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肉のローストをご家庭で作られることはありますか?
日本人家庭では、そんなに頻繁にはないと思うのですが、アメリカでは、いろんな種類の肉や、また違う部位を使ってよくローストします。
今では夫婦二人になったので、以前ほど作る機会は多くないのですが、ゲストディナーを用意するときには、やはりメインとなるセンターピースがあると、テーブルもにぎやかになるので、時々肉の塊を料理します。
このページでは、まずローストに必要な道具類の説明から始めて、鶏肉以外の主な肉類に共通する、基本的なローストの仕方をまとめてみました。
肉のローストに使う基本の道具
【温度計】
肉のローストを作るとき、外から見ただけでは、中の温度がどこまで上がっているのか、さっぱりわからないので、内温を測る器具は必須道具です。
というのも、肉の種類によって、微妙に火が完全に通るまでの温度が違ってくるので、正確に温度を測れないと、最悪の場合、生焼けで食べて食中毒を起こしかねません。
アナログとデジタルの両方があり、私は2つとも持っています。アナログの方は古くから持っていて、毎年感謝祭のターキーを焼くときに使っています。
これから買われるのなら、デジタルが1つあれば大丈夫です。肉に突き刺すと、瞬時に、ほぼ正確な数字で温度を示してくれるので、とても便利です。
【ローストパン】
ラック付きの大きなローストパンがあると、一番大きい七面鳥のローストにも使えるので、便利です。
普通のベーキング皿しかなければ、せめてラックは欲しいですね。できれば、平面ではなく、V字型になったものがあれば、長時間焼いている途中に方向転換する際も、少しずつ角度を変えられるので、均等に焼くことができます。
肉をローストするときの基本のステップ
【下ごしらえ】
どんな肉でも、まず表面に塩をして、最低でも1時間は置いておきます。
塩をすることで、肉汁を引き出し、その後でまた塩と一緒に肉の中に染み込んでいくので、中にも外にも味が付いていきます。
次に、全体をバランスよくタコ糸で縛っていきます。こうすることで身がしまって、均等に焼けやすく、仕上がった後も切り分けやすくなります。
また、オーブンに入れて焼く前に、ローストパン、もしくはスキレットで、肉全体の表面に焼き色をつけておくことも、大切なステップの1つです。
というのも、生のままオーブンで焼き始めると、満遍なく焼ける確率は低く、表面もかさついてしまうことが多くなるからです。
前もって、鍋の中で、オイルを塗った面を順に動かして、全体に焼き色をつけてから、オーブンに入れましょう。
【肉の種類や部位による適温を知る】
レシピにはそれぞれ使用する肉の種類や部位によって、何度のオーブンで焼くべきかという指示があると思いますが、大きく分けると、高温で比較的短時間の内に焼くものと、低温でゆっくり焼くものとになります。
230度(華氏450度)くらいの高温で焼くものには、ビーフテンダーロインや、トップサーロインビーフに、ラムラック(8,9本ほど肋骨が飛び出しているもの)などがあります。
一方、牛肉の中でもやや大きめの塊である、リブローストや、豚肉のブレードローストとか、ラムの足肉といったものは、130度(華氏250度)から170度(華氏325度)くらいで、ゆっくり焼いていきます。
大きいものは内側まで火が通るのに時間がかかるので、均一に焼き上げるには、弱火でじっくり焼く方法を取ります。
以上は、オーブンを設定する温度の目安について説明しましたが、今度は、肉の内部の適温についての注意事項です。アメリカのレシピは華氏で語るので、摂氏に変換すると、少し細かい数字になります。
牛肉と子羊肉の場合ですが、レアがお好みであれば、52度(華氏125度)。ミディアムレアからミディアムの場合は、55度(華氏130度)から60度(華氏140度)。ウェルダンは、71度(華氏160度)くらいです。
豚肉の場合は、ご存知だと思いますが、生焼けは非常に危険なので、少なくとも、ミディアムで66度(華氏150度)には到達してほしいです。ウェルダンであれば、他の肉と同じく71度(華氏160度)になります。
なお、温度計は肉に直角に刺すのではなく、少し斜めに刺し、骨に当たらないようにして測るのがコツです。
【肉はローストしたあと少し待つ】
肉のローストが仕上がった後、すぐに食卓に出すのではなく、皿に取ってホイルをかぶせ、10~20分ほど置きます。
そうすると、外に出た肉汁がまた中に入ろうとして、全体に旨味が広がるのです。少し間を置いてから、切り分けるようにしましょう。
肉のローストをするときに注意したい基本事項をまとめてみましたが、いかがでしたか?
まず、肉を単体で焼いてみて、少し慣れてきたら、詰め物をしたローストにも挑戦してみてください。
安全に、しかもおいしく焼けるといいですね。