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レモンの使い道はいろいろあります。でも迷っているうちに、切りかけの少し余ったレモンを腐らせた経験はありませんか? 皮だけ使って放っておいたら、知らない間にしなびてしまっていたとか。
レモンは実も皮も使えるだけに、うっかりすると部分使いに終わって、全体を有効活用できなかったりすることがあります。あらかじめ、いろんな使い道が頭に入っていると、そんな無駄もなくなりますね。
そこで、お料理に使えるいろんな方法を提案してみたいと思います。何を使うかによって、皮編、果汁編、総合編の3つに分けてみました。
レモンの使い道:皮編
レモンの皮には、リモネン、ピネン、シトラールといった、揮発性のあるとても強烈な香りを発する成分が、果汁よりもたくさん含まれています。
これらの成分は、皮細胞の壁の中にある油腺の中に閉じ込められているので、長時間加熱しても簡単には破壊されません。この性質を生かした使い道を考えると、お菓子作りに向いていることがわかります。
一部、過去のお菓子を紹介すると、レモンの皮を2枚入れて作ったのがミルクフランです。レモンタルトには、皮をすりおろしてフィリングに入れました。レモンの話をしていると、口の中にすでに唾液が出始めてきました。
普通のお料理に皮のエキスを出したくて鍋に入れるけれど、後で取り出したいという時は、チーズクロスに包むか、使い捨ての茶葉を入れる不織布に入れるか、又レモンの皮に穴を開けてひもを通し、後で出しやすくする方法もあります。
レモンの使い道:果汁編
レモンの果汁は香りの面では皮に負けますが、クエン酸がレモンのフレーバーを引き立たせてくれます。ただ、皮の様に熱に強くないので、加熱調理に使う時には、基本的にできるだけ後半の仕上げ直前に入れることがポイントです。
ではどんな使い道があるかというと、真っ先に思いつくのは、やっぱり生で、ビネグレットに混ぜ入れる方法ですね。オイルとレモンの割合は、3対1がほどよいと思います。
ペストは作られるでしょうか?
レモンはよく果物や野菜の切り口に振りかけておくと、切断面が茶色くなるのを防いでくれますが、ペストを作るときにも、ハーブ1カップに対してレモン果汁を小さじ2杯くらい入れると酸化を防いでくれます。
レモンジュースはいつも生から絞り出すものという固定観念はありませんか?私もあるレシピを試すまではそうでした。半分に切ったレモンを焦げるほどにグリルしてから絞ると、より深みのあるレモン汁になります。
これは、果汁の中にある糖分がキャラメル化することによるものなんです。バーベキューで肉や魚を串刺しにするときに、両端にレモンを刺しておくと、食べ物も焦げなくて済むし、焼けたレモンも果汁として使えて一石二鳥です。
レモン汁をプラスすることでスープやソースをきりっとさせることができます。シチューの場合、火を止める直前に少し垂らしてもいいし、ブラウンバターソースには、バター4に対してレモン果汁1の割合がいいです。
パスタの茹で方は、別のページで詳しく説明しますが、水道水は少しアルカリ性に傾いているので、ゆで水にほんの少しレモン汁を加えることで、バランスが取れ、スターチが壊れるのを防いでくれるので、べたべた感が和らぎます。
私はお料理によくアルコールを使うのですが、宗教上の理由や、アレルギー体質や、またお子様がいらっしゃる家庭では、使えないことも多いと思います。
半カップのワインの代わりに、同量のチキンスープに小さじ1くらいのレモン汁を足して使うこともできます。
最後に、レモンと言えばレモネード。野球観戦の時も、大きなカップに入ったレモネードは一服の清涼剤です。アメリカでは夏になると、人が歩いて行ける街角に、子供たちがレモネードブースを出してお小遣い稼ぎをしたりします。
家庭でも簡単に作ることができますが、ジュースを絞った後すぐに出さないで、少し寝かしてから飲むと、レモンのフレーバーがまろやかになってもっとおいしくなります。でも、長すぎるのもいけないので、5,6時間までが適当です。
それから、レモンの皮も一緒に入れてしばらく置いておくことで、皮の中のフラバノンという成分がレモンの苦みを包み込んでくれるので、たくさん砂糖をいれなくても、まろやかな味を出してくれます。
レモンの使い道:総合編
レモンの皮と果汁を両方使うこともよくあります。サーモンステーキのレモンケイパーソースとか、ローストポテトのレモン風味でも、レモンピールとレモンジュースを両方使って作りました。
何人かで分けるような鮭の大きい身があれば、全体に塩胡椒をして、好みのハーブを散らし、レモンの輪切りを上にのせてオリーブオイルを垂らし、オーブンで焼くと、ちょっとしたお客様料理にもなります。
魚をポーチするときにも、玉ねぎやセロリといった野菜の他に、レモンも入れて火を通すと、魚臭さが軽減されて食べやすくなります。蒸し料理でも同様に、デリケートなフレーバーが食材に移り、旨味が増します。
とにかく、レモンの使い道は多種多様なので、キッチンの常備品ですね。