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イタリアのお菓子の種類にはどんなものがあるのでしょうか? 一番先に思い浮かぶのは何でしょう? 私はやっぱりティラミスですね。
日本でもイタリアンとフレンチのレストランが軒を連ねていますが、アメリカでは、少なくとも私の住んでいるところでは、断然にイタリア料理のレストランの方が多いです。
フレンチは繊細で、大きいお皿に量が少ししか載っていなかったりするから、質より量タイプのアメリカでは、あまり受けないのかもわかりません。
私はイタリアンのレストランでデザートを注文するときには、必ずと言っていいほど、ティラミスを頼みます。その良し悪しで、勝手にそこのレストランの評価を下すことにしています。
他にもおいしいイタリアのお菓子があるので、どんな種類があるのか、代表的なものを、作り方の違いからグループに分けて挙げてみます。
イタリアのお菓子の種類:焼き菓子
【トルタ】
イタリアでは、「トルテ」のことを「トルタ」“Torta”と呼びます。この種類の名前が付く伝統的なお菓子には、「トルタ・カプレーゼ」や、「トルタ・ディ・リーゾ」、「トルタ・ディ・パーネ 」などがあります。
カプレーゼって聞くと、あのトマト・バジル・モッツァレラをオリーブオイルで和えた、まるでイタリアの国旗のようなサラダを思い浮かべますが、こちらはチョコレートアーモンドケーキのことです。
小麦粉を使わないで作るので、グルテン・フリーのお菓子としても有効です。私は作ったことがないのですが、何でもこの作品は、粉を入れ忘れたことで生まれたとか。「失敗は成功の元」ですね。
で、私が作ったことのあるトルタは、”Fresh Pear Torta”。アメリカの大都市、例えばニューヨークに行くと、イタリア人街があります。
19世紀の終わりから20世紀初めにかけて数多くのイタリア人が、シシリーやカラブリアからアメリカに移り住んできました。その時にもたらした、新鮮な果物を使ったトルタが、この「洋梨のトルタ」です。
アメリカの家の裏庭には、イタリアのスモモを植えている所がよくあります。私の家にはありませんが、夏になるとファーマーズマーケットで買えるので、その時に作ったのが、「スモモのトルテ」(英語読み)です。
【クロスタータ】
イタリアのお菓子の種類で、“Crostata”と呼ばれるものは、作り方によって、タルト風になるものとパイ風になるものとがあります。
基本になるのは、どちらかというとタルト生地にフルーツジャムを敷いて作る、オーストリアの有名なリンツァータルトを思わせるパターンです。
もう1つは、パイのような生地を作って、フルーツのフィリングを真ん中に置いてから、周りの生地を外周りだけ被せていく感じの、ギャレットに似た作り方のパターンです。
私は後者のやり方で、「ペア・クロスタータ」を作ったことがあります。
【スプモーニ】
元はと言えば、3色アイスクリームなのですが、ケーキ版も人気です。
赤はストロベリー、茶色はチョコレート、緑はピスタチオのフレーバーでできた三層のケーキで、アーモンドエッセンスが入っています。基本はこの3つですが、似通った色に仕上がるのなら、他の素材もありだと思います。
【ビスコッティ】
イタリアの硬く焼き上げたビスケットのような種類のお菓子です。私は家で作ったことがないので、市販の箱入りの写真を載せておきます。
“Biscotti”というのは、イタリア語で「二度焼いた」という意味なので、あの思いっきり歯ごたえのある硬さも納得がいきます。長く持つので便利ですね。
アメリカ人は、よくドーナツをコーヒーに浸して食べていますが、あれは見ていて気持ちが悪いです。でも、ビスコッティをコーヒーに浸けて、朝食代わりにするのは、いいかなと思います。
イタリアのお菓子の種類:冷菓子
【パンナコッタ】
イタリア語で生クリームを意味する「パンナ」と、煮るという意味の「コッタの名前がついている“Panna cotta”は、イタリアから来たお菓子の種類では、一番好きです。ですので、パンナコッタだけのレシピ本も持っています。
その本の中から作ったものの中に、「ファジー・ネーブル・パンナコッタ」があります。普通パンナコッタは、生クリームと砂糖を煮てゼラチンで固め、容器から取り出して食べるのですが、こちらはおしゃれにグラスに入れました。
また、私は栗が大好きなので、シーズンになるとよくお菓子の材料に使います。「栗のキャラメル・パンナコッタ」では、ピューレ状の物を使うので、市販の瓶入りや缶入りのもので大丈夫です。
あと、洋菓子を作るときにも抹茶は最近人気を呼んでおり、海外のパティシエも、お菓子の材料によく使うようになりました。「グリーンティー・パンナコッタ」には、上からかけるシロップにも、日本のみりんが使われていました。
【セミフレッド】
イタリア語で、“Semi”は「半分」、“Freddo”は「冷たい」を意味するお菓子の種類があります。夏にひんやりと食べたいデザートですね。
スポンジケーキの部分は市販のものを使えば、わりと簡単にセットできます。私は、「ピーチ・マスカルポーネ・セミフレッド」を作りましたが、フルーツを替えればバリエーションを楽しむことができます。
【ティラミス】
ティラミスは、イタリアのお菓子の種類の中ではあまりにも有名で、説明の必要がないかもわかりませんが、レディーフィンガーをコーヒーに浸して、
マスカルポーネチーズと泡立て卵を混ぜて、フィリングにしたものです。
基本形はどこにでもあり、それでは面白くないので、ここではハロウィンや感謝祭の時期に、かぼちゃパイ一辺倒の代わりに作った、「パンプキン・ティラミス」を紹介します。卵の代わりに南瓜のピューレを使います。
また、変わり種としては、「ブルーベリー・レモン・ティラミス」があります。
コーヒーが苦手という方にも楽しんでいただける、珈琲抜きティラミスです。
つまり、コーヒーの代わりに、ブルーベリーソースを用意し、フィリングにはレモンカードも通常のレイヤーに加えるので、とてもさわやかな味になります。
このグループでは、「冷菓子」を説明していますが、同じ“Tiramisu”の名前がつくので、ここで「フローズン・ティラミス」も紹介しておきます。その名の通り冷凍菓子です。コーヒーアイスクリームを使うのがミソです。
イタリアのお菓子の種類:冷凍物
【ジェラート】
冷凍菓子の例が1つ出ましたが、イタリアのお菓子というか、デザートの種類で最も名を馳せているのは、やっぱり「ジェラート」ですよね。
日本にもあると思いますが、アメリカにもあちこちで“Gelato”の専門店があり、人気です。まだ家で作ったことはありません。
【グラニータ】
グラニータはイタリアのシチリア生まれ。お菓子の種類といってもピンとこないかもわかりませんね。日本のかき氷に、たっぷりフルーツシロップがかかった感じです。
イタリアでは暑い夏には、“Granita”を朝食代わりにするそうです。私は一度、「ブラックベリーのグラニータ」を作ったことがあります。アメリカでは、雑草として生えているので、タダで作れますよ。
イタリアのお菓子の種類:その他
【ザバイオーネ】
イタリアはワインの産地でもあります。マルサラワインと卵黄、砂糖、生クリームを煮込んで作るザバイオーネクリームを紹介しておきます。イタリア語のスペルには、“zabajone”と“zabaglione”の両方があるようです。
このお菓子の種類は、基本のクリームをそのままデザートして、ビスケットなどと一緒に食べるときもあれば、このソースをフルーツにかけたり、ケーキのフィリングにして仕上げる場合もあるので、「その他」の分類にしました。
ちなみに、「ザバイオーネ」は、フランス語で言う「サバイヨン」“Sabayon”を指します。私が作ったことのあるのは、桃のシロップ煮に、ブラックベリーソースとザバイオーネクリームをかけたもの。
また、このクリームをフィリングにした、「マルサラ・ザバイオーネケーキ」も作ったことがあります。
以上、イタリアのお菓子の種類を、できるだけ作ったものを紹介しながら解説を加えました。イタリアではお菓子のことを「ドルチェ」といいます。
お好きなドルチェは見つかりましたか?