存知ですよね。つまり、トマトの場合、皮をむきやすくするために、熱湯に30秒ほどつけることで、湯通しが終わっているので、後はへたと芯を取るだけです。

丸のまま冷凍するときは、ラップに包んでから密封容器に入れるといいし、小出しにして使いたい場合は、刻んだものを平らにして保存しておくと、折って使えるので便利です。

 

<人参>

人参

小ぶりの人参を冷凍保存する場合は、皮をむいたらそのまま5分ほど茹でますが、普通サイズの人参であれば、用途に合わせて、薄切りなり角切りなりして用意します。(2分)

 

<葉野菜>

葉野菜

ケールやチャード、コラードといった、しっかりした葉野菜は、茎の硬い部分を取り除いておきます。(2~3分)

 

<パプリカ>

パプリカ

半分に切って軸を取り、中の種を取り出してからゆでます。もし使い方がわかっている場合は、短冊切りとかにしておくと便利です。(半分で3分、薄切りで2分)

 

<ビーツ>

ビーツ

上下の部分は少しだけ残して茹でます。これは芯からゆでないといけないので、時間がかかります。できればサイズごとに分けて、大きいものから順に鍋に入れていくといいですね。

ゆであがったら皮をむいて、料理を想定して、薄切りにするか、小口切りにするかは決めてください。(小25分~大50分)

 

<ブロッコリー又はカリフラワー>

ブロッコリー

花の部分を大体3cm角くらいに切り分けておきます。(3分)

 

<マッシュルーム>

マッシュルーム

マッシュルームは切ってからレモンを振りかけておくと、そのままでも冷凍保存できますが、ゆでる場合は、(薄切りで2分、4等分で3分ほど)

 

<芽キャベツ>

芽キャベツ

サイズにばらつきがあるようなら、ある程度分けて、大きいものから先に入れていきます。あまり大きいものがあれば半分に切った方がいいです。

また、一番外側の葉があまりきれいでなければ、はがしてからにしましょう。(小3分~大5分)

 

野菜の冷凍保存:まとめ

 

野菜は収穫後できるだけ早く使用するのが、味の面でも、栄養素の面でも、いいにこしたことはありません。でも、大量に取得した場合は、室温や常温では確実に劣化していきます。

その点、冷凍保存は、新鮮さが失われるような感覚にとらわれがちですが、実は、新鮮さを保ってくれる優れた保存方法なのです。

 

それに、余裕のあるときに、皮をむいたり切ったりといった、下ごしらえまでできている状態で保存しているので、いざ使うときには、さっと調理を始められる便利さもあります。

十分スペースのある冷凍庫があれば、新鮮なうちに野菜の冷凍保存をして、栄養価の高い食品として摂取したいですね。

 

なお、全般的な冷凍保存の小分けについても解説しているページがあるので、そちらも参考になさってください。

 

関連記事:野菜の冷蔵保存を考える。それぞれの性質に合った方法とは?