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食材の切り方のコツをお伝えします。ただし、野菜の基本の切り方については、調理師学校のサイトなどで確認なさってください。
このページでは、野菜果物、肉やナッツ類、パンなどの食材を切るときに、包丁やまな板の賢い使い方や、他の器具を使って切る方法など、切り方全般のコツに触れていきます。
時間のかかりそうな食材でも、いかに効率よく切るか、また安全に気を付けて切るか、といったような切り方のコツです。
食材の切り方のコツ:野菜果物編
<オリーブ>
オリーブの薄切りをたくさん混ぜてサラダにしたり、キャセロールの具材に使ったりするときとかに、あの小さいオリーブを1つ1つ、つまんでは3、4回切っていくのは時間もかかるし、また均一には切れません。
そんなときに使えるのが、エッグ・スライサー。卵切り器の土台の上に、いくつかオリーブを並べて、上の針金部分をおろすと、一気に切れます。
もし、もっと細かくしたいときには、やはり卵を微塵にするのと同様に、切ったオリーブの方向を変えて並べ、再び針金をおろせば、粗微塵になります。
<チェリートマト>
オリーブよりはやや大きいものの、チェリートマトも細かい作業が必要なときがあります。
これは少々ざっくり気味の方法ですが、大量のミニトマトを半切りにしたいときに役立つやり方です。
まず、サワークリームやチーズが入っていた、要らなくなった容器の円い蓋を2つ取っておきます。
1枚の蓋の内側を上に向けて置き、できるだけ同じ大きさのチェリートマトを敷き詰めます。
その上に、別の蓋を通常通りの方向で被せて、片手で軽く押さえ、包丁を中ほどに入れて横に動かすと、全てが一度に半分に切れるというわけです。
<ラディッシュ>
小ぶりのラディッシュを、最後まで手で押さえながら切るのも、ある程度時間がかかります。
洗った後、ひげもその場で摘み取ってしまいたい気持ちを抑えて、そのままにしておけば、輪切りにする時、そのひげを片手でつまんでいれば、安全に最後まで無駄なく切ることができます。
<ケイパー>
ケイパーは、元々微小サイズなので、そのまま使うことが多いのです。でも種類によっては、少し真ん丸としているものもあり、包丁で全体を細かく切ろうと思っても、滑ってしまうことがあります。
ほんの少しの量なら、従来通りの切り方でも、そんなに時間はかかりませんが、大量に微塵にしたいときのいい方法があります。
まず、瓶から取り出したケイパーを、二重にしたペーパータオルの片側に並べます。もう片方をかぶせて、上から少し押さえ、軽くつぶすようにするのです。
すると、ある程度平たくなり、汁もなくなっているので、ナイフが入れやすくなるというわけです。
<ズッキーニ>
日本の方は手先が器用なので、この方法を使う必要もないかとは思いますが、アメリカ式感覚では、ズッキーニやキュウリのような細長い形をして、へたのある物に応用できます。
何かというと、やはり最後の端の部分まで来ると、片手で支えながらではやや切りにくいですね。そこで、トウモロコシを両端から支えるための小さなホルダーを突き刺しておくと、安定して切りやすくなります。
<軟らかい果物のスライス>
苺やバナナ、キーウィーといったような、押しつぶせるくらいソフトな果物を均一に薄く切るときは、やっぱりエッグ―スライサーが活躍しますね。
<スイカの棒切り>
夏場になると、大きなスイカをとても上手に、彫り物のようにナイフを入れて、飾り切りできる方がいらっしゃいます。
そこまでいかなくても、単に三角に切る以外に、スティック状に切っておくと、食べやすいし、そのまま凍らせておくと、アイスキャンディーにもなります。
まず大きな西瓜を半分に切ったら、切り口の円を下にしておきます。両端を落として、2~3cm厚さのスライスにします。今度は方向を変えて、同じ厚さに切りそろえていくだけです。
<メロンのスティック>
私は使いませんが、アメリカ人はよく、リンゴの芯抜きを使います。しっかりした金属で、細長い円柱状の空洞になっています。
これをメロンの皮の外から、少し力を入れて差し込めば、メロンの丸い筒となって抜くことができます。皮の部分を手に持てば、口に入れやすくなります。
食材の切り方のコツ:パン編
<ベーグル>
ベーグルって、結構硬いですよね。これを平行に半分に切るのは、決して簡単ではありません。
もし、ドーナツ型のままではなく、半円になってもいいのであれば、安全に楽に切る方法はあります。
最初に平らに置いた状態で半分に切り、それをアーチのような形に、まな板に立てて置き、半分の所で上から包丁を入れると、上手に半円に切れます。
<パンのスライス>
-硬いパン-
日本の、あの軟らかいふかふかした食パンと違い、フレンチやイタリアンブレッドの表面はとても硬いです。普通の包丁では、なかなか最初の切り目が入れにくいことがあります。
そういうときは、切りたいパンの方向を変えることです。やや安定性には欠けますが、パンの側面が底になるように立てて置きます。うまく立てられない場合は、側面を少し削いでおくといいです。
すると、横の方の表面はやや薄くなっているため、ナイフが入りやすいので、すんなり切れます。
―軟らかいパン-
逆に、シナモンロールパンや、モンキーブレッドのような、ネチネチしたタイプの菓子パンの切り方はどうすればいいのでしょう?
ナイフを入れると、パン生地も一緒に沈んでしまうくらい軟らかいパンもありますね。こういうときに役立つのが、デンタルフロスです。
ロール状になっているものであれば、切りたい部分の下に、30cm長さくらいのフロスを仕込み、両端を持ち上げたら、パンの上でクロスさせます。
そこで、一気に糸を反対方向に引っ張り下ろしていくと、軟らかいパンがへしゃげることなく、きれいに切れます。
癖のある食材を切るコツ
<鶏肉>
チキンは軟らかくて形よく切ることが難しいときもあります。もし時間があれば、数時間前に一度冷凍庫に入れて、固まる前に取り出すと、身がしっかりして固定され、包丁を入れやすくなります。
特に、胸肉を薄切りにしたいときには、この方法が役立ちます。また、切るナイフを水に濡らしてから切るというのもコツです。
<ナッツ類>
ナッツを細かく砕くための器具は持っていますが、大きい塊を最後まで粉砕しようとすると、すでに切れているものが粉々になってしまうという現象が起こります。
特にお菓子作りで、均一のサイズに細かくしたいときには、ギザのあるナイフで1つ1つ切るのが一番きれいに仕上がるのですが、時間はかかるし、切る途中でカウンターに飛び散ったりします。
そこで応用したいのが、アップルスライサーです。林檎をくし形に切ることくらいは自分でしますが、アメリカ人はこういう器具も使います。
でも、これがあれば、ナッツを一定のサークルの中に並べ、上からこのスライサーを押し付け、数回方向を変えて行えば、手早く、比較的均一に切ることができます。
<ドライフルーツ類>
プルーンやデイツなどのドライフルーツはとても栄養があって、サラダに混ぜたり、コンディメントにしたりすることが多いのですが、ご存知のように、とてもねばつきます。
何度か包丁を入れると、ネバネバがナイフにくっついて、とても切りにくくなりますよね。
ですので、切る前に包丁にオイルスプレーを軽く振ってから使うと、そういうイライラが解消されます。
まな板使いのコツ
最後におまけで、まな板を使うときのコツを二点、挙げておきます。
切りにくい食材を扱うときに、まな板自体がスライドするようでは手元が危ないので、両端に長くて太めの輪ゴムをかけておくと、滑り止めになります。
後一つは、トマトなどの汁がたくさん出る食材を切るときの工夫です。
すでに周りに溝のあるまな板をご使用の場合には、当てはまりませんが、そうでなければ、まな板を淵のあるベーキングトレイに入れて切ると、後でカウンターの掃除をしなくてよくなります。
いかがでしたか?
中には、常識的に、もう使われているアイデアもあったかと思いますが、アメリカならではの知恵も含めて、食材の切り方のコツや方法を解説しました。
1つでも、「これ使えそう!」というヒントが見つかれば幸いです♪