この記事は約 18 分で読めます。
英語で書かれた料理のレシピ本が、一体家に何冊くらいあるのか、数えたこともないくらいたくさんあります。
アメリカの親戚からもらったものや、ブックセールで見つけたものから、どうしても欲しくて買ったものまで、とにかく料理本だけで本箱が1つ埋まっています。
その中でも、実際に料理のレシピを試したことのある単行本の中から、役に立ちそうなものを選んで、代表的なものを分野別に整理してみました。
レシピ本以外の、料理全般に対する知識を解説した英語の本に関しては、「料理本の洋書」ページで紹介していますので、参考になさってください。
英語で料理:メインディッシュのレシピ本
<肉・魚のレシピ本>
“Chicken Breast Cookbook” by Melanie Barnard and Brooke Dojny
私は、鶏肉を使う料理では、できるだけ脂肪分の少ないところを料理したいので、たいてい胸肉かささみになります。これは、その胸肉に特化した珍しいレシピ本です。
副題には、“5 ingredients in 10 minutes or less”とあり、準備する材料はたった5種類で、10分以内にできてしまう料理、ということになっています。忙しい方にもうれしい味方ですね♪
“Seafood Twice a Week” by Evie Hansen & Cindy Snyder
「魚類を週に2回は食べましょう。」というコンセプトですが、これはアメリカ人向けの話で、日本人にとっては、当たり前の感覚ですよね。
レシピ以外にも、種々の魚を一覧表にして、オメガ3やたんぱく質などの栄養素の数値を比較したり、魚介類を扱う際の注意点をまとめてあったりして、参考になります。
“Fisherman’s Wharf Cookbook”
フィッシャーマンズワーフと言えば、カリフォルニア州サンフランシスコにあるシーフードのメッカ。
そこが出しているレシピ本とあれば、ページをめくると魚介類の香りがしてきそうなもの。やや古い出版ですが、クラシックなシーフードレシピが楽しめます。
“Saucing the Fish” by Shirley King
今は亡き義理の母からもらった英語のレシピ本です。母はとても料理が上手だったので、色々教えてもらいたかったのですが、結婚して3年未満で他界しました。
副題に、“stylish fish dishes”とあるように、ちょっとひと手間かけて作る、魚料理のレシピ・コレクションになります。30年前の結婚当初は難しく感じましたが、今は大丈夫です。
“Seafood” by Cooking with Bon Appetit series
“Bon Appetit”という有名な料理雑誌があるのですが、そこに掲載されたシーフードレシピばかりを集めた本になります。
雑誌そのものがグルメの料理雑誌なので、あまりシンプルなレシピは載っていません。
<パスタのレシピ本>
“The Pasta Bible” by Jeni Wright
パスタは子どもから大人まで人気の料理ですよね。主人も大好きなので、パスタ料理を出すと喜びます。
この本は、タイトルからわかるように、単なるレシピ本ではありません。パスタの全てがわかる、と言えば大袈裟ですが、麺の種類から、パスタ料理に使う器具類、また自家製パスタの作り方にも触れています。
親切に、料理のステップごとの写真も載っているので、作り方はわかりやすいのですが、難点は、英語の文字が小さいこと。やや目が疲れます。
“The New Pasta” by Joanne Glynn
決して最近の出版ではないのですが、パスタ料理の新しい調理法という感覚で、このタイトルが付いたのだと思います。
最後の方には、パスタ系デザートレシピも載っています。
“Cold Pasta” by James McNair
日本にいると、夏には冷やそうめんとか冷麺を食べたくなりますが、洋風パスタにも冷たくして食べるレシピは色々あります。
豊富な種類のパスタサラダは、夏のバーベキューパーティーとかのポットラックにはもってこいです。
<レストランレシピの本>
“Favorite Restaurant Recipes” by Bon Appetit
人気の料理雑誌 “Bon Appetit”が集めた、北米を中心にしたレストランの、公開レシピが載っている本です。
旅行したときに、各地で有名レストランを回るのって、楽しいですよね。中には、この味はどうすれば出せるんだろうと、マネしたくなるものが多くあります。
そんな好奇心を満たしてくれるのが、このレシピ本です。ただ、実物写真が一切載ってないのは、少々寂しいです。
“Seattle Restaurant Recipes”
シアトルに来てまだ間がない頃は、年に1回夏にある”Bite of Seattle”というフードフェスティバルで、普段行けないようなレストランが出しているブースで試食するのが楽しみでした。
そして、会場で提供されていた主なプレートのレシピ本が出されるので、初めは毎年のように買っていました。
でも、今では自分でもいろんな料理ができるようになったので、何も珍しくはなくなりました。でもいま改めてページをめくってみると、いくつか既になくなっているレストランもあり、時の流れを感じます。
“Ray’s Boathouse”
シアトルにも、良いレストランがたくさんありますが、このレイズボートハウスも有名なレストランで、特にシーフード料理が評判です。
かつて友人がキッチンを手伝っていたこともあり、このレシピ本を入手しました。ノースウェスト近海で採れる魚介類を扱ったレシピは、まだまだ挑戦中です。
<おもてなしレシピの本>
“Cooking for Company” by Winifred Green Cheney
このタイトルにあるカンパニーというのは、会社のことではなく、仲間とか人々のグループを指していて、つまり誰かを招待してパーティーを行うときに、どんなメニューを組み立てればいいのかを教えてくれる本です。
いろんなシチュエーションを考えて、肉が好きな人の集まりや、逆にベジタリアンのディナーであるとか、ビーチや公園で行うピクニックスタイルのものや、少人数の場合から、大人数のためのパーティーまでセットできるレシピ本です。
“Good Friends, Great Dinners” by Susan Costner
このレシピ本では、それぞれの季節にふさわしい素材を扱ってメニューを組んでいて、比較的カジュアルなスタイルのパーティーを想定したものです。
うれしいのは、各セットメニューの最初に、当日のパーティー準備の手順を大まかに示してくれて、ゲストが来る前にはどういう順番で何から用意して、お客様が到着すると何を出して、ということまで教えてくれるところです。
“Cooking with Flowers” by Jenny Leggatt
食用花にはいろいろありますが、さてどんな種類の花をどのように飾っていいものか、迷うところですよね。
この本は、行事の時期や料理の種類によって、花の使い方を分けていて、写真を見ることで、たとえ同じ花が見つからなくとも、飾りつけのアイデアを応用できたりします。
“The Romance of Food” by Barbara Cartland
正直言って、もうロマンス云々という年ではないのですが、たとえば年に1回やって来る記念日であるとか、また喧嘩した後の食事などに使えるのではと、思います。
特別なレシピということではないものの、食材の使い方や飾りつけで、全体の印象を変えることができますからね。
<英語圏以外のレシピ本>
“Delightful Thai Cooking” by Eng Tie Ang
タイ料理は大好きだし、シアトルにはタイ料理の店があちこちにあるので、家で作るよりは、レストランに行って食べる方が多いです。
このレシピ本には写真が全くないので、最後までどんな仕上がりになるのか想像するしかないのですが、どれも作り方は短くまとめてあるので、時間はかからないと思います。
“Mexican Cookbook” by Sunset
メキシカンのレストランも、至る所に大小織り交ぜ存在しています。ブリト―タイプのトルティアのラップ商品なら、どの食料品店でも見つけることができます。
日本の手巻き寿司パーティーの感覚で、タコスパーティーもできるし、この本に載っているレシピはどれも短くて、簡単に作れそうなものばかりです。
英語で料理:サイドディッシュのレシピ本
<前菜のレシピ本>
“The Book of Appetizers” by June Budgen
縦長のスマートなレシピ本です。この本はパターンが決まっていて、どのレシピのページも、一番上には完成写真、そして作り方の横には、それぞれ3枚の工程写真があり、とても見やすくなっています。
全体の構成としては、素材別になっているので、使いたい食材で選べることでも、使い勝手がいいですね。
“Appetizers” by Cooking with Bon Appetit series
Bon Appetitシリーズのアペタイザー編です。出来上がりの写真は少ないのですが、やはり元になっているのがグルメ雑誌なので、手の込んだものが載っています。
レシピのみならず、前菜の飾りつけや、使用している容器なども、パーティーの際のアイデアとして、参考になるものがあります。
“The Big Beautiful Book of Hors D’oeuvres” by Julia Weinberg
アメリカのブックセールで見つけた本なので、かなり古く、写真も限られていますが、それを補うためにも、要所要所に、わかりやすいイラストが載っています。
写真に慣れてしまうと、逆に、このイラストタッチが新鮮に感じられ、色合いや微妙なタッチは、自分次第なので、想像力を掻き立てられます。
<スープのレシピ本>
“Perfect Soup” by Anne Willan
このレシピ本の写真の豊富さは群を抜いていますね。完成写真はもちろんのこと、作っている途中の写真が、包丁さばきから混ぜ合わせ方まで、逐一載っているのです。
また、どのレシピのページにも、使用する器具の種類までリストアップしてくれているので、初心者にとても優しいつくりになっています♪
“The Complete Book of Soups and Stews” by Bernard Clayton, Jr.
やや古い本で、写真が一切ないのはつらいところですが、何にでも、いいところはあるものです。
この本の特徴は、レシピの説明文中にも所要時間は書いているものの、左端に、更にタイムラインを作って、ゆで時間や炒める時間、オーブンでの焼き時間などが詳細に記されているのです。
私が時々する失敗があります。いつも新しレシピに挑戦するので、最後までよく読まずに始めてしまうと、途中まで来て、「これを2時間冷蔵する」とかいう文句にぶつかることがあります。
それでは夕飯に間に合いませんよね。この本だと、そんな失敗は防げそうです。
“The Best Recipe: Soups & Stews” by the editors of Cook’s Illustrated magazine
“Cook’s Illustrated”は、私が今でも定期購読している、お気に入りの料理雑誌なので、何度もテストされたレシピが載っていることは知っています。
失敗の少ないレシピ本であることは確かですが、やや説明が長くなる傾向にあるので、何でもささっと作れるタイプではなさそうです。
<野菜・果物のレシピ本>
“Salads” by James McNair’s
薄いシンプルなレシピ本ですが、見開きの1ページに材料と作り方、もう片方のページに大きい完成写真が載っていて、見やすくなっています。
特にサラダの中での区分けはなく、最後の方にドレッシングとトッピングのレシピが数ページあります。
“Corn Cookbook” by James McNair’s
アメリカの州をまたいでドライブしていると、とてつもなくだだっ広いコーン・フィールドに出くわすことがあります。アメリカを感じさせる一瞬です。
ご存知のように、トウモロコシは主要農産物の1つなので、春の終わりごろになると店頭に新鮮なコーンが並び、真夏のピーク時には1つ10セントくらいで買えるときもあるくらいです。
蒸したり焼いたりして、素のまま食べるのが一番おいしいと思いますが、時々サイド・ディッシュとして、手をかけて作るときに便利な本です。
“Potato Cookbook” by James McNair’s
ポテトも言うまでもなく、アメリカを代表する農産物ですね。夕食時に、日本のご飯のように毎回出てきてもおかしくない食材です。
最初の数ページには、ポテトの全般的な解説があり、後は、料理のスタイル、つまり、ゆでたり蒸したり、炒めたり焼いたり、というような見出しで分かれています。
“potato”のレシピ本なので、ジャガイモのほか、サツマイモのレシピも少し載っています。
<チーズのレシピ本>
“Philadelphia Cream Cheese Cookbook” by Kraft
クリームチーズ・メーカーの王御所、フィラデルフィア・ブランドが出しているクリームチーズに特化したレシピ本です。
その使い方は、オードブルからメインやサイド・ディッシュ、デザートに至るまで各種様々です。買い置きしておいたクリームチーズが期限切れ間近になると、この本に頼っていました。
“The Cheese Lover’s Cookbook & Guide”
本のタイトルにあるように、単なるレシピ本ではなく、チーズ愛好家のガイドブックにもなっているので、チーズの背景にある知識や、栄養に関する話、選び方から、果ては自宅でのチーズの作り方まで載っています。
レシピ部分では、どんな食材と一緒に使うか、また食事のカテゴリーによって分かれていて、多種多様な使い方が学べますが、写真はあまり載っていません。
“The Fondue Cookbook” by Hamlyn
フォンデュー・ディナーと言えば、初めは高級感漂う料理で、レストランで食べるイメージしかなかたのですが、フォンデュー鍋があって、フォンデュー用のチーズパックを買ってくれば、自宅で簡単に楽しめます。
むしろ、一から何品も料理したくないときには、日本の焼き肉の感覚のように、とにかく材料を切って並べておけば、各自でフォンデュー鍋に好きなものを浸けて食べればいいわけで、楽チンそのものです。
でも、パックに入ったチーズではなく、フォンデューソースを一から作りたいときには、この本が役に立ちます。
ちなみに、もう少しでいい忘れるところでしたが、このレシピ本は、「フォンデューの本」なので、チーズ以外の、チョコレート・フォンデューとかのデザート・レシピも載っていますよ♪
私の料理本専用本棚を見渡して、英語で書かれた単行本の中から、主なレシピ本を分野別に解説してみました。
これ以外にも、薄い本や小さい本、調理器具を買ったときについてくるレシピ本など、本棚の隙間には、もう忘れ去っているような本まで眠っています。
恐らく、というか完全に、私の残された人生の中で試しきれない量のレシピに囲まれていますが、時間を大切に、これからも新しい英語のレシピにチャレンジしていきます♪