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食器を乾かすのは乾燥機?それとも、食器洗い機の乾燥機能?
アメリカに住んでいると、家にせよ、アパートにせよ、台所にはほぼ必ず、ビルトイン形式の食洗機とオーブンが付いています。日本で言うところのシステムキッチンでしょうか。
だから普通、食器を乾かすのは機械任せなのですが、ここで改めて、機械を含む食器の乾かし方について整理してみようと思います。
機械以外に考えられるのは、流しに置く水切り籠や、水切りマットを使った自然乾燥。また、洗った後すぐにタオルドライする方法。
北欧に見られる特殊な水切り棚など、いろんな方法を挙げて、その長所・短所を探っていきます。
食器を乾かす:空気乾燥vsタオル乾燥
食器を乾かすのに、機械類を使わないで、手動で乾かすときのことをまず考えてみます。
私のアメリカの家には最初から食器洗い機が付いていますが、来客があって、パーティー料理を作ったときの食器は、たとえば金縁が付いていたり、高価で機械に入れたくないものがあります。
また、大人数の場合は、さすがにアメリカの大きな食洗機でも収容しきれないときがあります。
アメリカの一般的なキッチンでは、流しはたいてい二層になっているので、一方は食器を洗うとき専用に使い、もう一方には水切り籠を入れた状態にしておくことができるので便利です。
そこで、よく言われる、自然乾燥、つまり、食器を洗った後、水切り籠や水切りマットの上に置いて、空気に触れることで自然に乾かす方法と、食器を洗った直後からタオルで水気をふき取っていく方法の是非です。
結論から言うと、衛生上、自然乾燥に軍配が上がります。どうしてかと言うと、手拭きの場合、特に大量の食器を拭いている内に、タオルは多量の水分を含んでくるので、食器を拭いているようで、実は水気を付けているかもわかりません。
生温かく湿気を帯びたまま食器棚にしまうと、細菌の温床になることがあるのです。これは当然、使っているタオルにも言えることで、よほど頻繁に乾いたタオルに変える必要があります。
私は今主人と二人暮らしなので、機械を回すのは数日に一度くらいですから、気に入ったマグカップで毎日使いたいものは、手洗いして籠に入れ、自然乾燥させています。
ガラス食器や大量のゲスト食器を乾かすとき
ガラス食器は、特にタオルで拭くと筋を残してしまうことがあるので、自然乾燥させるのですが、ゲストがあって、ビールグラスやワイングラスがたくさんあるとき、水切り籠に入れるのは、ぶつかり合って危険です。
そんなときには、プラスチック製の、碁盤の目に穴が開いている大きな台の上に、グラスを逆さまに置いて自然に乾かします。
ただ、このしっかりした重い台は場所を取るし、出し入れが億劫になるので、最近は布でできた、折りたためるマットを広げて乾かすことが多いです。これだと三つ折りにしてコンパクトにしまうことができます。
あと、入り口の狭いガラスの花瓶や、他の、底まで届きにくい細長いガラス製品を乾かしたいときには、ペーパータオルを差し込んで使うホルダーに、逆さまに置いて乾かす手もあります。
食器を乾かす:機械編
アメリカで一般的に流通しているのは、オープンドア式の食器洗い機です。ドアを開けて、二段式のラックを引き出して食器を入れていきます。
アメリカというか、洋風の食事スタイルは、平らな皿に自分で盛り皿から取ってきて食べるため、後は、スープボウルやサラダプレートが加わる程度なので、食器の形が一定の種類に限られてきます。
だから、食洗器に入れるときも楽だし、かなりの量が一度に入るので、小家族だと、何日間かため置きしてから機械を回すことが多いです。
でも、日本では個々の小皿類が多くて複雑ですよね。最近時々見かけるのは、引き出し式(スライドオープン式)になった食器洗い機ですが、スマートに見える半面、量的には限定されますね。
いずれにせよ、食洗器に付いている乾燥機能ですが、一度ボタンを押せば、洗った後、食器を乾かすところまで自動でやってくれるので、手間いらずで楽ちんです。
ただ念のため、外出前に動かし始めることは避けています。熱湯噴射で洗い、更に高熱で乾燥させるわけなので、どこかで間違えば、火事の原因にもなりかねません。
家に誰かがいるときに機械を回すのですが、このとき節電を考えたなら、洗浄サイクルが終わったところで、ドアを少しだけ開けてやると、余熱で自然乾燥できるのでお得です。
ちなみに、食器を手洗いするときに使う水量の方が、マシーンウォッシュよりも断然多いという統計も出ています。
私には、オープンドア形式の食器洗い機を役立てている、もう一つの理由があります。
この中には汚れたものを入れるわけなので、当然ですが、中を汚してもいいわけです。そこで、よく洋菓子を焼く私は、ドアを開けたところにケーキ型を置き、オイルスプレーを振りかけるときに使っています。
この作業をカウンターですると、どうしてもスプレーが周りに飛び散って、台の上にオイルが付いてしまいます。また、床にも飛び散ることがあるので、それを忘れて、すってんコロリンすることもあったりします。
そういうわけで、食洗器のドアは別の利用法もあるのです。
アメリカでは全ての機能が使える機械を主に使いますが、日本の家庭では食器洗い機以外に、卓上型の食器乾燥機が重宝しているようですね。
中には、このタイプをプラモデルの感想に使っている人もいるとか聞きます。食器を乾かす以外にも、それぞれにいろんな利用法があるわけですね。
北欧での食器の乾かし方
これまで知らなかったのですが、フィンランド方式の食器の乾かし方を発見しました。
流しに水切り籠をはめ込んだり、キッチンカウンターに卓上乾燥機を置いたりするのではなく、食器棚のスペースを使って乾かすのです。
フィンランド語では、”astiankuivauskaappi”と呼ぶそうですが、私には発音できません。でも英語に直訳すると、”dish-dry-cabinet”になるようです。
ただし、この食器棚は流しの上に位置していないといけません。というのも、棚ではなく、底が水切り籠のようなラック状になっており、そこから真下の流しに水がしたたり落ちる仕組みになっています。
だから、食器が完全に乾くまでは、この食器棚のドアは開放しておかないといけません。非常にユニークなアイデアですが、湿気の多い日本では、すぐにカビが来そうですよね。
北欧だからこその設定なのでしょう。この水切り棚には鍋類も置けますが、二、三段になっている場合は、上から順に水が落ちてくるので、ガラスのコップ類は最上段に置く必要がありますね。
最後に、食器を乾かすユニークな方式をとっている国の話も挙げておきました。
私はやっぱり、大抵のものは食器洗い機に任せて、大切な食器は自然に乾かす方式を続けたいと思います。あなたも家庭に合った方法を見つけてみてください。