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ヨーロッパの伝統のお菓子についてまとめてみます。
これまで、別のページで、イギリス、イタリア、ドイツ、フランスのお菓子については、それぞれ単独に取り上げてきましたが、ヨーロッパの他の国々で、受け継がれてきた伝統菓子の数々を挙げていきます。
耳にしただけで、まだまだ食べていない美味しそうなお菓子が一杯あります。国別で50音順に並べていくことにします。
ヨーロッパの伝統的なお菓子
<オーストリア>Austria
Sachertorte(ザッハ・トルテ)が一番有名でしょうね。一番初めに食べたのは、ドイツから来られたお客様がお土産に持ってこられた物で、木箱に入った濃厚なチョコレートケーキ、という印象がありました。
ウィーンのホテル・ザッハで提供されるものが、元祖ザッハ・トルテになりますが、後に王室御用達のケーキ店「デメル」も販売権を得ることになり、両方が名前を名乗ることを許されます。ただし、オリジナルはやはりザッハのみ。
リッチなチョコレートバターケーキにジャムを塗り、チョコレートコーティングした、チョコレートケーキの王様とも呼ばれているケーキです。今では、世界中で似通ったレシピを元にバリエーションが作られています。
泡立てたクリームと一緒にいただくと美味です。
<オランダ>Holland
Stroopwafel(ストロープワッフル)は、クリームを挟んだワッフルクッキーのことで、シロップを塗って焼き上げます。普通は直径5cmくらいですが、もっと大きいものも作られることがあります。
オランダでの伝統的な食べ方としては、このストロープワッフルをコーヒー・カップの上に置いて休ませ、シロップが溶けてからいただくのが美味しいとか。
日本には専門店もできているようですね。アメリカではスーパーやドラッグストアでも、袋入りで売っています。スタバにも似たようなのが個別包装で売っていました。
<ギリシャ>Greece
Loukoumades(ルクマデス)はギリシャの伝統的なドーナツ菓子です。店によって形は違い、一般的な穴あきもあれば、屋台に似合いそうなボール状もあります。蜂蜜とシナモンをかけて食べるとおいしくなります。
<スウェーデン>Sweden
Saffranspannkaka(サフランスパンカーカ)は、スウェーデンの海に浮かぶゴットランド島発祥の伝統的なお米の菓子で、名前にある通り、サフランを使って黄色く仕上げます。
泡立てたクリームやジャムと一緒にいただきます。
<スペイン>Spain
Churros(チュロス)はアメリカでは、コストコのスタンドで定番菓子になっています。スペインで生まれたとも、ポルトガルで生まれたとも言われています。
星形の絞り器に入れて長く押し出した生地を揚げたもので、シナモンシュガーや蜂蜜がかかった、甘いスナック菓子です。よく冷凍でも売っています。ホットチョコレートに浸けて食べる人も多いです。
<チェコ>Czech Republic
Ovocne knedliky(オボツネー・クネドリーキ)は、わかりやすく言うと、果物入りの団子(あるいは蒸しパン)といった感じのお菓子です。生クリームに、バターや粉糖、チーズなどをかけていただきます。
<デンマーク>Denmark
Aebleskiver(エイブルスキーバー)という、りんごが入ったボールのようなパンケーキがあります。たこ焼き器の半球形を少し大きくしたような鉄製の型で焼きます。
ポップオーバーのようなとてもフワフワした感じで、それ自体はあまり甘くないので、粉砂糖やジャム、ベリーのソースやシロップなどをかけて食べます。クリスマスの前にいただくのが伝統的な食べ方です。
<ハンガリー>Hungary
Beigli(ベイグリ)は、ハンガリーの伝統的なクリスマス菓子です。イースト入りの生地に、ポピーシードや胡桃のペーストをはさんで巻いたロールケーキ。保存がきくので、何本か買ってお正月まで持たせる人も多いです。
Chimney Cake(チムニーケーキ)を作っている所を、アメリカで初めて見ました。ファーマーズ・マーケットで実演をしながら売っていたのですが、中身が空洞になったパンで、棒に巻き付けてくるくる回して焼いていました。
焼き上がるとすぐに、表面にいろんなトッピングをかけていきます。私はココアパウダーとココナッツフレークを試しましたが、どちらもおいしかったです。
<ポーランド>Poland
Sekacz(シャコティス)は、ドイツのバウムクーヘンにとげとげをつけたようなお菓子で、リトアニアでは、Sakotis(サコティス)と呼ばれています。
バウムクーヘンのしっとり感はないものの、結婚式の披露宴を飾るときには、巨大なシャコティスが作られたりする、伝統のあるお菓子です。
<ポルトガル>Portugal
Pasteis de nata(パスティス・デ・ナタ)は、皆が呼んでいる「エッグタルト」の元祖のような、カスタード入りクリームタルトです。
リスボンにあるベレン地区の修道院で発明されたと言われています。材料はシンプルなものの、製法にはこだわりがあり、パイ生地を丸めて切ったものを独特の手法で焼いていきます。
後にマカオに伝わり、幅広く販売されるようになったので、今では中国系や、台湾系の菓子店でも定番になっていますが、本家本元はポルトガルです。
<ルーマニア>Romania
Papanasi(パパナッシュ)はチーズの入った生地をドーナツ状に揚げたお菓子です。揚げたてに、サワークリームやジャムを垂らしていただくとおいしく食べられます。
何だか世界旅行をした気分になりませんでしたか?
私もまだ全部食べてないのですが、中には自宅でも簡単に作れそうなものもあるので、今度また機会があったら挑戦してみようと思います。