食品の豆知識について説明します。別カテゴリーでは、「食材」という形で、
料理の一部になる素材を取り上げていますが、このページでは、単独でも食べ物
として口に入るものに関しての情報をまとめています。
アメリカの食料品店で購入できるものを中心に、どんな材料を使って料理をして
いるのか、レシピによってどのように使い分けをしているのかなどの、食品の
豆知識になります。
中には日本で手に入りにくいものもあるかと思います。また市場にある物でも、
アメリカでは呼び名が違っていたりすることもあるので、知っておくと誤解が
少なくてすみます。
私がアメリカに来て初めのころ、まず驚いたのは、一部の野菜の大きさでした。
茄子にしても胡瓜にしても、そのバカでかいこと! マッシュルームも、ポート
ベロのようなサイズは日本では食べたことがありませんでした。
日本でマッシュルームと呼んでいるものは、アメリカでは日常よく使う特定の
種類のキノコをさすのですが、英語の意味は茸類全体のことを言っているので、
そのあたりも食品の豆知識があると、誤解が生じませんね。
私は辛いものが好きなので、よくチリペッパーも使いますが、これも様々な種類
があります。日本ではシシトウくらいしか食べませんでしたが、こちらでは似た
ものがいろいろあるので、よく調べてから買い物に行かないといけません。
しっかりしたスーパーであれば、必ずその食品のすぐそばに名前が記されている
ので間違うことはないのですが、大雑把な店だと、表示の仕方が曖昧で、自分の
中で食品の豆知識がないと、うっかり激辛を買ってしまって大変なことになります。
果物に関して言えば、ひいき目かもわかりませんが、味は日本に軍配が上がると
思います。でも種類の多さでは、やはり広大な土地を利用して、多様な気候の
下でフルーツを育てられる環境にあるアメリカが、断然優位に立ちます。
ベリーの種類に至っては、その微妙なかけ合わせから、未だに耳にしたことの
ない名前が数多く存在します。毎年夏に各地で行われるファーマーズ・マー
ケットに行くといつも新しい発見がありますから。
各州によって、もちろん収穫できる果物の種類が違ってきますが、特にフルーツ
がたくさん採れるカリフォルニア州では、農家を守るために他州からの持ち込み
を禁止しているので、ドライブで州の境を超えるときに車に積んでいると没収
されます。
法的な食品の豆知識もあると、車中にまだ食べかけのフルーツがあった場合、
ボーダーに着く直前に急いで食べ切ってしまうこともできます。車の中に
プンプン果物の香りがしても、ルール違反にはなりませんからね。
アメリカでは魚よりも肉食が多いことは容易に想像できると思いますが、一体
どんな種類の肉が普通に手に入ると思われますか?
私が日本にいたときに食べたのは、ざっと言って牛、豚、羊、馬、鯨、鶏、鴨、
カタツムリくらいでしたが、こちらに来てからは、すぐに思い浮かぶものだけ
でも、猪、鹿、エルク、バッファロー(バイソン)、ダチョウ、兎、蛙などが
あります。
ウサギさんは、食べたことがなかったので一度だけ試してみましたが、チキン
とほぼ変わらず、以後ペットのイメージから離れがたいので口にしていません。
蛙は自ら好んで食べたくはなかったのですが、結婚当初、義理の母の家で、
缶詰に入った足があり、食べず嫌いはダメだからと言われ、恐る恐る口にしま
した。それっきりです。
魚はもちろん日本の市場の方が種類はたくさんありますが、アメリカでは一匹
丸々、元の姿で売っているところは、特殊なマーケットを除いてはあまりあり
ません。
というのも、こちらで販売している魚類は、やはり大きいものが多いので、
少なくとも3枚におろした後の切り身が大体並んでいます。西海岸に住んで
いると、鮭の種類が豊富で、採れる場所によっていろんな名前がついています。
ただ、魚に関しては、ときどき水銀汚染であるとか、一定の場所から捕獲された
もので一時的に危険なこともあるので、最新の食品ニュースには、常にアンテナ
を張っておく必要があります。
あと、パーティー用の食事や、デコレーションに凝ったデザートなどでは、
よく食用花を使うことがあります。毒キノコほど怖くはないものの、やはり
口の中に入れても安全なものを選ぶ知識が必要です。
自宅の庭で簡単に育てられるものも多いので、食品の豆知識があると、食卓を
豪華に彩ることができますね。
最後に気をつけたいこととしては、お客様をディナーやパーティーに呼ぶとき
には、事前の調査というと大げさですが、ゲストの宗教上の規制も考慮しないと
良いホステスとは言えません。
特定の宗教によっては、牛肉や豚肉、また貝類などを食べることが禁止されて
いるので、前もってその方のバックグラウンドをそれとなく聞いておくといい
ですね。
また、ペットラバーとしては、犬や猫に与えてはいけない食べ物もあるので、
家族の一員として大切に育てるには、細心の注意が必要です。
食品の豆知識があると、料理を通して、健康で楽しい食生活を送ることができる
と思うので、是非ご家庭でも役立ててください。