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黒い食べ物って、海外ではどんなものがあるのでしょうか?
日本だとすぐに思いつくのが、海苔やひじきに黒豆、昆布やゴマに醤油など、体に良さそうなものがたくさん浮かんできます。
海外では、今挙げたものは和食をしないと、料理に使うことはあまり多くありません。でも黒い食べ物は海外にも多数存在します!
どんなものがあって、どういう風に料理に使えるのか、食材編と料理編に分けて、栄養価にも触れ、いろんなアイデアを交えながら、例を挙げていきますね。
海外の黒い食べ物:食材編
ライス
黒米は、少量しか生産されず、古代中国では “forbidden black rice” とも呼ばれ、皇室や貴族たちだけに許される貴重な食材の1つとして扱われていました。
いわゆる黒玄米なので、繊維質が豊富で、皮の部分にはアントシニアンが多く含まれていて、栄養価の高い食べ物です。この成分のために、調理すると、やや紫がかった色になります。
この「ブラックライス」と紛らわしいのが「ワイルドライス」です。”wild rice” は北米やカナダ原産で、浅い湖や川に生息する草から採れるものです。こちらも同様に栄養価は高く、調理時間も長くかかります。
野菜
にんにくは、もともと健康で強靭な体を作る源となる代表的な食べ物ですが、これが「黒にんにく」になると、生に比べて抗酸化物質が倍増するのです。
低温で数週間熟成させることによって、生の状態ではほとんど含まれていなかったSアリルシステインという成分が生成され、肝機能の保全やがん予防にも効果が期待できるとされています。
アメリカのトレジョに売っていたので、試してみましたが、非常に軟らかく、モラッセズにも似た甘味を感じさせ、ニンニク本来の臭みもとれていて、別物になったような感覚でした。
これでタヒニ・ソースもできそうです。中には黒にんにくのチョコレートケーキを作る人もいるようですが、洋菓子作りに熱心な私も、流石にそれは遠慮しておこうと思います♪
あと海外では、イスラエルの農産物を取り扱う会社が、技術を駆使して「黒トマト」を生産したという話も聞きましたが、まだアメリカのファーマーズ・マーケットでは見ていません。
豆類
日本の黒豆は、黒大豆ですが、海外で言うブラックビーンズは、黒インゲン豆になります。豆だけを食べるときは、和風だと甘煮が一般的ですね。
でも、アメリカではあっさりと塩味で煮るか、油炒めにすることが多いです。ラテンアメリカの料理にもよく使われ、代表的なものには、キューバン・ブラックビーンズがあります。
果物
アメリカ西海岸はベリー類が豊富に採れるのですが、特に「ブラックベリー」は雑草なので、わざわざ生育しなくても、夏になると道端の至る所に生えてきます。
ブラックベリーは繊維質が豊富で、ビタミンCも多く、善玉菌のえさになってくれることから、免疫力を高めるのにも良い食べ物です。
冷凍物でも栄養価に変わりはないので、年中保存しておけるし、どこかで大量に採れたときにはジャムにして置いておくのもいいですね。
ブラックオリーブは、一般的には野菜の部類ですが、植物学上は果物なので、こちらで触れておきます。
オリーブと言えば、抽出されるオリーブオイルから、ビタミンEが豊富なことは容易に想像できますが、特に黒オリーブに関しては、鉄分も多く含まれています。
ピザに載せたり、サラダに混ぜたりできますが、たくさんあれば、ニンニクやケイパー、アンチョビーなどと一緒にしてタプナード “tapenade” を作っておけば、かなり長く持ちます。
海外の黒い食べ物:料理編
パスタ
日本やアジア諸国で人気の「イカ墨パスタ」がやはり一番有名ですね。私が初めて食べた時、まるでお歯黒のようになったみたいなんです。
自分では鏡を見ないとわからないわけですが、その時同じテーブルに座っていた男性が、「その方がきれい」とか何とか冗談を放って、あまり気分がよくなかったので、それ以来食べていません!
それから、黒豆から作られているパスタで、真っ黒なスパゲッティーもあります。グルテンフリーなためか、とても柔らかくできています。
ちょっと面白半分に、ウズラ卵を使って、この黒パスタを小さく切ったものを全体に突き刺していき、食べられるハリネズミを作ったことがあります。
顔には、のりを小さく切って貼り付け、表情も変えたので、爆食べするのではなく、1つ1つ名残惜しそうに口に入れました♪
パン
ロシアのライ麦パンのことを、通常「黒パン」と呼ぶのですが、これはあくまで他の一般的なパンに比べて色が濃いことから、そう呼ばれているだけで、決して黒くはありません。
黒い材料であるブラックライスを使って作ることもできますが、本当に真っ黒にしようと思うと、やはり竹炭を生地に混ぜることですね。純粋に「黒いパン」ができます。
ご飯類
イカ墨イコールパスタという概念を少し外してみて、スパニッシュのパエリア料理を作るときに墨を混ぜてみてはいかがでしょうか。
また、寿司の白いご飯の代わりに、玄米を使っているのは見たことがありますが、黒米で作って巻物にすると、中も外も黒くて面白いと思いますよ。ハロウィン・ディナーにいいかも♪
スープ
黒豆を使ってスープを作ります。アメリカで使う黒豆は日本の物より小粒で、メキシカン料理にもよく使います。ブラックビーンスープはベジタリアン・ディナーとしても人気です。
サラダ
黒米やワイルドライスを使ったサラダもベジタリアンには主食になったりします。
ただサラダの場合は、少々見た目の華やかさもほしいところなので、黒い色に映えるカラフルな野菜を混ぜてコントラストを出すと、食欲をそそりますね。
ディップ
フムスはひよこ豆をベースにして作りますが、最近はいろんな種類の野菜を混ぜているケースが多く、黒い豆を使って作る手もあります。ただし、それだけでは真っ黒にはなりませんが。
デザート
・黒米プディング
・黒ごまドーナツ
・ブラックリコリスアイスクリーム
・ダークチョコレートカップケーキ
といった黒いお菓子は、ハロウィンの時にいただくと雰囲気が盛り上がりそうですね。
洋菓子作りには、黒いフードカラーを使って色付けすることもできますが、できるだけ自然な素材を使って黒い色を出せたらいいですね。
アイスクリームのコーンも、ココナッツの皮を少し混ぜることでより黒っぽい入れ物ができて、ダブルで楽しめそうです♪
ドリンク
・黒レモネード
・ブラックラテ
冷たいレモネードや温かいラテにも、活性炭 “actiated charcoal” を混ぜるだけで、黒い飲み物に変身!
黒い食べ物って、海外にも色々あるでしょう。赤や橙と同様に、黒い食べ物は体を温める食材としても知られています。
体の毒素を出すのに役立ったり、栄養価の高いものが多いので、季節を問わず食事の一部に、いつも心がけて入れたいですね。