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アメリカのイースターのお菓子は、卵をかたどったものや、ウサギさんがテーマになっていて、春らしいカラフルなデコレーションを多く見かけます。
普段は政治の舞台であるホワイトハウスでも、このときばかりは、庭の一部を開放して、選ばれた子どもたちを呼び、着ぐるみのウサギも登場して、大統領みずからエッグハントに参加することもあるくらいです。
そんな楽しいお祭りの本当の意味は何なのか、またアメリカのイースターではどんなお菓子がよく作られるのか、私が作ったものを例に挙げて説明していきます。
イースターってそもそも何のお祭りなの?
イースターは日本語では「復活祭」と呼ばれていますね。十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが3日後によみがえったことを祝う、キリスト教のお祭りです。
この日は、移動祭日になり、春分の日が終わってから初めて来る満月の次の日曜日に指定されているので、その年によって何日になるか変わってきます。
敬虔なクリスチャンであれば、イースターにはまず教会に出かけて朝の礼拝、ということになるのでしょうが、キリスト教徒に限らず、子どもたちにとっては楽しいエッグハントの日なのです。
各地のコミュニティー・センターでもイベントが行われるし、少しでも庭のある家なら、自宅でプラスチック製の卵をいくつも用意して、庭の随所に隠し、子どもにバスケットを持たせて、宝探しができます。
ちなみに、この卵の容器にはキャンディーやシールを仕込んでおきます。
私の子どもが小さい頃、初めてアメリカの文化に親しむということで、本物のゆで卵をフードカラーを溶かした液につけて染めたものを使っていましたが、衛生面の心配からも、また後で卵ばかり食べるのも疲れるので、やめました。
アメリカのイースターで食べるお菓子は?
イースターバニーという言葉があるように、うさぎがシンボルになっています。これは、兎という動物が多産であることから、たくさん卵を産むことで、誕生と結びついてくるんですね。
だから、ウサギをかたどったケーキや、兎の大好物である人参ケーキもよく作られます。そして、ココナッツもイースターには欠かせない素材です。
では、テーマ別にどんなお菓子ができるのか、私の作ったものを紹介します。
<ウサギ>
私がケーキを作り始めた頃には、まだデジタルカメラが普及していなかったので、ネガからプリントしていた頃の写真を今のデジカメで撮って、少しぼやけているものもありますが、載せることにします。
当時、ケーキデコレーションのクラスに通い、バターフロスティングを使って、よくいろんなキャラクターをケーキの上に描いていました。
また、こちらは、兎の型があるのではなく、普通の円形のケーキ型で焼いたものを、半分に切って立てて置き、耳や目や鼻をつけてやると、ウサギの双子ができあがります。
イースターの時期になると、特別にバニーの形をしたマシュマロが登場するので、それを周りに飾って、まるで子だくさんのような雰囲気を出しています。
<人参>
キャロットケーキは、イースターでなくても、アメリカで人気のお菓子なので、よく出てきますが、少し変わったところで、チョコレート味の人参ケーキを作ったことがあります。
簡単なキャロットケーキは一層ですが、少し手を加えてレイヤーケーキにして、上には、アメリカではこの時期に必ず出てくる、”peeps”と呼ばれる、ひよこの形をしたマシュマロ菓子を飾りました。
四角いケーキだけではなく、マフィンの形でもよく作ります。
<ココナッツ>
ココナッツはケーキでもパイでも大好きです。ケーキの場合はレイヤーにして、周りをトーストしたココナッツで塗り固めて作るのが一般的です。
ちょっとアクセントを加えて、バナナとラムを入れて作ったことがあります。この組み合わせもよく合います。
また、スポンジではなく、ココナッツ・カスタードケーキもできました。
こちらはちょっと手間ですが、チョコレートのレイヤーケーキのミニサイズを作って、ココナッツをまぶしました。
あと、ココナッツクリームパイも人気です。
普通、ココナッツクリームパイを作るときは、フィリングとトッピングにたくさんココナッツを入れるのですが、一度、パイ生地にもココナッツフレークを練りこんで作った、トリプル・ココナッツクリームパイも作りました。
<カップケーキ>
アメリカでよくあるイースターエッグハントには、大抵バスケットを使うので、その形をもじったお菓子も作ります。冷凍のフィロ生地で籠を作り、イチゴとレモンカードをフィリングにしました。
また、バスケットを手で持つところのハンドルに、細めのリコリシュを使って、カップケーキの上に、うさぎの形をしたマシュマロを並べたりしました。
<番外編>
チーズケーキはイースターと直接関係ないのですが、このケーキを作ったのがイースターの時期だったので、雰囲気を出そうと思い、緑色をした長細いものを草に見立てて、やはり卵形キャンディーを並べてエッグハント風にしました。
このとき使った素材は忘れましたが、芝生の雰囲気を出すときには、よくココナッツフレークにフードカラーを垂らして緑色に染めて使います。
本来は宗教的な意味合いのあるイースターですが、クリスマス同様、アメリカでは特に子どもたちが楽しめるお祭りなので、あまり深く考えずに、美味しいお菓子や料理を楽しんでいます。