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ジョージア州の食べ物について解説します。もちろん、アメリカのジョージア州のことで、別の独立した国の話ではありません。
ジョージア州は、2020年のアメリカ大統領選挙で、一躍スポットライトを浴びることになりましたが、むしろ、アトランタという地名の方が有名だと思います。
年配の方なら、「風と共に去りぬ」をすぐに思い出されるでしょうが、今はこの映画も、黒人差別の観点から、自由に上映できなくなりました。
まあ、そんな堅苦しいことは置いておいて、ここでは、南部料理を中心に、温かい気候に恵まれ、海岸線も含む地理的要因から、どんな食べ物に人気があるのか見ていきましょう。
ジョージア州の食べ物
肉類
Brunswick Stew
ブランズウィックシチューの名前は、ドイツ北部にある街の名前から来たものを英語にしたもので、ジョージア州の同名の都市と、バージニア州の同名の群が、それぞれアメリカで広めたと宣言しています。
どちらにせよ、このシチューはトマトをベースにしていて、たっぷりの野菜や豆類に、何か1種類の肉を入れて作られます。バージニア州では主にうさぎか鶏肉、ジョージア州では主に豚肉が用いられます。
Georgia BBQ
ジョージア州には、ジョージア・バーベキュー・アソシエーション(Georgia Barbeque Accociation)というのがあって、年に数回はいろんなコンテストを開催しています。それだけ、BBQにかける意気込みは違っているわけですね。
私が思うに、一般的なソースに比べると、ジョージア州が誇るバーベキューソースは、スリーS、つまりスパイシーでスイートでスモーキーであることが特徴と言えます。
Fried Chicken Biscuit
フライドチキンが朝から出てくるのは、ジョージア州では珍しくありません。「ビスケット」と言うと、日本ではグリコのお菓子かもわかりませんが、アメリカではパンの代わりに食べる、スコーンの食感に似た食べ物を指します。
デザートに食べることもありますが、ビスケット(ブレッド)はむしろ食事用。半分に割ってチキンやエッグを挟み、(私は食べたことがないけれど)ベーコンマーマレードが入ってたりします。
Chicken and Dumplings
ジョージア州のカンフォート・フード、とでも言いましょうか。鶏肉から作ったチキンスープに、鶏の身とバターミルクと粉で作った団子を落として煮込んでいくと、とろみのあるシチューのような仕上がりになります。野菜もたくさん入って栄養満点。
魚介類
Georgia Wild Shrimp
ジョージア州の右下、つまり南東部の端は、大西洋に面しており、上のサウスカロライナ州から、ジョージアを挟んで、下のフロリダ州に至る海岸沿いは、新鮮な海老の宝庫です。
養殖の海老と違い、身は引き締まって、鮮やかな色合いをしており、ほのかな甘みがあるので、カレー味やスパイシーな味付けを添加することで独特の風味を楽しめます。
Georgia Trout
ジョージア州北部にあるブルーリッジという所が、フライフィッシングで有名で、ジョージアの鱒釣りの中心地になっています。ジョージア由来のマスは、“Brook trout” と “Salvelinus fontinalis” の2種類ですが、もちろん他の種類も釣れます。
燻製にしたマスに、サワークリームやクリームチーズ、マスタードにレモンジュース、ディルなどのハーブ類を混ぜて作られたディップソースは美味です。
野菜類
Vidalia Onions
ヴィダリアオニオンは、アメリカ農務省も認定している、ジョージア州ブランドの甘い玉ねぎで、1990年にはジョージアの州野菜に指定されました。ジョージア州の土壌には硫黄が少ないことから、甘く育つのだそうです。
比較的甘い玉ねぎの種類は他にもありますが、硫黄分の少ないマイルドな味のヴィダリア種は、調理の際に切る時にも、涙を流すのは少なくて済みそうです。これでフレンチオニオンスープを作ったら、美味しいでしょうね♪
Fried Okra
フライドオクラは、ジョージア周辺の南部料理が盛んな州では人気の食べ物です。ジョージア州のあるレストランで、料理界のアカデミー賞であるジェームズビアード賞にノミネートされたオーナーが、店の目玉商品を作りました。
インド出身の彼は、小さい頃オクラが苦手だったようで、お母さんが子どもに何とか食べさせようと、千切りにしたオクラをフライにして、塩とライムジュースで味付けしたら大好きになった経験を生かして、アレンジを考えたそうです。
Fried Green Tomatoes
フライドグリーントマトと言えば、映画通の方ならすぐに思い出す、1991年製作のアメリカ映画に、同名のタイトルがあります。舞台となったのがジョージア州のカフェで、そこの看板料理が、フライドグリーントマトだったんですね。
私も実は、この映画を観るまで、こういう料理があるとは知らなかったのです。まだ緑色のトマトを薄切りにして蜂蜜をまぶした上、軽く衣を付け、色よく揚げた物で、前菜やサラダにしたり、サンドイッチに挟んで食べることもできます。
果物類
Georgia Peaches
ジョージア州の代表的な果物と言えば、「桃」。アメリカの各州にはニックネームが付いているのですが、もちろんジョージアは、“Peach State” なのです。私は関西出身なので、日本で言えば、和歌山県の桃、といった感じでしょうか。
州の中央部に位置する桃の産地は、“Peach County” (ピーチ群)と名付けられています。食べ物とは関係ないのですが、クラシックの野球ファンなら誰もが知っている、ジョージア州出身のタイ・コブのニックネームは、“The Georgia Peach”でした。
余談ですが、今、彼のベースボールカードを持っている人は、しばらく生活の心配がないほどの価値を手にしています!
Blueberries
ジョージア州が誇る果物は、ピーチだけではありません。ブルーベリーも、アメリカの中では三大産地の1つになっています。ブランドには、“rabbiteye”, “southern highbush”, “northern highbush” などがあります。
デザート類
Fried Apple Pies
ジョージア州北部にあるマーシア果樹園で作る、自家製のフライドアップルパイは、最も人気のあるハンドパイの1つです。この広大な敷地にあるりんご園で収穫されるアップルは、実に50種類ほどにも及び、1940年代から地元の人々に親しまれています。
Pralines
ジョージア州は桃だけでなく、ピーカンの産地としても有名です。サバンナにある、“River Street Sweets” で作っているプラリネは、“World Famous Pralines” として商標登録していて、オリジナルからチョコレートを加えたバリエーションまで楽しめます。
国や地域によって、プラリネの素材になるナッツは、アーモンドやヘーゼルナッツなど様々ですが、ジョージア州ではもちろん、ピーカンを砂糖で煮詰めています。
ジョージア州の飲み物
Coca-Cola
コカ・コーラって、ジョージア州アトランタで生まれたことご存知でしたか? 会社の前身時代は、アルコール入り飲料だったようですが、1886年5月8日に、「コカ・コーラ」の名称でノンアルコール炭酸飲料として正式に世の中に出ました。
当時、ドラッグストアで売られていたコップ一杯の値段は、たったの5セント! それから世界中に広まり、紆余曲折を経ていろんなバージョンが出て、今では復刻版も人気がありますね。
コカ・コーラ会社は、単にコークにとどまることなく、世界規模でユニークなブランドのドリンク類も手掛けています。日本で有名なものでは、ジョージア・コーヒーや、緑茶の綾鷹、天然水のいろはすなどがあります。
Sweet Tea
アメリカ南部の方では、アイスティーとスイートティーは同義語のようで、「クリープのないコーヒーなんて」(滅茶苦茶時代錯誤?)ではありませんが、「砂糖の入ってない紅茶は紅茶でない。」というノリです。
特にジョージア州のアイスティーの甘さは半端ではないようで、笑い話のようですが、パンケーキにかけるメープルシロップが切れていたら、スイートティーをかければよいというくらいだそうです。ちなみに甘味料は白砂糖限定!
ジョージア州はアメリカの南部を代表する州の1つなので、食べ物には、やはりサザン・クッキングによくある揚げ物が多いですね。それと比較的甘いもの。
私はこれまでタイ・ティーは相当甘いと思っていましたが、生粋のジョージア州のスイートティーを飲んだことがないので、きっと一口飲んだら十分かなと想像します♪
日本の和歌山県の果樹園でもぎたての桃を食べてから、アメリカの桃には失望してきたので、一度現地で、ジョージアピーチを味わってみたいです。