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オリーブオイルの品質の見分け方って、わかります?
名前で言うと、「エキストラバージン・オリーブオイル」が一番良い、というのはよく耳にすると思います。でもそれって、普通のと何がどう違うのでしょう?
オリーブ油が入っている瓶の種類も色々見かけます。せっかく健康のためにオリーブオイルを選ぶのなら、品質の見分け方をよく知って、賢い買い物をしたいですね。
また、オリーブオイルをより良い品質の状態で使うためにも、賞味期限や保存の仕方についても触れておきます。
オリーブオイルの品質を見分ける評価の基準
オリーブオイルは良質の一価不飽和脂肪酸(MUFA)を多く含んでいて、地中海ダイエットには欠かせない健康的な油です。メープルシロップにグレードがあるように、オリーブオイルにも品質によって段階があります。
数ある食用油の中で、国際的な基準でオイルの評価がなされるのは、オリーブオイルだけです。オリーブは、スペイン、イタリア、ギリシャなどの欧州で採れるものだけで、世界のほぼ8割を占めています。
オリーブオイルの品質を決める重要なポイントは2つ。“acidity”(酸度)と“flavor”(風味)です。オリーブを最高のタイミングで収穫し、最少の時間でオイルを抽出して瓶詰にされたものが、最も高い品質となります。
そこで、IOOCという、国際オリーブオイル協会があって、一定の基準を決めています。アメリカでは、USDA(米国農務省)や、産地であるカリフォルニア州のOOCCという団体の評価もあったりします。
とは言え、アメリカのスーパーに出ているオリーブオイル製品の95%は輸入ものなので、ここでは、世界標準に従い、グレードの高い物から話を進めたいと思います。
オリーブオイルの名前による見分け方
<エキストラバージン・オリーブオイル>
ざっくり言うと、エキストラバージン・オリーブオイルは、オリーブが木になっている状態で、成熟期に手で収穫され、24時間以内に抽出されたものを指しますが、酸度や処理の具合で更に細かく分かれます。
【プレミアム・エキストラバージン・オリーブオイル】は、酸度が0.2~0.3%ほどで、洗練された風味を放ち、パンに直接つけたり、サラダ・ドレッシングにしたり、特に生食に使う最高のレベル。
【エキストラバージン・オリーブオイル】は、酸度が0.8%未満で、色は淡い黄色から草色をしていて、フルーティーな風味が味わえます。この名前で呼べるのは、コールド・プレスで抽出されたものだけです。
<バージン・オリーブオイル>
【ファインバージン・オリーブオイル】は、酸度が1.5%未満で、エキストラバージンよりは安いけれども、品質はあまり変わりなく、やはり生食に向いています。
【バージン・オリーブオイル】は、酸度が2%未満で、生食にも耐えられる品質はまだ保っていますが。風味はエキストラバージンに比べると、マイルド。
【セミ・バージン・オリーブオイル】は、酸度が3.3%未満のもので、次第に風味が落ちてくるので、加熱調理に使うのがいいです。
<精製オリーブオイル>
この部類になると、品質はかなり落ち、酸度は3.3%未満で、バージンオイルを熱加工して不純物を取り除くため、できあがりは、香りも味もないものとなります。
【ピュア・オリーブオイル】と呼ばれることが多く、ほぼ味気ないので、ものによっては、エキストラバージンを少量加えてブレンドする場合もあります。
<その他のオリーブオイル>
【オリーブポマスオイル】というのは、オリーブの実から油を抽出した後の搾りかすに残る、わずか10%ほどの油分を頼りに化学成分を加えて熱加工したもので、正式にはオリーブオイルとは呼べません。
品質は劣悪なので、通常は一般消費者が行くマーケットの棚に並ぶことは珍しく、主に業務用に使われています。
【ライト・オリーブオイル】という名前がありますが、これは決して低脂肪を意味するのではなく、何度も何度もろ過することによって、透明に近い色と味にしたものです。
その結果、栄養価もライトになりますが、煙点は高くなるので、揚げ物に向いているし、保存期間も長くなります。
【エステート・オリーブオイル】は、ある地域から収穫されたオリーブの種類だけを使って、同じ場所で処理され、最終製品まで作られたものを指します。
要は、その地域のブランド品ということで、通常は手で丁寧に収穫された、選りすぐりの物を選んで作るので、品質も良い代わりにお値段も高くなっています。
【フレーバード・オリーブオイル】を時々スーパーの棚で目にしますが、品質には差があります。エキストラバージンを抽出する過程で、スパイスやハーブを加えているものは良品質と言えます。
が、すでに抽出されたオイルに、後で野菜や果物のエキスや皮を加えたものは、あまり品質が良いとは言えません。
ちなみに、市販されているオリーブオイルを買ってきて、自宅でフレーバーを仕込む場合は、極小量にして、細菌の繁殖を防ぐために常に冷蔵保存し、1週間以内に使いきるようにしましょう。
【オーガニック・オリーブオイル】は、等級に関係なく、原材料となるオリーブがどのように生育されたかによります。オリーブ特有のハエやカビを除去するために、農家は薬剤をまくことが多いです。
USDA(米国農務省)では、アメリカ国内のみならず、海外からの輸入ものに関しても、化学薬品を使わずに育てたオリーブを使って作られたオイルには、保証ラベルを明示しています。
オリーブオイルの容器による見分け方
スーパーの棚に並んでいるオリーブオイルの容器を見ると、ガラス瓶、プラスチック・ボトル、缶入りなど、いろいろありますね。一体どれがいいのでしょうか?
結論から言うと、中身が見えないほど濃い色のガラス瓶に入ったオリーブオイルが、一番のおすすめです。次が缶入り。避けたいのはプラスチック容器入り。
どうしてかというと、濃い色のガラス瓶は光による劣化を避けてくれ、酸化もある程度防いでくれるからです。プラスチックは酸素を通してしまうんですね。
もう1つのオプションとしては、もし売っていれば、袋に入れたオリーブオイルを更に箱に入れたものです。これだとオイルを使うごとに袋がしぼみ、酸化の機会が極端に減ります。
オリーブオイルの保存の仕方と賞味期限
オリーブオイルは、熱や光に弱いので、冷暗所に保存しないといけません。通常、高品質のオリーブオイルは、1~2年が賞味期限であると言われています。
オイルが古くなっているかどうかの見分け方は、あなたの鼻を活用してください。
悪臭とまではいかなくても、オリーブ本来の新鮮な草のような香りがなくなり、果物が発酵しているような臭いに気づいたらアウトです。
でも、賞味期限の過ぎたオリーブオイルを捨ててしまうのはもったいないですよね。心配いりません。ちゃんと活用法があります。
オイルと同量のビネガーを混ぜて、家具のポリシャーとして復活させることができます。またシャンプーに混ぜて、髪の栄養補給に使ってもいいですね。
まとめ
・生食には、高価なエキストラバージン・オリーブオイルを使う。
・普通の炒め物などの調理には、バージン・オリーブオイル。
・揚げ物にオリーブオイルを使うときは、無味無臭の安価な精製オイルが適当。
・ガラス瓶もしくは缶入りのオリーブオイルを購入し、冷暗所に保存して賞味期限内に使いきる。
以上を目安に、目的に合った品質の見分け方をして、オリーブオイルを有効に使ってくださいね♪
なお、食用油全般の種類については、こちらの記事に詳しく書いています。