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米料理の名前は実にたくさんあります。特に本家本元、日本のものだけでも数えきれないくらい存在するので、このページでは、和風を省いて世界の視点で見ていきます。
大きく、欧米編とアジア編に分けて、米料理の名前で、一度は聞いたことがあるような人気の品について解説します。英語名のアルファベット順に並べました。
米料理の名前:欧米編
Arancini(アランチーニ)
イタリアの丸いライスコロッケですね。ご飯にチーズを混ぜて塩胡椒で味付けし、あとは他のフライ物と同様に、小麦粉、卵、パン粉をまぶして揚げていきます。
近くの食料品店で売っているアランチーニは丸い形をしていますが、これはシチリアとナポリのスタイルです。そもそもこの形が小さいオレンジに似ているところから命名されたそうです。
ただ、ローマに行くと、外見は俵型に変わり、使用するチーズも、特によく伸びるモッツァレラが使われます。実は名前も変わって、Suppli(スプリ)と呼ばれます。
これって、イタリア語で「糸電話」のことなんですね。想像してみてください。昔、子どものころ、トイレットペーパーの芯を使って、ひもを通して作りましたよね。
二人が距離を置いて耳に当て、電話の真似をしました。このときのひもの部分が、モッツァレラチーズ-ズが糸を引いているように見えることから、この名前が付いたそうです。
Doria(ドリア)
日本でも人気のライスグラタンの料理ですね。私も大好きです。でも、驚くことなかれ、この米料理は洋風に見えて、実は日本で作られたものだったんですね。アジア編というにはあまりに西洋風なので、こちらに入れました。
横浜にある老舗の有名ホテルニューグランドのスイス人シェフが開発したものと言われています。基本はバターライスにホワイトソースをかけてチーズを散らし、オーブンで焼いて仕上げます。
中の具材には、シーフードがよく使われますが、鶏肉も合うし、中にはチキンライスの上にソースをかけて焼いたものもあれば、カレーピラフをドリアにすることもあります。
Gumbo(ガンボ)
アメリカはルイジアナ州のクレオール料理で、一番人気は魚介類、特に甲殻類を使って作るガンボで、ご飯にかけていただきます。私もシーフードを使って作ったことがあります。
ブイヤベースが主体となって、玉ねぎやパプリカ、セロリといった野菜類と一緒に煮込みますが、トマトの使い方によっても、赤いガンボもあれば、緑のガンボもあります。
とろみは、オクラでつけるのが主流で、名前もアフリカでオクラを意味する言葉から来ています。また別の方法で、フィレパウダーを使ってとろみをつける場合もあります。
私はシーフード・ガンボが好きですが、鶏肉や他の肉で作るガンボもあり、一度海老とチキンのコラボでガンボを作ったことがあります。
Jambalaya (ジャンバラヤ)
ルイジアナ州のケイジャン料理の代表格です。でも、この米料理は、元はと言えば、昔入植したスペイン人が作っていたパエリアが元になっていると言われています。
ソーセージとチキンがメインの肉類になることが多く、この種の料理には欠かせない3つの野菜、玉ねぎ、セロリ、パプリカを加えてしっかり炒め、スパイシーな味付けをします。
あとは米とスープを加えて蒸し煮にします。いろんなスパイスを入れるのが面倒な場合は、便利なケイジャンスパイスを利用するといいですね。
Shrimp creole(シュリンプクレオール)
名前に既に「クレオール」と付いているように、この米料理というか、ご飯と一緒に食べる濃厚なソースはルイジアナ州のケイジャン料理です。
よく似た米料理に「ガンボ」がありますが、もっととろみのあるトマトベースのソースになります。やはりスパイシーな味付けが特徴です。
Paella(パエリア)
スペインの代表的な米料理です。「パエリア」が日本語的には一般的な名前だと思いますが、アメリカでは、「パエイヤ}のように聞こえます。いずれにしても、バレンシア語で「フライパン」の意味だそうです。
パエリアを調理するときには平たくて大きい鍋を使います。そこに野菜類を入れて炒めたら、チキンなどの肉類を加えて炒め、米と水と一緒にサフランを入れて煮込みます。
私はやっぱり、ムール貝やイカなどの魚介類をふんだんに盛り込んだ、シーフードのパエリアがおいしいと思います。
Pilaf(ピラフ)
フランス語のつづりで書く「ピラフ」が一般的には知れ渡っていますが、元はと言えば、トルコの米料理なんですね。
アジア系のチャーハンと違うところは、ピラフの場合、すでに炊いてあるご飯を炒めるのではなく、野菜や肉を炒めた後、生の米を加えて炒めてから炊くということです。
でも、日本ではカレーピラフのように、冷たいご飯を炒めてカレー味を付けたりすることもあるので、伝わった国によって、いろいろアレンジされて作られています。
私はバスマティライスを使って、ナッツやレーズンも加え、サフランで色と香りをつけた、中近東風のピラフを作ったことがあります。
また、バリエーションを楽しむために、お米だけではなく、バーミセリパスタも加えて、パスタライスピラフも作りました。
Risotto(リゾット)
イタリアを代表する米料理です。洋風雑炊と言えるかもわかりませんが、調理法は異なります。
ソースパンで香味野菜を炒めて、香りが出てきたら米を加え、たっぷりのスープストックを注いで、米が水分を吸収していくまで煮込みます。
マッシュルームの持ち味を生かした野菜だけのリゾットや、チーズをたっぷり入れたものや、魚介類満載のリッチなリゾットまで、バラエティーを楽しむことができます。
私はアルボリオライスを使って、海老のリゾットを違うレシピで作ったことがあります。1つはチキンコンソメのスープで煮込みました。
もう1つは地中海風で、クラムジュースを使いました。リゾットが少し手間なのは、お米が液体を取り込んでいく間、時々混ぜて見守ってあげないといけないところです。
大人用には、ワインをたっぷり入れた、ムール貝のリゾットを作ったこともあります。
米料理の名前:アジア編
Bibimbap(ビビンバ)
ご存知、韓国の代表的な米料理です。ご飯の上に、ナムルを始め、ミンチや卵が載って、コチュジャンと一緒に全体をさっくり混ぜていただく料理です。
海鮮ビビンバもあれば、ユッケを載せたものもあり、具材はいろいろ工夫できます。一度、石焼ビビンバを食べたことがありますが、おこげの香ばしさがたまりませんでした。
Biryani(ビリヤニ)
パキスタンで生まれた米料理の名前ですが、インドの地方によっても、また他の東南アジアの国々によっても、実に様々な個別のビリヤニが存在します。
したがって、使用する具材も調理法も千差万別で、生米から調理する方法もあれは、半ゆで状態から使う方法もあるし、スパイスに至っては、限りなく種類があります。
一度、ビリヤニ・フェスティバルなるものがあれば、微妙に違うビリヤニ各種を試食してみたいものです。
Nasi Goreng(ナシゴレン)
インドネシアとマレーシアの炒めご飯の名前です。チャーハンによく似ていますが、やはり、豊富な香辛料で微妙に味付けが違ってきます。
炒飯には、ありとあらゆる具材を使いますが、ヒンズー教徒の多い国では、宗教上の理由から、豚肉を使うことはありません。
日本でもナシゴレンの人気が出て、スパイスキットなどがあると思うので、本場の雰囲気が出るのではないでしょうか。
炒飯(チャーハン)
最後は言わずと知れた、米料理の代表格。中華料理に限らず、アジアの国々ではそれぞれの持ち味を生かした炒めご飯が作られています。
アジア系のレストランに行くと、必ずと言っていいほどチャーハンを注文します。その出来栄え次第で、レストランの大体の腕を判断してもいいくらいだから。
タイのパイナップル入りのチャーハンも美味しいですね。各家庭にも、千差万別のホームメイドの味があります。簡単だけど、奥の深い米料理だと思います。
以上、米料理の名前で、聞き覚えのある品々を挙げてみました。上記の料理はみんな召し上がったでしょうか?
お米って、パン食より腹持ちがいいので、かえってダイエットになるのではと思います。それに、基本はよく噛んで食べる料理ですよね。
また新たに米料理の名前で思い出したものがあれば、付け足していきますね。
なお、上に挙げた、ガンボやリゾット、ピラフなどの料理を作ってみたい方は、私のレシピブログ「世界の家庭料理からもてなし料理までレシピを集めよう」に載せています。