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魚介料理の名前をいくつぐらい挙げられますか?
もちろん、世界の海には、聞いたこともないような名前の魚や貝類があるので、固有名詞を全て書き出すのは至難の業ですし、全てが安全に食べられるものかどうかもわかりません。
ここでは、個々の種類に触れるのではなく、魚介類を使った一定のスタイルに基づく料理の名前を探っていきたいと思います。
その前に言葉の定義ですが、ウィキペディアによると、「魚介類」というのは、「水産動物の総称」となっています。この「動物」の部分がミソで、本来、魚ではなく哺乳類の鯨も、「魚介類」に含まれるということです。
また、漢字一字の違いで、「魚貝類」と書くときもありますが、こちらはより狭い意味で、魚類と貝類になってしまいます。
「魚介」の「介」が意味するところは、甲羅を持つ動物の総称なので、厳密に言えば、私の大好きな軟体動物であるイカやタコは入らないのですが、一般的に「魚介類」と呼ぶときには、含まれることになります。
こういうとき、英語の「シーフード」という言葉が便利ですね。小難しく考えなくても、全ての水産物を指すわけですから。
さて、前置きが長くなりましたが、世界でよく調理されている魚介料理の名前を、英語のアルファベット順で整理してみました。
*魚介料理の名前*
【Acqua pazza】アクア・パッツァ
イタリア語で、「変わった水」という意味の名前が付いています。魚類と貝類、またはイカやタコを使って、トマトを加え、スープは使わずに水や白ワインで煮る料理のことです。
イタリア料理なので、オリーブオイルやイタリアンパセリも使って作ります。
【Bisque】ビスク
フランス料理の名前で、エビやカニの裏ごしをベースにしてじっくり煮込んだクリームスープです。フランス語で、「二度調理する」という意味から来ています。
有名レストランでは、ロブスターやオマール海老などの高級食材を使ったビスクに、結構なお値段がついていますが、家庭でも、海老やカニなどの甲殻類を扱ったときに殻を残して冷凍しておき、スープベースにすることができます。
ビスクにしないまでも、パスタソースとしてもいいダシが出ますよ。
【Ceviche】セビチェ
ペルーの伝統料理の名前で、魚介類をマリネしたものです。エスカベシュは、魚に火を通してからマリネしますが、セビチェは生の魚をマリネするので、新鮮な物に限ります。
エスカベシュの場合、魚一匹を丸々マリネすることもありますが、セビチェは大きいものだと、食べやすい大きさに切ってから、微塵切りの野菜類やハーブ類に、スパイスやオイルを加えて漬け込みます。
使われる食材は様々で、白身魚のほか、貝類や、海老・タコ・イカなども人気です。主菜というよりは、前菜やおつまみとして食されることが多いです。
【Cioppino】チョッピーノ
魚介料理というか、どちらかと言うと「海鮮料理」というイメージのチョッピーノは、元はと言えば、漁船の上で残り物を集めて作った、日本風に言えば、魚介類のちゃんこ鍋スープなのです。
英語の「チョップ」にも「刻む」という意味がありますが、とれたての魚や貝を刻んで、たっぷりのトマトと一緒に煮こんだスープ料理です。
アメリカにはイタリア系移民が数多くいて、イタリア人街もあちこちに存在しますが、特にサンフランシスコに入ってきたイタリアの漁師たちが広めた料理だと考えられています。
最初は、残り物でスタートしたかもわかりませんが、今では、太平洋で採れるダンジネスクラブや、帆立貝にハマグリといった、日本では高価な海産物が、ふんだんに盛り込まれた人気のスープです。
【Escabeche】エスカベシュ
一言で表現すると、「洋風の南蛮漬け」というと、わかりやすいかと思います。和風の南蛮漬けなら、すし酢を使いますが、この料理では、ワインビネガーや柑橘類のジュースをベースに、砂糖や塩を加えてマリネ液を作ります。
茹でたり、揚げたりした魚を、一晩マリネ液に浸けていただく地中海料理です。魚が一番よく使われますが、鶏肉を使うところもあるようです。
【Lox】ロックス
スモークサーモンの一種ですが、アメリカでは、通常の鮭の燻製は火を通したものを指し、コールドスモーク処理されたものは、「ロックス」と呼びます。
より生の鮭に近い食感で、クリームチーズと共にディルウィードなどを添えて、人気のベーグルに載せて食べたりします。
ロックスによく似たスカンジナビア料理に、【gravlax】グラブラックスという名前のものもあります。
【Meuniere】ムニエル
フランスの魚料理の調理法を表す名前です。
切り身に塩胡椒を施してから、小麦粉を全体にまぶし、バターソテーして、レモンを垂らして仕上げることが多いです。よくいただくのは、舌平目のムニエルですね。フランスのお料理教室でも出てきました。
【Poke】ポケ
ハワイ語で「切り身」を表すポケ料理は、アメリカ本土でも人気を博し、私の住む街でも、ポケ専門のレストランがあちこちにできています。
新鮮な魚介類を食べやすい大きさに切って、ごま油と醤油で和え、香辛料を加えた上、玉ねぎや海藻類と混ぜて、ご飯の上に載せると、「ポケ・ボウル」の出来上がりです。(アメリカ人は、「ポキ」と発音します。)
皆さんは、上記の名前の魚介料理を一通り、召し上がりましたか?
私が家で時々作るのは、チョッピーノです。使用する魚介類の食材によって、とても豪華なディナーになります。後は簡単なサラダを用意すればいいだけ。機会があったら、試してみてくださいね。