オリーブの実の種類って?収穫時期と処理の仕方で別れる運命

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オリーブの種類

オリーブの実の種類って、本当に多くって、スーパーの売り場に行っても迷ってしまいます。

 

オリーブの木は日照りや寒さに強いので、古いものでは樹齢3千年になるものもあるというから、びっくりですね。産地以外にも、収穫時期や処理の仕方によって、いろんな種類が誕生します。

その品種は数百種類以上あるそうですが、ここでは比較的手に入りやすいもので、オリーブの実をそのまま食べたり、料理に生かしたりできる種類を取り上げて解説していきます。

 

オリーブの実の種類

食用オリーブは、大抵表面が滑らかなものが多いですが、乾式で処理されたオリーブには皺のよったものもあります。

ここでは見た目にわかりやすく、緑色系と黒色系に分類してみました。紫がかったものは、ブラックの方に入れました。

 

緑茶(グリーンティー)と紅茶(ブラックティー)の関係からわかるように、基本的に、未熟な間は緑で、成熟するに従って色が濃くなっていきます。

全体的にフレーバーで比較をすると、緑のオリーブは、やや苦味があるのに対し、黒のオリーブはマイルドな味で、油分を多く含んでいます。

 

以下、英語名のアルファベット順に並べました。

 

グリーン・オリーブ類

“Arauco”(アラウコ)

元はと言えばスペイン産なのですが、今では生育環境の良いアルゼンチンのアラウコで採れる濃い緑色のオリーブです。しっかりした肉付きの大き目の実で、テーブルオリーブとして流通しており、後味に少々スパイシーさが残ります。

アラウコ・オリーブ

 

“Arbequina”(アルベキーナ)

スペイン原産のオリーブの中でも最も人気の高いオリーブの1つで、今では南米やオーストラリアなどでも栽培しています。口当たりがいいのでアペタイザーに適していますが、油分が多いので、よくオリーブオイルにも作られます。

アルベキーナ・オリーブ

 

“Cerignola”(セリグノラ)

南イタリア原産で、オリーブの実のサイズが大きいため、種を取った後、チーズやニンニク、ケイパーなどを詰めたりすることが多いです。肉厚で、ほのかにレモンやリンゴの味がして、スナックに向いています。

セリグノラ・オリーブ

 

“Gordal”(ゴーダル)

スペインのアンダルシア地方から来たオリーブで、とても大きい実がなります。オリーブの中でも、いわゆるジャンボサイズでやや塩辛い味。大きさ故に詰め物をして食べることが多いです。

ゴーダル・オリーブ

 

“Lucques”(ルケス)

フランス産のオリーブで、形が少し変わっています。普通オリーブは楕円形が多いのですが、これは腎臓に似た形をしていて、アーモンドや、人によってはアボカドのような味がすると言います。ルケスは熟しても黒くなりません。

ルケス・オリーブ

 

“Manzanilla”(マンサニージャ)

スペイン産の中では一番有名なオリーブです。ピメントかガーリックが入った小粒のオリーブで、市中に出回っているのは、大抵この種類です。スペインではオリーブオイルにも使われます。

マンサニージャ・オリーブ

 

“Mission”(ミッション)

アメリカで18世紀ごろから栽培されているオリーブで、早熟の緑の他、完熟の黒いものもあります。どちらかと言えば、オリーブオイルに使用されることが多いです。

ミッション・オリーブ

 

“Picholine”(ピコリン)

フランスで人気を博したオリーブですが、今では世界中で愛用されています。フルーティーな味で、カリッとしていて、よくカクテル・オリーブとして使われます。

ピコリン・オリーブ

 

“Verdial”(ヴェルディアル)

ポルトガル原産のオリーブで、鮮やかな緑をしており、成熟しても緑色を保つ品種です。大抵オリーブオイルに漬かって瓶詰めされていて、ややスパイシーで苦味があり、タパスの一部として提供されたりします。

ヴェルディアル・オリーブ

 

 

ブラック・オリーブ類

“Alphonso”(アルフォンソ)

チリ原産のオリーブで、深い紫色をしていて、比較的大粒です。ジューシーでしっかりした味をしており、南米ではよくエキストラ・バージンオイルに抽出されています。

`アルフォンソ・オリーブ

 

“Beldi”(ベルディ)

モロッコから来たオリーブで、完熟を待って黒くなってから収穫されます。乾燥方式で寝かして作られ、スパイシーでよくしがんで食べるタイプで、深みのあるフレーバーが楽しめます。

ベルディ・オリーブ

 

“Gaeta”(ガエタ)

小粒で濃い紫色をしており、酸味のあるフルーティーな味がするので、イタリアではサラダに入れたり、ピザに載せたりして使います。乾式で塩保存したものは皺が寄っていて、前菜に使われることが多いです。

ガエタ・オリーブ

 

“Kalamata”(カラマタ)

ギリシャ・オリーブの中でも一番有名で味わいのある赤紫色のオリーブですね。塩味の中にほのかな甘さが感じられ、赤ワイン酢に漬かって瓶詰めされていることが多く、同じくギリシャのフェタ・チーズとの相性は抜群です。

カラマタ・オリーブ

 

“Ligurian or Taggiasca”(リグリアン又はタッジャスカ)

北イタリアで生育する小粒のオリーブで、緑から黒に変わっていく過程で収穫されるので、濃い茶色になります。実はしっかりしていて苦味はなく、どちらかと言うとほのかな甘さが感じられます。

タッジャスカ・オリーブ

 

“Moroccan”(モロッカン)

艶光りのする漆黒のオリーブで、皺がよっていますが、実はしっとりしています。塩味で、ややスモーキーなフレーバー。にんにくやレモンのオイル漬けにしても楽しめ、食後にも余韻が残るオリーブです。

モロッカン・オリーブ

 

“Nicoise”(ニソワーズ)

フランス産のオリーブですが、イタリア産の “Ligurian” と同じ種類と考えられます。漬け込む方法の差から、仕上がりが違ってきます。濃い茶色のニソワーズは半年間塩漬けされ、有名なサラダの材料にもなっています。

ニソワーズ・オリーブ

 

“Nyon”(ニヨン)

フランス原産の、完熟を待って収穫される黒い小粒のオリーブですが、数が少ないのでやや高価になります。少し皺がよった真っ黒の実は、ローズマリーやタイムが、苦味の中にもまろやかな味を引き立ててくれます。

ニヨン・オリーブ

 

“Thassos”(タソス)

ギリシャのエーゲ海に囲まれたタソス島で採れ、ドライ方式で仕上げるので、皮に皺のよった黒い粒のオリーブです。実は小粒で木の香りがして、テーブルオリーブに最適で、オレガノを合わせると味が引き立ちます。

タソス・オリーブ

 

オリーブの種類を分ける要素

オリーブの木が同じ種類であっても、食用品種になったときには別物になっていることがあります。例えば上記で触れたニソワーズとリグリアンの関係のように。

 

オリーブの実は渋柿と一緒で、そのままでは食用にならないので、収穫した後の処理によって食品化します。その際の工程の違いによって仕上がりに差が出てくるのです。

産地国や地域、また製造会社によって、いろんな組み合わせで行われるものの、主になる工程を挙げると、次のようになります。

 

・Water Curing

これは初めに水に浸ける方式で、水と言っても弱塩水なのですが、長時間かけてゆっくりと、苦味の成分であるオレウロペインを分解していき、最後に保存用の塩水に漬けて仕上げます。

 

・Brine Curing

この塩水方式は極めて標準的な方法で、初めから比較的濃度の濃い塩水に付けて苦味を抜き、食用になってきたら、ビネガーやオイルにスパイスなどを足して瓶詰保存します。

 

・Dry Curing

これは、黒オリーブを処理するときによく使われるやり方で、最初に時間をかけて自然乾燥させた後、塩やオイルをもみこんで瓶詰にしていくので、表面に皺がよっているものがほとんどです。

 

・Lye Curing

大手のメーカーが用いている方法がこれです。苛性ソーダ(アルカリ液)に漬け込む時間が一週間ほどの短期間で済むので、大量生産に向いているのです。その代わり、人によっては化学薬品が鼻につくこともあります。

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以上、地中海料理には欠かせないオリーブですが、太古の昔から生育し、厳しい環境にも耐え抜いてきた実は、収穫の時期や処理の仕方によって、いろんな種類に分かれることが分かりました。

アメリカのスーパーに行くと、瓶詰や缶詰だけでなく、自分で好きなオリーブを組み合わせて買えるセルフサービスのコーナーがあり、食べる目的に合わせていろんな種類が選べます。

 

テーブルオリーブとして直接いただいたり、タぺナードを作ったり、サラダやパスタに混ぜたりと、様々な方法でオリーブの実を楽しんでくださいね♪