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シチューの作り方のコツって、どんなところにあるのでしょうか?
やはり、シチュー作りに向いた鍋もあるし、具材にしても、シチューに適した材料の選び方があります。
そして、いざ作り始めると、どんな順番で調理していけばいいのか、時間はどのくらい要するのかなど、いろんなコツをおさえてたっぷり作っておけば、寒い冬の季節に何日も楽しむことができます。
というわけで、シチューの作り方のコツを、機材、具材、目安となる調理時間、及び料理の手順といった観点別にまとめてみました。
シチューの作るための道具選び
シチューを美味しく作るためには、やはり長時間の煮込みに適した鍋があります。私のおすすめはダッチオーブンです。
ルクルーゼが一番人気ですが、同じ目的を果たす似通ったものがあるので、まだお持ちでなければ、好みと予算に応じて選んでみてください。
お玉はどの家庭にでもあると思いますが、もう1つほしい道具は、耐熱性のゴムべらです。
ダッチオーブンは高価な器具なので、できるだけ大切に長持ちさせたいです。金属のへらだと鍋肌を傷つけてしまいます。普通のゴムベラだと鍋底をさらうときに溶ける可能性があるので危ないです。
熱に強いシリコン製のものだと、調理中に鍋の隅々まで確認しながら混ぜることができるので、とても便利です。
シチューの具材の選び方
魚介類は、肉類と違って、特にどの部位を使うかという区別がほとんどないので、ここでの具材は肉類に関してのヒントになります。
牛肉は、ステーキにする場合はテンダーロインと行きたいところですが、シチューは長時間煮込むことになるので、ある程度脂肪があり、しっかりした身の部分ということで、肩ロース”chuck eye”がおすすめです。
豚肉は、元来安価で栄養価のあるので、もっぱらヒレ肉をよく使いますが、やはりシチューにするには、肩ロース”pork shoulder”or”pork butt”が、同様の理由で向いています。
羊肉は、アメリカでも肩ロースはなかなかないので、代わりに、”round-bone chop”や”blade chop”を選ぶといいです。
鶏肉は、骨付きもも肉を使うと、煮込んでいる間にほどよいだしも出て、脂肪部分がスープにコクを添えてくれます。
シチューの具材別調理時間
レシピを見ながら作るのであれば、自分で考える必要もないのですが、応用的な作り方をするときには、主な具材による調理時間の目安を、ある程度把握しておくと役に立ちます。
<肉類>
肉類(3cm以内の塊)---2~2時間半
肉類(3~4cmの塊)---2時間半~3時間
鶏モモ肉----------半時間~1時間
<野菜類>
ジャガイモ・サツマイモ・人参など---1時間
インゲン豆・パプリカ---------45分
その他緑黄色野菜-----------30分
冷凍野菜---------------20分
シチューのコツ:作り方の手順
・具材をできるだけ均一の大きさに切る
スーパーマーケットに行くと、シチュー肉用に、すでに切ってパックしたものが売っていますが、必ずしも大きさが整っていません。形を整えることで、火の通りが均一になり、仕上がりが一定します。
・肉類は下味をつけて炒めておく
小口に切った肉には、塩胡椒してから、あらかじめ鍋で焼き色を付けておくと、肉の旨味を逃さず、シチューに反映させることができます。
その際、鍋に充分空きのある状態で炒めることがコツです。混んでいると蒸し煮になってしまうからです。一面が焼けたらまた一面と、こまめに面を変えて満遍なく焼きましょう。
もし、他のことを同時進行していて、一部の肉を焦がしてしまったときは、次の肉を入れる前に、鍋の焦げた残りかすを取り除いておくことも、スープの味を良く保つためのコツです。
・香りを出すものを炒める
にんにくや生姜などを香りづけに炒めることも、シチューのフレーバーを豊かにするコツです。このときに、もしとろみを付けたければ、小麦粉を少し振りかけて炒めるとよいです。
・野菜は硬いものから順序立てて入れる
すぐ上の「具材別調理時間の目安」を参考にして、野菜類は硬いものから順番に、時差で鍋に加えていくと、口当たりが均一になって、食べ心地がよくなります。
・オーブンの弱火でゆっくり煮込む
ガスレンジの火で煮込んでもいいのですが、一番いいのは、オーブンを150℃くらいに設定して、蓋をしたダッチオーブンでゆっくり煮込むのが、均一に火が通って仕上がりが滑らかになります。
弱火でじっくり煮込むと、肉のたんぱく質が分解されて繊維がほどけ、フォークを入れただけで簡単に引き離せるほど、芯から軟らかくなります。
・余分な脂肪の層を取り除く
調理後、上に浮いている脂ぎった部分はできるだけ取り除きましょう。金網状のお玉ですくってもいいし、ペーパータオルで吸い取ることもできます。
また、残りを冷蔵するときにチーズクロスを余分に垂らしてかけておくと、翌日には脂肪分が固体化しているので、布を引き上げるときに、ごそっと取ることができます。
・仕上げの濃度調整
レシピ通りに調理しても、自分の目指していた濃度になるとは限りません。
少し濃くなったなと思えば、レシピに含まれる液体、たとえばスープストックやワインなどを足して薄めるとよいです。
逆に薄すぎる場合は、蓋を取った状態でもう少し煮詰めることも考えられますが、今度は具材が軟らかくなりすぎる場合も出てきます。
そういうときには、油分が増えることが気にならなければ、バターを混ぜたり、コーンスターチの水溶きを入れたり、また、生のパン粉を加えることによっても、とろみをつけることができます。
いかがでしたか?
日本ではシチューと言うと、鶏のクリームシチューか、ビーフシチュー辺りが一般的だと思いますが、アメリカでは様々な具材を使って、いろんなシチューを作る機会があります。
私は毎回違うレシピに挑戦するのが好きなので、二度と同じものはできませんが、過去の長年の経験から、共通して言える、シチューの作り方のコツというものがあるので、このページにまとめてみました。
次回のシチュー作りに、少しでもお役に立てれば幸いです。