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製菓道具の便利な物を探し出すと、あれもこれも欲しくなってキリがなくなります。このページで取り上げるのは、それがなくてはケーキやパイが焼けないという、基本の器具ではありません。
なくても時間をかければなんとか形になるけれども、お菓子を作るときにあったら時短になるし、仕上がりもきれいになるというものを選んで、アメリカで普段頻繁に使っている便利な製菓道具を、ジャンル別に紹介します。
これと言って決まった呼び名を覚えていないものが多いので、説明口調で、各製菓道具を呼んでいます。あとは写真で使い方が想像できるかと思います。
製菓道具の便利なもの
<ケーキ作りに便利>
【ケーキ型ベルト】
ケーキを焼いてみると、よく真ん中がポッコリ膨れて周りが低くなってしまうことがあると思います。こうなるとフロスティングをかけにくいし、レイヤーケーキにしたい場合は均等に切れませんよね。
そこで、ケーキ生地の焼き具合をできるだけ均一にするために開発されたのが、この銀色のベルトなのです。ケーキ型の大きさによって、ベルトも長短ありますが、ピン付きで、型にぐるっと巻いて止め、オーブンに入れて焼きます。
このベルトの金属加工された表面が、熱伝導率をよくしてくれるようです。
【レイヤーケーキカッター】
ケーキの直径より長い目の包丁があれば、焼き上がったケーキをきれいに2つか3つに切り分けることができるかもわかりませんが、なかなか難しいです。
そんなとき便利なのが、このレイヤーケーキ用のカッターです。カッターと言っても、刃が付いているわけではなく、すごく細い針金をぴんと張った器具で、ケーキの手前から向こうまでスライドさせて、同じ高さに切れる優れものです。
【フロスティングのばし】
ケーキが焼き上がると、大抵フロスティングをかけて飾りを付けたりすると思います。少し大きめのパレットナイフでものばすことはできますが、実は本来製菓道具ではない便利な物があるんですね。
写真にあるのは、ペイント用の道具で、確かペイントガイドと呼ばれていると思います。ケーキデコレーションを習いに行ったときに先生から、これ便利よと聞いて、使い始めました。
幅が広いため、殆どのケーキの直径をカバーしてくれるので、フロスティングの最後の仕上げに、表面を一律にならすときに効果を発揮します。
【絞り袋ホルダー】
フロスティングを白一色だけで行うときはいいのですが、子ども用のケーキ・デコレーションの場合は、多色をフルに使って、アニメのキャラクターを作ったりすることもあります。
そういうときに、絞り袋ををカウンターに並べると、中のクリームが垂れて出てくるかもわからないし、色がくっつきそうになったりする心配もあります。
そこで便利なのが、絞り袋を立てて並べられる専用ホルダーです。これを購入する前は、私は細長いグラスをいくつか使って、作業途中の絞り袋を入れていました。これも、デコレーションする人の身になって考えられた製菓道具です。
<パイ・タルト類に便利な物>
【生地ミックス用金具】
フードプロセッサーを使うようになってからは、滅多にこの金具を使うことはなくなったのですが、たまにレシピによって、手ごねを推薦するものがあるので、そういうときに使用します。
ボウルに生地の材料を入れて、この金具を突っ込み、ザックザック混ぜるようになっています。
【パイ生地のばしガイド】
パイ生地をのばすときに、パイ皿の直径に合わせられるように、ガイドとなる外円が印刷されているシートを、以前は使っていました。
生地がくっつきにくい性質の素材を使っているので、この上に直接粉を振るい、適当に持ち上げては、のばし直していくという方法に便利です。
【パイ生地のばし袋】
初めは、上記のガイドとなるシートの上でのばしていたのですが、やはり均一の円を作るには、現在使用中の袋タイプが便利です。パイの直径に合わせて、大小あります。
とにかく生地をこねて、ディスク状にしてしばらく寝かせたら、あらかじめ粉を中に振るってから袋に生地を入れ、チャックを絞めて麺棒で真ん中からのばしていきます。
そうすると、生地ののばし方に偏りができても、袋の中なので、余分なものは左右にのびてくれるため、とても便利に、決まったサイズの円にのばすことができます。
【タルト型押し込み棒】
大きい型のタルト生地を、型の中で均一にのばしていくとき、もちろん手の指で押えながらのばしてもできますが、この肉たたきのようなハンマーがあると、比較的楽にのばすことができます。
上から見ると台形のように見えるものが両端に付いた棒の方は、タルトレットの生地を小さいマフィン型に押し込んでいくときに、スピードアップできて、とても便利です。
【クラスト・シールド】
パイでもタルトでも、フィリングに火が通るまでは時間がかかっても、周りのクラスト部分は早くに焼けるので、焦げてしまう恐れもあります。そんなときに便利なのがこのシールド。
アルミ製のものもありますが、こちらはシリコン製で、パイやタルトを焼くときにクラストの上にかけておくと、安心してオーブンに入れておけます。
【パイ・スクープ】
パイが焼き上がって、さて最初のピースを切り取るときに苦労することがあります。普通のケーキ・サーバーでもいいのですが、ちょうどパイ皿の形に折れ曲がっている三角状の金物があります。
これがあれば、一切れ目をきれいに取り出すことができますよ。
<その他の製菓道具>
【デコレーション・スプーン】
製菓道具に限らず、一般料理にも使えるのですが、よくフランス料理のレストランなんかに行くと、お皿に載ったメインの食材の周りに、綺麗なソースが点々と散っていたり、優雅な曲線を描いていたりしますよね。
この先が尖ったスプーンがあると、それが再現できます。
【チェリーの種抜き器】
ブラックフォレストケーキや、他のチェリー主体のデザートを作るとき、生のサクランボの種を1つ1つ取るのは、とても時間がかかります。
でも、この種抜き器があると、大きい粒でも4つ同時に種抜きができるので、大変便利です。少しへこんだ穴にチェリーを置いて、蓋の部分を力強く押すと、下に種が落ちる仕組みになっています。
【キャンディー用製菓道具】
キャンディーという言葉は、アメリカでは、「飴」だけを意味するのではなく、チョコレート菓子とか、グラノラボールとか、かなり幅広いお菓子を呼ぶときに用いられます。
ここに挙げるものは、チョコレートコーティングしたいときに便利な器具類で、入っていたパッケージの使用例を写真で載せますので、使い方を想像してみてください。
台所の引き出しや棚を開けると、まだまだ買ったままよく使いきれてないものがたくさん出てくるのですが、とりあえず、アメリカで日頃よく使っている、製菓道具の中でも特に便利な物を取り出してみました。
日本で全てそろうかどうかはわかりませんが、こんな便利な物あったの?という発見があればうれしいです。