ウィスコンシン州の食べ物。乳製品とビール以外のものは何?

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ウィスコンシン州の食べ物

ウィスコンシン州の食べ物というと、真っ先に思い浮かぶのは、やっぱりチーズ。その他乳製品も数々ありますが、単品としてだけではなく、いろんな料理にも活かされています。

 

また他州でもあるように、原住民がつないできた主食や、ドイツや北欧といったヨーロッパからの移民が持ち込んで定着したもの、あるいはそこから発展して地元に根付いたものなど、いろんな食べ物があります。

それぞれ、いつどのようにしてもたらされたのかという時代背景も、わかる限り加えて、ウィスコンシン州で人気の食べ物や飲み物について解説していきます。

 

ウィスコンシン州の有名な食べ物

肉・魚類

Bratwurst

ブラートヴルストは、ドイツに古くからある代表的なソーセージで、ドイツ系移民の多いウィスコンシン州では、シボイガンという街が、自称、“Bratwurst Capital of the World” と宣言しています。

ちなみに他州でも同様の宣言をしている所もあるのですが、人気に拍車をかけたのは、メジャーリーグベースボール。1954年にミルウォーキー群のスタジアムで、野菜を添えてトマトソースをかけたものが、当時35セントで売られ、人気を呼びました。

 

ついでにいうと、“Beer Brats” という言葉があって、このソーセージを沸騰させたビールに少し浸してから焼いていただくと、より一層フレーバーを楽しめるというもの。

 

Fish Boil

ドア郡のフィッシュボイルの皿

出典:ウィキメディア

スカンジナビア人口が多く移住してきたウィスコンシン州の五大湖近くのドア郡では、多くの木こりや漁師に、フィッシュボイルが提供されました。新鮮な白い魚と赤い皮のジャガイモに、時には玉ねぎを加えて塩水で一緒に煮て、仕上げにバターを垂らして出すのが伝統的。

 

Friday Night Fish Fry

ウィスコンシン州には淡水魚が豊富なことに加え、禁酒時代の歴史的背景もあり、ポーランドやドイツ系のカソリック移民が多かったので、金曜日には肉を食さないことから、フィッシュ・フライを食べる習慣が広まりました。

 

Norwegian Meatballs

独立記念日の皿のミートボール

出典:ウィキメディア

北欧系移民が多いウィスコンシン州では、ノルウェースタイルのミートボールは教会の夕食でよく見かける食べ物。ストウトンで、毎年5月17日のノルウェー独立記念日を祝う行事で出される伝統料理の定番です。

 

野菜類

Morel Mushrooms

一万年ほど前、カナダの氷河が解けた水が、ウィスコンシン州の木が生い茂る丘の谷間に流れ込むことによって、アミガサダケに最適の生育環境が生まれました。とは言え、このマッシュルームは神出鬼没。発見にはスキルを伴うもの。

松茸狩りと一緒で、秘密の場所を知っているハンターは隠したがるもの。マスコダは、州のアミガサダケの首都に指定されており、毎年5月には、アミガサダケ・フェスティバルが行われます。

 

Roesti

ウィスコンシン州には、スイスの東部にあるグラールス州にちなんで名づけられた、ニュー・グララスという所があります。一歩足を踏み入れると、そこはもうスイスの街。ここのスイスレストランにある、レシュティという食べ物の話。

レシュティ

出典:ウィキメディア

一言でいうと、ハッシュブラウンにも似たポテトパンケーキ? 基本はおろしたジャガイモを丸めて固め、バターで黄金色に焼いたもの。でも、玉ねぎやスイスチーズを加えて混ぜることもしばしば。

 

チーズ

Artisanal Cheese Plate

ウィスコンシン州の食べ物で最も代表的なものはチーズではないでしょうか? 特にアルチザンチーズに至っては、全米の生産量の半分近くを占めていると言います。中でも、マジソンのキャピタル・スクウェアに位置する、“Fromaqination” は超有名。

昔ながらの職人が伝統製法技術を駆使して、少量ずつ丹念に作り上げるアルチザンチーズ。銘柄を挙げるときりがないので省きますが、オンラインショップに行くと、チーズボードに載せる豊富なギフトセットが目白押しで、目移りしてしまう。

 

Colby Cheese

コルビーチーズ

コルビーチーズは、今やどこでも見つかるポピュラーなチーズの1つですが、実はウィスコンシン州の、Joseph F. Steinwand 氏が1885年に発明したチーズ。香りやフレーバーの強いチーズが多い中、マイルドでクリーミーな味を編み出したのです。

 

Fried Cheese Curd

チーズカードというのは、大きなチーズブロックを作る前に集められた、小粒のデコボコした塊で、新鮮なうちに口にすると、キュッキュッと音が鳴ることから、「スクィーキーチーズ」とも呼ばれています。

チーズカードの揚げ物

出典:ウィキメディア

だから子どもに受けることは言うまでもないのですが、それに衣をつけて揚げたものがまた人気となり、ウィスコンシン州のビールのおつまみに最高の食べ物。

 

粉物類

Cornish Pasties

コーニッシュ・パスティ

出典:ウィキメディア

19世紀初頭に炭鉱開発が盛んな折、イギリスのコーンウォールから大量の鉱夫がアメリカに押し寄せ、ウィスコンシン州にやって来た人たちによって、彼らの伝統食である、手で持って簡単に食べられるパスティが広まったのです。

 

Danish Kringle

州南東部にあるラシーンは、デーニッシュ・クリンゲルの代名詞。2013年に正式に、ウィスコンシン州が指定するペーストリーに認定されました。北欧文化を引き継ぐクリンゲルの原型は巨大なリング状ですが、最近は小ぶりの物も見かけます。

 

Morning Buns

モーニングバンは一般的な食べ物に見えて、実は1970年代の初めに、ウィスコンシン州のベーカリーで作られたものなんですね。マジソンの名のあるベーカーが、クロワッサン生地にシナモンシュガーをまぶして巻き、円い形に切って焼いたもの。

ウェストバージニア州の地図

スープ

Beer Cheese Soup

パブで人気のビールチーズスープ。ウィスコンシン州の食べ物の2大要素であるビールとチーズの組み合わせ。チーズは基本的にはチェダー(できればシャープ)を使い、仕上げにポップコーンの載せて出します。

 

Chicken Booyah

1つの鍋で調理できる食べ物はキャンプや屋外で用意するのにとても便利。五大湖周辺の伝統的な料理であるチキンスープは、長時間かけて煮込むのが基本。名前はチキンでも、どちらかというとちゃんこ鍋風なので、他の肉類や数種類の野菜がたっぷり。

 

Smoked Fish Chowder

燻製の魚もウィスコンシン州の代表的な食べ物の1つ。湖で獲れるニジマスや他の淡水魚が豊富なので、燻製にしておいていろんな料理に使います。更に特定の湖の名を冠した、“Lake Superior Chowder” もあったりします。

 

ファストフード

Butter Burgers

ウィスコンシン州グリーンベイにある、“Kroll’s East” で、1935年創業以来定番のバターバーガー。よく焼けたブラックアンガスビーフのパティに、ローカルのバターを一切れ置き、トーストしたハードロールパンに挟んで食べると、溶けたバターが口の中にジューッと広がる(^^♪

 

Limburger Sandwich

リンバーガー・チーズ

出典:ウィキメディア

リンバーガーというのは、ベルギー生まれのチーズで、黒パンに玉ねぎと一緒にマスタードかホースラディッシュを付けて挟んだサンドイッチを、ビールと一緒にいただくのが、ウィスコンシン州に来たスイスやドイツ系移民の間で広まりました。

 

Milwaukee Style Pizza

ミルウォーキースタイルのピザって、どこが違うのでしょうか? 生地は極薄で、トマトソースも控えめ。どうしてかって? それは、ウィスコンシン州自慢のチーズの味を最大限に活かしたいから。納得です!

 

その他

Chili with Noodles

ウィスコンシン州のグリーンベイでは、チリ(コンカン)にパスタを入れるのが特徴。店によって、マカロニであったり、スパゲティーであったり。有名チリ店では、秘伝のスパイシーなオイルが決め手とか。

 

Hmong Egg Rolls

ウィスコンシン州に流れてきた移民は、ヨーロッパからだけではありません。ベトナム戦争から逃れてきたモン族もいました。彼らは自分たちのルーツであるレモングラスやラーブなどの野菜を育て、ベトナム料理に活かしていきました。

 

Wild Rice

何世紀も前からウィスコンシン州に住む原住民にとって、ワイルドライスは欠かせない主食です。長年手作業で収穫してきたワイルドライスも、産業の発展とともに危機にさらされることもありましたが、現在は規制をかけて保護する方針を取っています。

 

デザート類

Cream Puffs

19世紀の終わりごろから始まったウィスコンシンのステートフェアで、1940年代、つまり大戦時の食糧不足の折、ヨーロッパから来たシュークリームを食べようと、人々が行列を作って以来、人気が定着しました。

ウィスコンシン州・ステートフェア

出典:ウィキメディア

2週間ほど行われるイベント期間中には、一日に5万個ものシュークリームが販売されるというから、その人気のほどがわかります。

 

Frozen Custard

1925年にシカゴで行われた万博で一躍有名になったフローズンカスタード。アイスクリームに卵黄が加わり濃厚でクリーミーな味の冷凍菓子は、乳製品王国のウィスコンシン州でもすぐに広まり、非公式に、“Frozen Custard Capital of the World” になっていったのです。

 

Honey Bee & Vanilla Bean Pudding

ウィスコンシン州のあまり知られていない特産品にハニーがあります。その蜂蜜を活かしたデザートを普及させようと、ジル・プリスコットさんが作ったのが、ハニーとバニラのプディング。州指定動物であるハニーバジャー(蜜アナグマ)は大学のマスコットにもなっています。

 

 

ウィスコンシン州で人気の飲み物

Brandy Old Fashioned

バーボンで作るオールドファッションとは違い、ウィスコンシン州のカクテルは、19世紀にドイツ移民がもたらしたフルーツ・ブランデーで作られました。“Wisconsin Old Fashioned” とも呼ばれるこのカクテル、ベテランバーテンダーは目を閉じていても作れるそうです♪

 

Ice Wine

アイスワイン

寒冷地で育つブドウを収穫して作られるデザートワイン。ウィスコンシン州の北緯44度に位置するワイナリーでは、雨量や日照時間などの自然環境が整って、まさに純粋なアイスワインが製造できるのです。生のチーズカードと一緒に味わいたいですね。

 

Sprecher Root Beer

スプレッチャー・ルートビール

ウィスコンシン州の純粋蜂蜜を使って作る、リッチでクリーミーな味わいのルートビール。メープルフレーバーやローカロリー・バージョンもあって、バラエティーが楽しめます。ローカルの人は、他のブランドはもう飲めないとか。

 

 

最後に紹介したルートビールですが、実は私の苦手なドリンクで、好きになったことがないのです。でも、ウィスコンシン州の人が愛する飲み物を一度試してみたい気持ちになりました。アイスワインは好きなので、ぜひぜひ飲みたいです。

 

チリコンカンにパスタを混ぜるのは簡単そうなので、今度作ってみようと思います。チーズが主役のピザもいいですね。こうして調べてみると、食べたいものが一杯出てきました。

地理的にはなかなか簡単に行ける所ではないものの、ウィスコンシン州の食べ物や飲み物には魅力的なものがたくさんあるので、作れたり、ネットで手に入るものは試してみることにします。