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粉類の違いについて解説します。
小麦粉の種類については、別のページで詳しく説明しているので、ここでは、さらっと流しますが、他の粉類で、たとえば日本の米粉と一口で言っても、作る和菓子によって粉類を使い分けないといけません。
又洋菓子作りでは、レシピによって、ベーキングパウダーとベーキングソーダを区別して使っているので、その性質の違いを理解して使う必要があります。
洋物と和物がクロスする場面では、例えば、片栗粉とコーンスターチは、交換が可能なのかといったような疑問も出できます。
いろんな粉類がある中で、特に紛らわしい物の違いについてまとめてみました。
小麦粉の違い
・薄力粉(cake four)---ケーキ作りに使う
・中力粉(all purpose flour)---料理やお菓子全般に使う
・強力粉(bread flour)---パン作りに使う
小麦粉に関するこれ以上の詳しい違いについては、個別ページの「小麦粉の種類の違い。flourにはもっと広い意味あり」で詳しく説明しています。
米粉の違い
アメリカでも米粉は売っていますが、私が知る限り“rice flour”という種類だけです。でも、日本の米粉は、用途によっていろいろ分かれていますね。
【もち粉】
餅粉はアメリカのスーパーのアジア系食品棚でも手に入れることができます。もち米を水で洗った後、乾燥させて粉にしたものです。大福に代表される和菓子の皮を練るのによく使われます。
ちなみに、アメリカでも簡単に手に入ることから、日本人同士のポットラックに持ち寄るお菓子の中でも、手軽に作れる「もちケーキ」は大人気です。
【白玉粉】
白玉粉も、もち米が原料で、簡単に言えば、やはり水洗いして乾燥させるのですが、何日も水にさらした上で、沈殿したものを水ごと挽いて使います。
そのため、でんぷん質が多く含まれるので、弾力がある、とても滑らかな舌触りのあるものができます。粉という名前が付いていますが、実際は角形の細かい粒状になっています。
あんみつには白玉団子が欠かせませんね。みたらし団子もおいしいし。
【上新粉】
上記2つはどちらも、もち米からできっていますが、上新粉は普通のお米を精白して、水洗いの後に乾燥させて粉にして作ります。
ういろうや柏餅を作るときに使われます。
片栗粉とコーンスターチの違い
どちらも、食べ物に少しとろみをつけたいときに使いますね。
コーンスターチの英語の意味を考えるとすぐにわかるのですが、どちらも、粘りを出す性質、すなわちでんぷん質がミソになります。この2つの一番大きな違いは、何の澱粉かというところです。
【片栗粉】は、ジャガイモのでんぷん
【コーンスターチ】は、トウモロコシのでんぷん
では、粘り気の度合いを見ると、片栗粉の方がコーンスターチよりも、しっかりとろみがつきます。
ただし、片栗粉は冷めると、その粘り気は長続きしないのですが、コーンスターチは、とろみを持続することができます。
これらの性質から、片栗粉は、日本料理や中華料理で、熱いあんかけを作るときにもってこいの材料です。
一方、コーンスターチは、常温や冷たくして食べる洋菓子作りに向いていると言えます。
もし、片方しかない場合に、振り替えは効くのでしょうか?
片栗粉が要求される場合に、コーンスターチしかなければ、量を増やして使うという手はあります。
逆の場合、温かい料理であれば、片栗粉の量を少し減らして、コーンスターチの代わりにすることは可能だと思います。
ベーキングパウダーとベーキングソーダの違い
膨らし粉(ベーキングパウダー)と重曹(ベーキングソーダ)はどこが違うのでしょうか?洋菓子作りのレシピでは、時々両方とも使う物も見かけます。
私は昔、お菓子作りを始める前までは、漠然と、重曹は和菓子に使い、ベーキングパウダーは洋菓子に使うものなのかなと思っていました。
この考えは、あながち、当たらずと言えども遠からずのところがあるのです。
どうしてかというと、重曹にはほんの少し苦味があるのと、生地が真っ白に仕上がりにくいので、どちらかと言えば、色の濃いどら焼きとかに向いています。その点、無味無臭のベーキングパウダーは、スポンジケーキに最適なわけです。
でも、もう少し、この2つの粉の違いをよく考えてみましょう。
ベーキングソーダは、化学的に言うと、酸性の液体と混ざり加熱することによって、炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に分かれます。最後の二酸化炭素というのは、炭酸ガスのことで、これにより、素材を膨らませてくれるんですね。
では、ベーキングパウダーはと言うと、実は、この重曹が元になっていて、これに他の酸性物質やコーンスターチなどを加えることによって、より効率的にガスを発生できるように工夫されたものなのです。
膨らし粉の方は、常温でも、水と混ぜると反応して炭酸ガスを発生するので、一旦材料を混ぜたら、早く焼かないといけません。
この2つの粉類は、お菓子の風味や仕上がりを考えて、それぞれに適した用途で使い分けるのが本来です。でもどうしても緊急に代用が必要なときは、重曹が1に対してベーキングパウダーは2と覚えておくといいでしょう。
つまり、ベーキングパウダーを使いたいときにベーキングソーダしかないときには、半量を使い、ベーキングソーダを使うときに、ベーキングパウダーしかないときには、倍量を使えば何とかなるということです。
いかがでしたか?
上記の粉類の違いが少しはっきりしてきたでしょうか?
パントリーの棚にあると思っていたら、使い切ってしまっていたということも多々あります。そんなときにも、粉類の違いを知っていると、賢い代用もできますね。
それぞれの用途を知って、是非お料理のレパートリーを広げてください。