辛子とマスタードの違いは?和風か洋風かだけじゃないよ。

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辛子とマスタード

辛子とマスタードの違いって、決して日本語とカタカナ語(輸入語)の違いではないんですよね。

この二つは全く別物ではなく、元になる植物は同じでありながら、品種が違うことと、製造過程が異なるために、味も違ってきます。

 

「和からし」と「洋からし」と呼ぶこともあれば、「オリエンタルマスタード」と「イエローマスタード」と呼んで区別することもあります。

では、具体的に辛子とマスタードの違いはどこにあるのか、探っていきたいと思います。

 

辛子とは?

中央アジア原産のアブラナ科に属する「カラシナ」という植物の種からできています。漢字で書くと、「芥子菜」は、あぶらなの花に似た黄色い花をつけ、春の5月頃に咲きます。

辛子の原料になる種の色は黄色で、直径が1mmくらいの小粒です。

 

揮発性が高く、強烈な辛みがあります。だから、おでんを食べるときに、少し加減しながら辛子をつけて食べないと、顔がゆがんでしまいます。

家庭ですぐに使えるように、チューブに入った練り辛子が売られていますが、これは、本来の「辛子」に油分や安定剤などが配合されて、人工的に作られたもので、純粋とは言えません。辛子

本当は、「からしな」の種を粉末に砕いた「粉からし」に水分を混ぜて練るだけです。そもそも、辛味の成分は、この粉を水で溶くことで生まれるものです。

このときに混ぜる水分ですが、辛みの成分を発生させる酵素が一番活発に働くのが、40度前後のぬるま湯だと言われています。混ぜた直後は、少し苦味を感じるかもわかりませんが、そのうち辛味に変わっていきます。

 

でも、毎回水溶きするのも面倒だし、長期保存ができるものが便利なので、チューブ入りの「練りからし」が重宝するようになりました。

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マスタードとは?

マスタードも、やはり辛子と同じアブラナ科の「カラシナ」という植物の種子からできるのですが、その中でも、「辛子」になる種より少し大きめの種を産む「シロカラシ」に属する品種を使って作られるので、味が違います。

元々、辛子より揮発性も弱く、辛味も穏やかな上に、酸味や糖分、スパイスをいろいろ加えて味付けされるので、香辛料的な感覚ではなく、ソースの一種のように使われます。

 

ですので、おでんに浸ける辛子の代用品は難しいですが、俗に「マスタード」と呼ばれるものは、基本の粉からしを水で溶いて、自分でハニーやビネガーを加えてオリジナルを作ることも可能なわけです。

市販の物でもいろんなフレーバーが出ていますが、主な種類を挙げておきます。

 

【イエローマスタード】

アメリカでホットドッグを売っている店なら、どこにでも置いている種類です。野球のスタジアムに行っても、カウンターには必ずケチャップの瓶と、このイエローマスタードの瓶が置いてあります。イエローマスタード

味はマイルドですが、より辛子らしく見せるために、スパイスのターメリックが入っています。

 

【ディジョンマスタード】

フランスのブルゴーニュ地方の都市で、ブドウ畑で有名なディジョン”Dijon”で作られるマスタードで、粉末を溶くときに、酸味のあるブドウの汁を使っているのが特徴です。

ファロ・ディジョン・マスタード

正式に、「ディジョン」と呼べるものには、製造過程での細かい規定があるようです。アメリカで使う料理のレシピで、「マスタード」としか書いていなければ、まずディジョンを使っておけば間違いないです。

いろんなブランドを試していますが、私は、ファロのディジョン・マスタードが一番好きです。

 

中には、辛味を強調させて、「エキストラ・ストロング」と書いてあるものもあります。

エキストラ・ストロング・マスタード

 

【ハニーマスタード】

名前の通り、蜂蜜が入っているマスタードです。普通の種類にもハニーが入っていることが多いのですが、わざわざ「ハニーマスタード」と呼んでいるものには、通常よりも多く入っていて、かなり甘めになっています。

ハニーマスタード

辛子なのに甘いのはどうもね、という人もいるので、(うちの主人ですが)好みはあるものの、ハムステーキとかの料理によく合いますよ。

 

【粒入りマスタード】

スパイスとして、「マスタードシード」を使うことがありますが、こちらは、種が粗挽き状態でマスタードになっているものです。アクセントになるので、ドイツの本格ソーセージを楽しみたいときに使いたい種類です。

マスタード・シード

マイユの粒入りあたりが口当たりいいのではないかと思いますが、家で作ることも可能です。

マイユ・粒入りマスタード

すりこ木でマスタードシードを挽き、半ば砕けてきたら水を混ぜ、好みの酢や塩に甘味も加えていけば、ホームメイドの粒入りマスタードができ、冷蔵しておけばかなり長く持ちます。

 

辛子とマスタードの違いとは?

まとめると、辛子もマスタードも同じアブラナ科の植物の種から採れるけれども、品種の違いから、味も違ってくるということです。

辛子の方がより辛く、マスタードはマイルドな味。

 

辛子は水分以外には混ぜ物がないけれども、マスタードは加えるものによって自由自在に味付けができる。

 

以上で、辛子とマスタードの違いを分かっていただけたでしょうか?

もし、余裕があれば、ホームメイドのマスタードにも挑戦してみてください。

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