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小麦粉の種類の違いはどのくらいご存知でしょうか?
または、これまでにどんな粉を使ってこられたでしょうか?
普通の料理環境では、薄力粉、中力粉、強力粉があれば、大抵のクッキングに間に合いますね。でもアメリカの食料品店に行くと、実にたくさんの粉類があってびっくりします。
というのも、日本語で言うところの小麦粉は、英語に直すと、一般的には“flour”になりますが、これは単に麦から作られているもの以外も含めるので、もっと広範囲の意味になるのです。
このページでは、狭い意味での小麦粉にとどまらず、広義の粉類としての種類と違いにも触れていきます。
小麦粉の種類と違い:メリケン粉とはどう違うの?
平成生まれの、関西地区以外の方で、「メリケン粉」という言葉を聞いたことがある方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? 私は昭和生まれの関西人なので、祖母や母が「メリケン粉」と呼んでいたのを覚えています。
これは、明治時代にアメリカから入ってきた、真っ白の小麦粉のことを呼んだもので、当時日本では「うどん粉」として使用されていたものに対して、パンやクッキーを作るための粉として名前が付いたんですね。
でも、英語には強弱のアクセントの区別があるので、最初の「ア」”A”の部分は日本人にはあまり聞こえず、「メリカの」”merican”から耳に残ったので、「メリケン粉」と呼ばれるようになりました。今ではもう死語ですね。
というわけで、どちらも小麦粉の種類には変わりなく、産地の違いから、別に名前がついたということです。
小麦粉の種類と違い:家庭で使う基本の区別
小麦粉の一般的な種類の違いは、大きく分けて強力粉、中力粉、薄力粉の区別になると思います。日本語では、粉の強さを表す漢字で区別されていますが、英語では目的別の名前がついています。
つまり、強力粉はパンを作るときに使うので、“bread flour”と言い、中力粉はほぼいろんな用途に使われるので、“all-purpose flour”と呼び、薄力粉は主にケーキ作りに使用されるので、“cake flour”という名前になっています。
では、この種類の小麦粉の違いは何なのでしょうか? それはたんぱく質にあります。強力粉には約12~14%のプロテインが含まれるのの対して、中力粉には10~12%、薄力粉には8%程度しか含まれません。
たんぱく質の量によって、水分の吸収力が違ってきます。それがグルテンの生成力に影響してくるので、プロテインの多い強力粉を使うと、弾力性のある生地ができるわけですね。
小麦粉は大抵、紙袋に入って売られていますが、一度封を開けると湿気を吸収してしまうので、密閉容器に移し替えないと、長く持ちません。その際は、計量が便利なように、カップが入るくらいの広口瓶の利用をおすすめします。
さて、何にでも使えて便利な中力粉の種類ですが、漂白したものとそうでないものがあります。私はそこまで違いに敏感ではありませんが、中には、漂白粉の中の化学物質を舌で感じる人もいるようです。
薄力粉は、エンジェルフードケーキやシフォンケーキといった、繊細な生地を求める洋菓子作りには欠かせませんが、ないときには、少々粗い食感の生地を覚悟で中力粉を使ってもかまいません。
少しでも薄力粉に近づけたいときには、たとえば全体で1カップの分量が要るとすると、中力粉7/8カップに対して、コーンスターチを1/8カップ混ぜれば、薄力粉の代用になります。
小麦粉の種類と違い:その他の粉類
小麦粉を、本来の意味を表す英語に直すと、“wheat flour”になります。
で、この麦から生成されるたんぱく質の一種であるグルテンに、アレルギー反応を示す人が最近多くなっていて、麦以外の粉を使った、グルテンフリーと呼ばれる製品が増えています。
私も店頭に並んでいるグルテンフリーのクッキーを買ったり、レシピを探して作ってみたりしましたが、小麦粉との違いは歴然で、正直あまりおいしくありませんでした。
ただ、レシピによっては、いろんな粉の種類を使うことがあるので、店頭にもよく並んでいるような、小麦粉以外の粉類の例を少し挙げておきます。
・アーモンド粉(グルテンフリー)
・大麦粉
・そば粉(グルテンフリー)
・ココナッツ粉(グルテンフリー)
・とうもろこし粉(グルテンフリー)
・じゃがいも粉
・きび粉(グルテンフリー)
・オート麦粉(グルテンフリー)
・ライ麦粉
・キノア粉(グルテンフリー)
・米粉(グルテンフリー)
・セモリナ粉
・大豆粉(グルテンフリー)
・スペルト粉
・タピオカ粉(グルテンフリー)
また、小麦粉の種類でも、健康のために全粒粉“whole wheat flour”を使うこともあります。それから、レシピによって、“self-rising flour”と書かれていることもあります。
これは、粉の中にすでにふくらし粉であるベーキングパウダーや少量の塩を含んで作られたものですが、長期間使いかけのままだと、その効力がなくなってくるので、やはり別々に使う方がいいと思います。
以上、小麦粉の種類の違いについて、他の粉にも触れてまとめてみました。