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缶詰の賞味期限の表示は、海外と日本ではどう違うのでしょうか?
見方を間違えると、まだ大丈夫と思っていたものが、実はもっと古かったりして、知らずに食べてしまうと大変ですよね。
そもそも、賞味期限と消費期限とはどう違うのか、そこもよく理解しておく必要があります。
自然災害の多い日本では、特に棚で長く保存が利き、火を通さなくても、缶切りさえあれば食べられる缶詰は重宝するので、基礎知識はしっかり入れておきたいと思います。
賞味期限と消費期限はどう違う?
日本の食品管理は非常にきっちりしているので、言葉の使い分けにもしっかりとした定義があります。
農林水産省の「子どもの食育」のページにとても分かりやすい解説があったので、引用します。
賞味期限とは、袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。
スナック菓子、カップめん、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料など、消費期限に比べ、いたみにくい食品に表示されています(作ってから3ヶ月以上もつものは「年月」で表示することもあります)。
食品の例にあるように、缶詰は、そもそも長く持つ、傷みにくい食品として分類されているので、そこに表示されている期限は、「賞味期限」であることがわかります。
つまり、缶詰に記載されている年月日を過ぎても、美味しさが損なわれることはあっても、すぐに食べられなくなるわけではないということですね。
これに比べて、「消費期限」はどのようになっているのでしょうか?
消費期限とは、袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。
お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、いたみやすい食品に表示されています。
となっていて、基本、傷みやすい食品に表示されるもので、この日を過ぎると、食べない方がいい、ということになります。
日本では、加工食品には、この賞味期限もしくは消費期限のどちらか一方の表示が義務付けられていますが、製造年月日の記載は、任意によるものです。
缶詰の賞味期限:海外と日本ではどう違う?
EUを中心とする、ヨーロッパの代表的な国々では、基本、日本と同様に、腐敗しやすい食品には消費期限、比較的腐敗しにくい食品には賞味期限の表示が義務付けられています。
では、私の住むアメリカではどうかと言うと、この賞味期限や消費期限の表示は、各州の判断にゆだねられており、連邦政府全体としての統一基準はないのです。あれまっ!!
だから、卵がどうしてこんなに長持ちするのと思うくらい、先の日にちになってたりするんですね。
日本では、この賞味期限の日にちがかなり前倒しになっていて、まだ食べられるのに廃棄処分にしないといけないという、もったいない状態もよく耳にしますが、アメリカはその逆。
さて、では、実際の缶詰には、具体的にどのように記載されているのか、見ていきましょう。
<日本の場合>
住所の表記と同様に、日本では、大きいものから順に書き出していきます。つまり年代が一番先に来て、月日の順番です。
(例)2020年10月20日又は、2020.10.20といったように。
<海外の場合>
俗にイギリス式と言われていますが、日本式とは逆で、住所でも番地から書き表すように、小さいものが先に来ます。
(例)20.OCT.2020又は、20.10.2020というような感じで。
アメリカでは、主流は、月、日、年の順で表示されるのですが、たまに、日、月、年のときもあります。
(例)OCT.20.2020又は、10.20.2020のように。
上記の例では、いずれの順序でも、日にちの数字が大きいので、月と日の区別がはっきりするため、まだわかりやすいです。
ところが、厄介なのは、日にちが、12の月と同じかそれ以下の数字の場合で、月がアルファベットで表示されていないときです。
(例)03.04.2020
この場合、2020年の4月3日なのか、3月4日なのか、はっきりしません。困ったもんです。
こうなると、もう消費者の勘に頼るしかありません。
また、中には、印字が薄かったり、まるで細かいピクセルのように、点の連続で印刷されていたりすると、3なのか8なのか見分けがつかなかったりするときもあります。
<英語の期限表現>
・「製造年月日」に当たるのは、“Production Date”とか、“Date of Manufacture”で記されています。
・「消費期限」は、“Use by~”とか、“Expiration Date”(略してEXP)などで表示されています。
・「賞味期限」は、“Best by~”(略してBB)とか、“Best before~”といった表記になっています。
上記3つは、一応消費者の目線に立った表示方法と言えますが、アメリカの生鮮食料品に書かれている形式を言うと、“Sell by~”で表現されることが多いです。
つまり、これは販売者側に立った「販売期限」の表示であり、まるで、「この日を過ぎてもまだ棚にあるものを買うのは自己責任ですよ。」と言っているかのようです。
いかがでしたか?
日本と海外の考え方も少し加味しながら、缶詰の賞味期限の表示について解説してみました。
アメリカでは、時々、消費期限内のものを購入しても食中毒になったりしていることがあります。ある程度は常識を働かせることも大切です。
例えば、缶詰で言うなら、上下の部分が膨らんでいるものや、汁が漏れてきているものなど、明らかに異常をきたしているものは、胃の中ではなく、ゴミ箱へ直行させましょう。
このページが、少しでも、賢い判断基準の参考になれば幸いです。