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インディアナ州の食べ物って、際立った特徴はないのですが、ローカルで親しまれている名物料理やドリンク類はいろいろあります。
ユニークな組み合わせだなと思わせるサンドイッチやファーストフード類もあって、やっぱりコンフォートフードが多いかなという印象です。
では、実際にどんな食べ物があるのか見ていきましょう。
インディアナ州の食べ物
ファーストフード類
Chili Dogs
インディアナ州の各地域では、“Chili Cook-Off” というチリコンカンのコンテストが盛んに行われます。中でも、トマトを作っている “Red Gold” 主催のチリ・クックオフは有名です。で、そんなこだわりのチリをかけたホットドッグもまた名物になっています。
Coney Dog
インディアナ州では、Fort Wayne の “Coney Island” がオリジナルと言われているホットドッグのスタイルで、広い意味で使われるチリドッグに対して、こちらにかかっているのはもっと汁気の多いミートソースで、玉ねぎのトッピングもたっぷり載っています。
出始めた頃は、まだホットドッグの “dog” の部分が誤解を招きかねないということで、名前は浸透していませんでした。普通は1個食べるだけでは物足りないので、“3 dogs and a bottle” という、コーク付きのセットを注文する人が多いです。
サンドイッチ
Breaded Pork Tenderloin Sandwich
普通のサンドイッチは、パンの中に具材が納まっていますよね。でもこのスタイルは、豚ヒレ肉をたたいて薄くのばしたものにパン粉を付けて揚げ、とても中には納まりそうにもない形のバン(円いバーガーパン)に挟んで出すのです。
豚肉にもこだわりがあって、“grass-fed” による農家の豚肉で作っているそうです。“epic ternderloin” とも呼ばれています。
Fried Bologna Sandwich
アメリカで有名なトークショーホストに、David Letterman がいます。彼が司会をする番組で、子どもの頃の好きな食べ物というテーマで、お母さんがよく作ってくれた、ボローニャソーセージを焼いて挟んだサンドイッチを紹介してから、人気に火が付いたとか。
Fried Brain Sandwich
ちょっと引きそうな中身のサンドイッチなのですが、インディアナ州のイートンビルでは、牛の脳を薄く切ったものを揚げて、トーストしたパンに挟んで出すメニューがあります。今では下火になっていますが。
でも狂牛病が広まってから、アメリカでは牛の脳を使うことが禁止されるようになったので、まだこのメニューを出しているレストランでは、豚の脳を使っているそうです。ちなみに内の主人は子どものころ食べたことがあって、どうも思い出したくない風でした!?
Roast Beef Manhattan
1940年代から、インディアナポリスのダウンタウン・デリで生み出されたサンドイッチです。白いパンにローストビーフを挟んで三角に切り分け、間にマッシュポテトを置いて、全体にグレービーをかけて食べる、まさしくコンフォートフードです。
肉類
Smoking Goose Charcuterie
インディアナ州では、ハムやソーセージ、サラミなどの燻製や塩漬けを売るデリカテッセンが人気です。更にガチョウの燻製も需要が大きく、専門店があり、国中のレストランや小売店に供給しています。
魚類
Lake Perch
インディアナ州は陸に囲まれていると思っていたら、北西部の隅が五大湖のミシガン湖に接しているんですね。そのため、ここで獲れるイエローパーチが、魚料理によく使われるのです。白身でほんのり甘く、マイルドな味です。
Shrimp Cocktail
シュリンプカクテルは、別に珍しい食べ物でもないのですが、インディアナポリスにある、“ST. Elmo Steak House” がアペタイザーに出しているメニューは、“Wrold Famous” という形容詞が付くほど、名物になっています。
とてもスパイシーなカクテルソースだそうで、このレストランで年間に提供している海老の量は、何と4万ポンド(18143キロ)で、ソースの量は、3千ガロン(11356リットル)というから、驚きですね。
野菜類
Sweet Corn
とうもろこしが美味しい州は他にもありますが、インディアナ州のスイートコーンは特に有名です。中でも人気が高いのは、“My Dad’s Sweet Corn” で、娘さんが売り始めたファミリービジネスで、味は天下一品とか。
その他
Biscuits & Gravy
インディアナ州というか、米国南部のクラシックな食べ物の1つです。生地をこね、型抜きして焼いたビスケットを横半分に切り分け、熱いグレービーをかけます。ソーセージかベーコンに卵やフライドポテトを添えれば、朝食のコンプリートミールができます。
なお、ここで言う、”biscuit” は、日本でおやつに食べるクラッカータイプのことではなく、アメリカでは、スコーンの食感に似た円い形のペイストリーで、料理にもお菓子にも使われます。
Chicken & Noodles over Mashed Potatoes
麺とポテトの組合せ。ダイエットしている場合は避けたい、タブル・でんぷんのコンボです。でもインディアナ州、とくに北部の方では、昔から、チキンヌードルやビーフヌードルがマッシュポテトの上にのっかって出てくるのです!
というのも、これは古くから住んでいる、あの穏やかで争いが嫌いなことで有名なアーミッシュの人々が好む食べ物だそうです。まさに、コンフォートフードという言葉がぴったりですね。
スナック
Popcorn
甘いとうもろこしがインディアナ州の代表的な食べ物の1つだとすると、当然ポップコーンの生産も盛んなわけで、アメリカでは、ネブラスカ州に次いで多く、国全体の4分の1の生産量を賄っています。
中でも人気が高いのは、双子の姉妹が経営する、“Just Pop In” という店で、非常にユニークなフレーバーのポップコーンを作って、独特の包装でファンを増やしています。
例えば、ローカルのビールを使ったチーズ味に、スパイシーなジンジャーカレー風味、トマトとバジルのピザ味もあれば、甘党には、チョコレート・ピーナッツバターや、ダークチョコレート・シーソルトなど、枚挙に暇がありません。
デザート
Fried Biscuits with Apple Butter
インディアナ州のダウンタウン・ナッシュビルには伝説の揚げパン菓子があります。円いビスケット生地を揚げて、シナモンシュガーでコーティングした後、アップルバターを添えて出します。
地元の人のアドバイスによると、そのまま口に入れると、熱くて火傷するかもわからないので、半分に割いて、少し蒸気を抜いてから食べた方が安全だということです。
Persimmon Pudding
インディアナ州外ではあまり出てこない食べ物なので、現地入りした時にはぜひ試してみたいデザートです。晩秋になると、柿もよく熟して、生で食べるには、もう歯ごたえがなくなってしまいますよね。
そういう軟らかい実を利用して作られたお菓子なのですが、クリーミーなプディングというよりは、とてもしっとりしたケーキという感じ。感謝祭の頃には、最も多く検索されるレシピの1つだそうです。
毎年9月の終わり頃になると、柿フェスティバルが行われ、ベーキングコンテストでは、甘いアメリカ柿を使ったデザートを競い合います。サイトに行くと、過去の優勝者のレシピが載っているので、私もいつか作ってみようと思っています♪
Sugar Cream Pie
1800年代の頃から、主にアーミッシュ・コミュニティーで親しまれてきた、クラシックなデザートパイです。2009年には、“Hoosiar Sugar Cream Pie” として、インディアナ州の公式パイに認定されることになりました。
見かけがよく似ているカスタードクリームパイは、卵を使っているのですが、このシュガークリームパイは一切卵を使わず、砂糖とヘビークリームが主体で、あと、バターに小麦粉かコーンスターチが入って、バニラを加えて作るシンプルなものです。
インディアナ州の飲み物
アルコール類
Imperial Breakfast Magpie
インディアナポリスで蜂蜜酒 “mead” や、りんご酒 “craft cider” を作っている、“New Day Craft” というメーカーが、年に1回ブラックフライデーの時にだけ出している、購入制限付きの特別なお酒なのです。
ブラックラズベリーワインを14か月間バーボンの樽で熟成し、エスプレッソ風味を加えたドリンクです。リリースの時には、テイスティングルームに地元のファンが行列を作るようです。私も一度飲んでみたいな♪
Zombie Dust
インディアナ州に拠点を置く、“3 Floyds” というビール会社が製造している看板ビールで、シトラスの香りがするホップの強いアメリカン・ペールエールです。ファンが多くいて、いつも供給が需要に追い付いてないようです。
ノンアルコール類
Triple XXX (pure cane sugar) Root Beer
オリジナルのトリプルエックス・ルートビールは、1895年にテキサスで生まれて、一時は北米でも100店舗くらい、扱う所がありました。
でも時代を経て、今でも当時のオリジナルのトリプルエックス・シロップ(さとうきび100%)を使ってクラシック・ルートビールを提供しているのは、1929年から開業している、インディアナ州のラファイエットにあるドライブインレストランだけになりました。
(地元ワシントン州にも同名のファミリーレストランがあるのですが、こちらは、コカコーラ会社からシロップを入手して作っているそうです。)
ちなみに、どうして “X” が3つ名前に付いているかというと、1つだけでは単に、”good”、2つで、”better”、3つそろって、”best” ということをアピールしたものです。
実はインディアナ州には、主人の親戚がいて、一度訪ねていったことがあるのですが、その時は地元の食べ物に詳しくなかったので、ここで紹介したユニークな食べ物や飲み物に触れる機会がありませんでした。
今度行ったときには、もっと詳しく聞いて、食の追求をしてみたいと思っています。最初に旅行した時に一番印象に残っているのは、信号の代わりに設置されている “roundabouts” と呼ばれるロータリーシステムで、ドライブの度に目が回るかと思いました。
最後に、インディアナ州のニックネームは、“Hoosier State” で、名前の由来には諸説あるのですが、”hoosier” という言葉そのものには、「田舎くさい、教養がない、不器用な」というような否定的な意味合いで使われることもあります。
米国では10本の指に入る広大な農業地帯を持つ州で、開拓時代の名残からも、そのように呼ばれるのでしょうが、食べ物に関して言えば、アメリカの原点に立ちかえった素朴な味が楽しめるということですね。