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イギリスのお菓子で伝統のある物には、例えばスコーンとかショートブレッドとか、日本でもかなり浸透しているものがたくさんあります。
イギリスのお料理全般に関しては、失礼ながら、とかく悪評高いのですが、お菓子やデザートは結構美味しいものが多いです。
以前に、イギリスのアフタヌーンティーを取り上げたことがあります。
元来、英国は午後の紅茶を楽しむ国柄なので、このページでは、ティータイムに合う伝統的で人気のあるお菓子を挙げて、解説を加えたいと思います。
イギリスのお菓子で伝統のあるもの
【クランブル】”Crumble”
フルーツの焼き菓子の1つですが、コブラーとかバックルとか、他にも似たようなものがいろいろあって、名前の違いを把握するのにしばらく時間がかかりました。
クランブルという種類は、バターに砂糖、小麦粉やオーツなどの材料を合わせた、シュトロイゼル“streusel”というトッピングを作っておいて、フルーツの上に載せて焼くお菓子になります。
桃を使って作ったクランブルがこちらです。

ピーチ・クランブル
これと同じお菓子のことを、アメリカでは、「クリスプ」”Crisp”と呼んでいます。ちなみにアメリカ版クランブルは、ブラックベリーとネクタリンを使って作りました。

ブラックベリーとネクタリンのクリスプ
【ショートブレッド】”Shortbread”
名前はブレッドになっていますが、パンではなくクッキーですね。卵が入ってないので、サクサクした食感が味わえ、比較的長持ちする焼き菓子です。
スコットランド生まれなので、Walkers社のショートブレッドが一番よく出回っていると思います。クリスマスシーズンになると、ツリーや雪の結晶の形をした期限付きバージョンも売り出されます。
私は以前に、ピスタチオを入れたショートブレッドを作ったことがあります。

ピスタチオ・ショートブレッド
【スコーン】”Scone”
イギリスのアフタヌーンティーの定番ですね。必ず、あの2~3段のプレートに載っているベイクアイテムです。濃厚なクロテッドクリームと各種ジャムが添えられてくるので、スコーンに塗って食べます。
プレーンなスコーンから、ベリー類や柑橘類を織り込んだスコーンもあって、いろいろバラエティーを楽しめます。
お菓子として焼くときは小ぶりのものが多いですが、朝食代わりにいただくときは、菓子パンサイズで焼きます。人気があるので、すぐに混ぜ合わせられるように、「スコーンミックス」という袋入りもよく売っています。
普通は、スコーンを食べるときには、上にクリームとかジャムを塗って食べますが、私は朝食として作ったときには、スコーンを横半分に切って、間にクリームやフルーツをはさんで、サンドイッチのようにして食べたこともあります。

サマーフルーツのスコーン
【トライフル】”Trifle”
イギリスが誇る伝統のお菓子の中でも私が一番好きなのは、トライフルです。基本の組み合わせはありますが、フルーツを代えたり、スポンジケーキの並べ方を工夫したりすることで、いろんな形に見せることができます。
トライフル・ボウルと呼ぶ、筒状のガラスのボウルに素材を詰めこんでいって、個々のお皿に好きなだけすくって食べられるので、パーティーのセンターピースになるデザートです。
でも、この言葉の元の意味は、「つまらない」ものなんですね。仕上がりは、つまらないどころかすごく豪華なんですが、最初にこのデザートができたときは、家にある「あり合わせ」のものを入れたことから、この名前が付きました。
何となく、日本的な感覚のネーミングなのも、気にいっているところです。大好きなお菓子は、手を変え品を変え、過去に何度も作りました。
初めて作ったのは、シトラス風味の「フルーツのトライフル」。仕上げにクリームの上にチョコレートフレークを散らしました。

フルーツのトライフル
次に作ったのが、独立記念日のための「星条旗のベリー・トライフル」。こちらは少し手がかかっています。アメリカの星条旗を表すために、ケーキを星形に切って並べ、ブルーベリーとラズベリーとクリームで国旗の色を出しました。

星条旗のベリー・トライフル
そして、南国の雰囲気を醸し出した「ココナッツ・トロピカルフルーツ・トライフル」。ラム酒がたっぷり入った大人用のトライフルです。

ココナッツ・トロピカルフルーツトライフル
ちなみに、この記事のトップに載せている写真は、「バナナとラズベリーのトライフル」です。
【ファッジ】”Fudge”
ファッジって、アメリカのものだと思っていたら、イギリス生まれでした。でも、今では世界中に広がっていますね。キャラメルよりもっと軟らかくて、口の中に入れると、かむ前に溶けそうな感じのキャンディーです。
チョコレートファッジが最も一般的ですが、フレーバーを加えることで、いろんな種類のファッジが作れるので、専門店も数多く見かけます。
【ミンスパイ】”Mincepie”
「ミンスミートパイ」とも呼びますが、その名前の通り、小型のパイの中には、細かく刻んだドライフルーツや果物の皮などを、アルコールや砂糖と一緒に煮詰めて寝かせたものが入っています。
イギリスではクリスマスの伝統的なお菓子として欠かせません。というのも、元々はイエス・キリストの生誕を祝うために作られたものだからです。スパイスもたくさん入っているので、多少好き嫌いはあると思います。
ここで紹介したイギリスの伝統菓子は、もうみんな召し上がりましたか?
私もまた、何か新しいものを見つけたら作ってみたいと思っています。