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アラスカで有名な食べ物と言えば、筆頭に上がるのは、やっぱりシーフードですね。
新鮮な海の幸に加えて、ちょっと変わった肉類も。それに果物、特にベリーの種類が豊富にあります。
デザートにもアラスカ特有の物があるので、お土産類も含めて、有名な食べ物を探っていきま~す♪
アラスカで有名な食べ物
魚介類
・サーモン(鮭)
アラスカで獲れる鮭の種類は、大きく分けて5つあります。
“Chinook Salmon” or “King Salmon” (キングサーモン)
“Chum Salmon” or “Dog Salmon” (シロザケ)
“Coho Salmon” or “Silver Salmon” (シルバーサーモン)
“Pink Salmon” or “Humpy Salmon” (ピンクサーモン)
“Sockeye Salmon” or “Red Salmon” (ベニザケ)
太平洋側で獲れる鮭の中で一番大きいキングサーモンは、その名の通り、鮭の中では王様的存在です。レストランのメニューでも、キングサーモンを使っているときは、明記しています。
でも、改めて日本語名は何かなと思って調べてみると、「マスノスケ」という名前が付いていたんですね。これはちょっとイメージが違いました。まるで洋画のタイトルが邦題になると、ズッコケるみたいな感じ。
特徴としては、口や歯茎に当たるラインが黒くて、尾っぽの両側に黒い斑点があることです。良質の脂肪酸を豊富に含んでしっかりした味なので、グリルとかで本来持っている味を楽しむのがベストです。
これに対し、「シロザケ」の口や歯茎のラインは白くなっていて、体の両側にやや深い緑や紫色をした、光沢のある帯が見受けられます。やや脂肪分が少なく乾き気味なので、ソースを工夫するといいと思います。
産卵期のサケは、たいてい体全体がピンク色から朱色になるのですが、「シルバーサーモン」はその時期かなりはっきりした赤色になります。口元は濃い灰色ですが、歯茎の辺りは白いです。燻製になることが多い鮭です。
ピンクサーモンの日本名は「カラフトマス」。英語名の別の呼び方が、”humpy”となっているのは、産卵期になると、外から見てもわかるくらいのコブが背中にできるからなんです。
口は白くて歯茎は黒いです。5種類のサーモンの中では、体は一番小さく、パシフィックサーモンの中では、一番よく獲れます。味は軽くてマイルドです。
「ベニザケ」は、名前に紅が付いているのでわかりやすいですが、産卵期には体が真っ赤になり、身の方も濃い赤色をしています。風味豊かでオメガ3脂肪酸も豊富です。
この中でも、特にアラスカの “Copper River” で獲れるサーモンが有名で、一般の種類よりも値が張る分、とても美味しいです。
私はワシントン州に住んでいるので、アラスカとは比較的近いため、スーパーに並ぶサーモンでも十分美味しいのですが、以前にアラスカの水産会社から直送で届いたサケを食べた時は、さすがに違いを実感しました。
アメリカ東海岸で人気のチャウダーは、クラム(貝)中心ですが、アラスカのチャウダーと言えば、スモークサーモン入り。本場のサーモンで作ったチャウダーはお勧めです。
・クラブ(蟹)
アラスカの蟹と言えば、あのでっかいキングクラブ。飛び切り大きいものになると、足から足まで広げたサイズが大人の男性の身長ほどにもなるとか。
でも一口にキングクラブと言っても、十数種類もあると聞いています。中でもアラスカで有名なのは、
“Golden King Crab”
“Red King Crab”
“Blue King Crab”の3つ。
ワシントン州に住んでいると、簡単な許可証をもらえば、捕獲制限付きで、個人でも普通のボートに乗って、美味しい“Dungeness Crab”がたくさん獲れるのですが、キングクラブとなると、そうはいきません。
そもそも、海岸線から300km以上離れたところで、海面から少なくとも50m潜った所でないと、キングクラブはいないのです。ゴールデンクラブになると、その8倍も深い所にいるそうです。
で、この3つの中で一番でかくて美味しいのは、レッドキングクラブ(タラバガニ)。本体はアラスカで処理されて、その他の地域に出てくるのは、例の太くて長い脚の部分だけ。
・ハリバット(オヒョウ)
キングサーモンやキングクラブとほぼ同等の値打ちがあるのが、“Halibut”。人間の身長と体重とほぼ同じくらいある大きな魚。味はマイルドで、どちらかと言えば甘め。
需要が供給に追いつかないのか、値段は牛ヒレステーキと同じくらい。自由自在に味付けができ、もっとも贅沢な料理と言えば、蟹の身をハーブやチーズと一緒に中に詰めていただく方法。
・海老
アラスカでなくとも、海老はどこでも獲れるのですが、アラスカ州産の物は、たいてい体にストライプかスポットがあるものが多いです。中には、“humpy” と言って、よく見ると確かに背中がこんもりしているのもあります。
一番のおすすめは、“spot shrimp (prawn)” で、この種類はアラスカ産の中でも体が大きく、俗にアラスカのロブスターと呼ばれています。カロリーと塩分控えで、たんぱく質やカルシウムが豊富なうれしい海老です。
肉類
・牛系
アラスカのコッパーリバーのサーモンも有名な食べ物ですが、この周辺の渓谷に位置する牧場では、あの毛足の長い “yak” が主流。日本語でもそのまま、ヤクとかヤックと呼んでるみたいですね。
元々、チベットやヒマラヤ地域の海抜が高く、空気が薄い所で生息しているものなので、アラスカの厳しい寒さにも適合できるんですね。何せ、ヤクの肺は普通の牛の3倍はあるそうです。(コロナにも強そう!)
私はまだ食べたことがないのですが、鶏肉と比べると、意外にも脂肪分が半分なのに、たんぱく質は倍量あるという、ダイエットにはうれしい肉のようです。いつの日かヤック・バーガーを食べてみたいです。
・鹿系
シカの英語は “deer” って覚えていると思うんですけど、実際にはいろんな種類があるんですよね。アラスカで有名なのは次の3つです。
“Caribou” (カリブー)
“Moose” (ムース)
“Reindeer” (トナカイ)
カリブーは北米に生息し、アメリカの中で最も人口密度の少ないアラスカでは、人間の数よりもカリブーの方が多いのだとか。食べたことはありませんが、子牛肉に近い味だそうで、現地ではチリコンカンにもよく使われます。
ムースは、私が住むシアトルマリナーズ(野球チーム)のマスコットなので、食べるのがはばかられますが、脂肪分がとても少ないので、ステーキを食べても罪の意識が低くて済むかも、です。
トナカイも、同じく物語の中だけにとどめておきたいですね。でもアラスカでは、トナカイさんのホットドッグが人気のストリート・フードだそうです。クリスマスシーズンは控えたいですね。
・番外編
アラスカで有名な食べ物を語るときに、エスキモーの食事を無視するわけにはいきません。
“Muktuk” (マクタック)という、主に北極クジラの皮と皮下脂肪を、そのまま食べたり揚げたりしたものが、原住民の伝統的な食事なんですね。
でも注意が必要なのは、これを一般市民が売り買いするのは違法だそうです。絶滅危惧種に指定されている関係上、原住民にだけ許される特権なのです。
もっとも、私は大阪出身で、母が「おでん(関東煮)」の中でも好きだった「コロ(鯨)」は大嫌いだったので、よかったかなと。食べた人によっては、ココナッツの風味があるそうなんですが。
果物類
・ベリー
アラスカには、野生のベリーがたくさん生息しています。特にブルーベリーは代表的ですが、他にもベリーと名の付くものが多くあるので、有名なものをアルファベット順に挙げておきます。
“Alaskan Blueberry”
“Bunchberry”
“Cloudberry”
“Cranberry”
“Elderberry”
“Gooseberry”
“Huckleberry”
“Lingonberry”
“Nagoonberry”
“Salmonberry”
“Strawberry”
“Thimbleberry”
“Watermelonberry”
一般的なものは置いておいて、珍しいものだけ少し触れておくと、「バンチベリー」は写真で見る限り、柊の実のような小粒の赤い実です。「クラウドベリー」の収穫は遅く、薬草茶にも使われます。
「ナグーンベリー」は湿った牧草地で咲いている、あまり数多くない種類です。「サーモンベリー」は丘陵の日当たりがよく、なおかつ雨量の多い所で初夏に収穫されます。
「シィンブルベリー」はほぼラズベリーに似ています。「ウォーターメロンベリー」は風味が西瓜に似ているので、この名前が付いたようです。軸も食べることができて、胡瓜に似た味だそうです。
なお、どのベリーも、その物だけの名前なのですが、ブルーベリーだけ、“Alaskan Blueberry” となっていますよね。
これは特にアラスカに生息する野生のブルーベリーを指し、通常より小粒で甘酸っぱく、抗酸化物質がより多く含まれている種類なので、生で食べるのがベストですね。
デザート類
アラスカのエスキモーの有名な食べ物が、もう1つあります。それは、“Akutaqu” と呼ばれるアイスクリームのことです。使われる食材の組合せが何とも言えません!!
デザートながら、カリブーとかの鹿や熊、又はアザラシなどの動物の脂肪に、鯨の油やショートニングを加えて、根菜類や押しつぶしたベリーで味付ける感じ。私は遠慮しておきます♪
アラスカの有名な土産物
食べ物関連で有名なお土産としては、「アラスカサーモン」の他に、“Birch Syrup” はいかがでしょうか。カナダにメープルシロップがあるように、アラスカには「バーチ(樺の木)シロップ」があります。
アラスカでなくとも、この形は人気なのですが、やはり本家本元の “Bear Claws”、熊の手の形をしたサラダのサービング・ツール。同じ木の素材を使ったボウルと一緒だともっと豪華になりますね。
木のボウルと言えば、“Burl Bowl” もありますが、この木のコブでできた「バールボウル」の方は希少価値で高価なので、どちらかというと観賞用ですね。
最後に、極めつけは、“Moose Nugget”。食べ物ではないのですが、この飾り、伝統的には、ムースの本物のウ〇コで作るそうです。そうでなければ、チョコレートとか焼き菓子を硬くした物でできています。
こうしてみると、アラスカの有名な食べ物にはユニークなものがありましたね。特にエスキモーが、その生活の知恵から編み出した食べ物を、他の地域で探すことは難しいです。
自然と共生しているアラスカならではの食材が手に入る限り、いろいろ料理に生かしていきたいと思います。(中にはパスしたいものもありましたけど♪)
アラスカは、海外からアメリカに来る時の経由地になったりするので、空港でも買ったり食べたりできる物があれば、ぜひトライしてみてくださいね。