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バーベキューの肉の用意はどうされていますか?
我が家では、健康上の理由から、普段は赤肉をあまり調理しないのですが、アメリカのメモリアルデーともなると、季節柄、肉をバーベキューにして食べる習慣があります。
家族や友人知人たちで寄ったときにも、バーベキューは便利です。大抵、ホストになる家がメインの肉を用意して、招待客は野菜やサラダ、デザート類などを持ち寄ってワイワイやります。
そんなとき、まずバーベキューにはどんな肉が適しているのか、また、味付けはどうやってするのか、肉の仕上がり具合の判断をどうするのか、といった基本事項に関して、まとめることにしました。
バーベキューの肉の用意
<肉の選び方>
【肉の色】
常識的に考えても、肉の色が赤やピンク色をしたものが新鮮に違いありません。紫がかった茶色をしているものは、古くなっている証拠です。
また、売っている店によって、「解凍物」という表示があるものとないものがありますが、もしパッケージの中に赤い水が溜まっているとしたら、解凍してからかなり時間が経っているものなので、避けましょう。
肉汁を中に蓄えていてこそ、軟らかく美味しく焼けるので、それが全て外に出てしまった後の肉は、硬く焼き上がってしまいます。
【肉の厚み】
肉の大きな塊をバーベキューにするのではなく、個別のステーキを焼くときは、大体1インチ(2.5cm)くらいが焼きやすいです。
いちいち測らなくてもいいのですが、目安としては、普通の人の指の第一関節の長さくらいに思っておくといいでしょう。
【肉の表示】
やはり少々高くても、ホルモン添加のないオーガニックの肉を選びたいです。
あと、アメリカでよくある肉の表示に、”grass-fed”というものがあります。通常の”grain-fed”、つまり囲いの中で与えられる穀物で飼育された牛に対して、広い野原で放し飼いにされ、牧草を食べてゆったり育った牛ということですね。
普通の自然な穀物であればいいのですが、たとえば遺伝子組み換えが行われたコーンや、最悪の場合、肉骨粉とかも混合されている可能性があるので、全くそういう危険性のない牧草育ちがもてはやされるようになりました。
牛乳のパッケージにも、”grass-fed”のうたい文句が印刷されているのを見かけます。ただ専門家に言わせると、牛肉に関しては、いざ食べるときの味は、そう大差ないようです。私も鈍感なのか区別がつきません。
自然の草を食べて育った牛の肉には、悪い脂肪が少なく、良い脂肪やビタミン
類が多く含まれているというのが通説です。各個人の判断にお任せします。
<肉の味付け>
日本にいたとき、バーベキューをした経験がないので、違いに気が付きませんでしたが、大抵、比較的薄切りの肉を焼いてから、後でタレをつけて食べるのが主流のようですね。
でもアメリカでは、数時間前から、マリネ液に肉を浸けおきしておくか、スパイスラブといって、ミックスしたスパイスを肉にこすりつけてから焼く方が多いです。
肉をマリネする目的は、味をつける以外に、肉を軟らかくするということも含まれるので、特に大勢に肉を用意するために安いものを使う場合は尚更です。
その場合には、肉の繊維と反対方向に浅い切り目を入れておいてマリネすると、肉の中によく浸透してくれるので効果が上がります。
マリネ液には、肉の旨味を引き出すために塩や油を入れると思いますが、もし焦げ目をよく付けたい場合は、蜂蜜や砂糖を加えるといいです。ただ、バーベキューは大抵夏にするので、蜂を引き寄せてしまうこともあります。
1つ注意したいことは、レシピによっては、焼いている間にも、残りのマリネ液を頻繁に塗ることがあるのですが、肉を浸けておいた汁は絶対に使わないことです。
生肉から流れ出た汁と混ざって、雑菌が付いているので、焼きながら塗る場合には、最初から、その分のマリネ液を別に取っておきましょう。
自分で好きなスパイスをミックスするときは、ホール(全粒)の状態で、トーストしてから粗挽きにして混ぜると、風味が一層引き立ちます。
<調理時の注意>
アメリカでは、バーベキューの肉を焼くのは男性の仕事になっています。1インチ(2.5cm)厚さのステーキ肉なら、大体片面3分ずつくらいで、ほどよい焼き具合になると思います。
でも、生焼けは危険だし、好みの焼き具合を達成しようと思うと、やはりインスタント温度計が活躍します。肉芯に突き刺すだけで瞬時に内部の温度を測定してくれますからね。
具体的には、牛肉の場合なら、レアで華氏120度(摂氏50度)、ミディアムレアで華氏125度(摂氏52度)、ミディアムで華氏135度(摂氏58度)くらいを目安にするといいでしょう。
肉が焼けたら、皿に取ってホイルをかぶせ、上記のようなステーキの厚さであれば、約10分置いておきます。この間に、一旦流れ出た肉汁が中に戻ってくれるので、肉の旨味が増します。
切り分けるのであれば、肉の繊維に逆らって切ると、食べやすくなります。
裏庭でバーべキューパーティーをするときでも、どこかのピクニックサイトで行うときでも、お天気がどんなに良くても風の強いときがあります。
テーブルに置いている紙コップやお皿が飛ばないようにする工夫も忘れないでおきましょう。
以上、バーベキューで肉を用意するときの基本のプロセスや、コツについてまとめてみました。
晴天に恵まれたときに、親しい人たちとビールを片手に、おいしい肉や野菜をいただきながら、楽しい会話を交わす機会を、より良いものにしてください。