ウェディングケーキ:アメリカで祝う形や種類はどんなもの?

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ウェディングケーキには、アメリカでどんな形や種類があり、どのように手配されているのでしょうか?

日本の結婚式の形も、昔と随分違ってきているようですが、アメリカでも同様で、今の世代は、決してホテルの決まった形にとらわれず、屋外のワイナリーなども、人気の会場の1つになっています。

 

でもやはり、花嫁衣装もさることながら、ウェディングケーキも披露宴の花形だけに、皆の注目を集められて、なおかつ美味しいものが要求されるので、気を遣う準備に変わりはありません。

国によってスタイルも違ってきますが、ウェディングケーキも、華やかなアメリカではどんなものがあるのか、全般的な傾向と、私個人の体験からも、感想を交えながら、お話ししたいと思います。

 

ウェディングケーキの形と種類

<ケーキの形>

そもそも、ウェディングケーキを広める発端になったのは、イギリスで、最初は円い1段だったものが、19世紀後半のビクトリア時代に、王女の結婚式で、複数段の豪華なケーキが登場したのがきっかけのようです。

今でも、イギリスのロイヤル・ファミリーの動向は世界が注視していますよね。王女様が着た洋服で市販の物はすぐ売り切れになるし、若いジョージ王子のガウン姿もかわいすぎて、一般市民がこぞって買い付ける始末です♪

 

さて、話をウェディングケーキに戻すと、やはり一番多いのは3段の円形ですが、アメリカでは四角の段重ねもよくあります。

square wedding cake

created by Norman Davis
photo by Teresa Tarnoff
from American Cake Decorating Magazine

円形にせよ、角形にせよ、直接ケーキのサイズ違いを重ねるものと、間に柱のような物を立てて、空間を作りながら重ねていくものとに分かれます。

cake with pillars

created by Linda O.
photo by Objet D’Harte
from American Cake Decorating Magazine

もちろん、オリジナリティーを出そうと思えば、楕円形や花形でも重ねることができます。

実は私も、阪神大震災の年に、ウェディングケーキ・デビューをしました。別に地震とは関係ないのですが、アメリカにいても当然ながら、日本の大惨事の年にあった出来事はよく覚えているものです。

 

私が結婚した主人も、当時すでに42才でしたが、類は類を呼ぶというのか、友人にも同じ年代で独身者が多く、そのうちの一人が結婚することになったのです。

それで、子どものバースデーケーキのデコレーションを習い始めていた私が、結婚祝いの代わりに、手作りのウェディングケーキをプレゼントしようということになり、習った技術を駆使して、13時間かけて大作に挑みました。

 

当時はまだデジカメ時代の前で、フィルムで撮った写真を又撮って大きくしているので、かなりぼけていますが、冒頭のウェディングケーキ入刀シーンです。

cake cut by Pat & Cassie

苦労した甲斐があって、とても評判がよく、参加者にも、「これまで食べた中で、最高のケーキだったよ。」と誉めていただけました。以来、疲れて、二度と挑戦していません。

<ケーキのフレーバー>

日本では、スポンジケーキを生クリームで飾るのが、一番口当たりがよくて、受けが良いと思いますが、アメリカではバターケーキが主流です。

基本のバターケーキは大体バニラ味ですが、これにレモン風味を加えたり、好みでミント味にしたり、中身はチョコレートケーキにして、外側を白いフロスティングでカバーすることも可能です。

 

また、一層ではなく、間にベリーやアプリコットのジャムをはさんでいるものもあります。

確かに一種類のフレーバーだと、参加者の中にも好き嫌いがあるかもわかりませんしね。そこで、私の息子とお嫁さんは考えました。段重ねのケーキにする代わりに、数種類のフレーバーケーキを注文してテーブルに並べたのです。

マルチ・フレーバーのウェディングケーキ

ケーキカットには、お嫁さんが一番好きな、レッドベルベットケーキを使いました。切ったときに赤いスポンジが見えるのも、すごく見栄えが良かったです。

レッド・ベルベットの ウェディングケーキ

段重ねにしなかった最大の理由は、ケーキ屋さんと披露宴会場が、高速を走って2時間弱かかることと、果樹園を借りたため、大型の冷蔵庫が利用できなかった為なのですが、多種類のフレーバーがあると、選べる楽しみが増えました。

例えば、もっと人里離れたところで結婚式を挙げる場合は、フルーツケーキをシュガークラフトでカバーしたものであれば、長く持つので、選択肢に入れると良いです。

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<ケーキのデザイン>

別のページで、私の持っているケーキデコレーションの本を紹介していますが、雑誌も含め、それらのページをめくって見るだけでも、夢が膨らんで楽しくなってきます。

私が一番よく聞くウェディングケーキの大家は、コレット・ピーターズさんという人ですが、世の中には、本当にクリエイティブな方々が多いもので、雑誌によく載るコンテストの写真を見ると、オリジナリティーがあふれています。

 

私が購読している”American Cake Decorating”にも、時々アメリカのウェディングケーキの実例がよく載っているので、素晴らしい作品の写真を載せておきますね。

トラディショナルな白一色のウェディングケーキだと、

traditional wedding cake

created by Terry Stabler
from American Cake Decorating Magazine

ちょっとカラフルにしたいときには、

wedding cake with colorful flowers

created by Antoinette Hartmann
photo by Hartmann
from American Cake Decorating Magazine

花嫁が持つブーケを飾ったようなデザインもあります。

wedding cake with flower bouquet

created by Pam Swearingin
photo by Bob Martinko
from American Cake Decorating Magazine

また、可憐な花をシュガー・コーティングして飾る手もありです。

cake with crystallized flowers

created by Deborah Davis
photo by Objet D’Harte
from American Cake Decorating Magazine

大きさの違うウェディングケーキを重ねずに段違いに置くアイデアもあります。

separate wedding cakes

created by Pam Swearingin
from American Cake Decorating Magazine

ウェディングケーキの利用の仕方

皆さん、結婚披露宴で新郎新婦がナイフを入れるケーキは全て本物だと思われていますか?

日持ちの問題や、参加者に切り分けやすいかどうかの問題から、中には、ケーキカットする部分だけが本物で、後はデコイという場合もあるのです。

 

人数が多くて、数段のケーキを何十人、もしくは何百人に、均等に切り分けるのは、プロでも容易なことではありませんからね。

最後に1つ、この風習はやはりイギリスから伝わったようですが、アメリカにおいても、段になっているウェディングケーキの、一番上の小さい丸は、新郎新婦が記念に持ち帰ることが多いです。

 

どうするのかというと、翌日に食べるのではなく、1年待つのです。ホイルを何重にも巻いた上でジップロックに入れ、冷凍庫に寝かしておきます。私も、自分のときのケーキを残しました。

結婚1周年の記念日に解凍しましたが、そんなに味落ちすることなく、食べることができました。主人の友人夫婦も、私が作ったケーキを同様に保存し、アニバーサリーに楽しんでくれたようです。

 

ウェディングケーキは、アメリカではどのように扱われているのか、又どんな選択肢があるのか、実例も挙げて説明しました。

人が幸せになる儀式の場を飾るウェディングケーキ。想像するだけでも、顔がほころびます。

 

アメリカでは、このケーキの運搬が常にあちこちで行われているので、専門に作っている人は、車に、「ウェディングケーキ運搬中につき、ノロノロ運転♪」というスティッカーを貼って、運転しています。

私も一度だけ、ラベルを作って車の後ろに見えるようにしました。そうすると、速い人もイラつくことなく、追い越せばいいだけですからね。